日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

灼熱の近畿を行く 2018 - 大豊ラーメン

2018-08-17 23:57:02 | B級グルメ
一風呂浴びても依然として呑み直そうという意欲は戻りません。とはいえ、京都に泊まって銭湯に寄っただけというのもさすがにもったいない話です。ラーメンだけいただいて帰ることにしました。毎度おなじみ「大豊ラーメン」を訪ねます。

酔いはすっかり覚めました。つまり、無性にラーメンをいただきたくなる状況ではないということです。ただし、明治屋で飲み食いしてから四時間ほどは空いており、腹具合としては今までよりもよい状態ということになります。ならばおいしくいただけるかと思いきや、意外とそうでもありませんでした。
素面では物足りなく、酔ったときこそ本領を発揮するのは鹿児島の名店「のり一」のラーメンです。こちらの場合、物足りないわけではないものの、スープはやや塩辛く、麺もボソボソした歯応えに感じられました。もちろんわずかな違いであり、気のせいと思って間違いはないでしょう。しかし、このラーメンについても、酔ったときに最もおいしく感じられるよう微調整されている可能性はあります。

銭湯にしてもラーメンにしても、はしご酒を見送ったからこその発見がありました。酒と肴はもちろんのこと、その土地の文化、歴史から人々の気質に至るまで、居酒屋には一人旅の神髄が体現されており、旅の主題の一つとなって久しいのもそのために他なりません。しかし、あえて酒場を離れることで、代わりに見えるものもあるようです。体力的にはしご酒が難しくなりつつある昨今、無理には呑まず、余力を他に回した方が賢明なのかもしれません。

大豊ラーメン木屋町店
京都市中京区木屋町通四条上ル下樵木町191-11
075-251-6784
1800PM-600AM(金曜・土曜・祝日前日 1700PM- )
ラーメン700円
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灼熱の近畿を行く 2018 - 玉の湯

2018-08-17 23:34:43 | 温泉
前回は一日汗をかき続け、京都に着いたときには何を置いても一風呂浴びずにはいられませんでした。しかし今日は汗をほとんどかいていません。投宿後、部屋に荷物を置いただけで外に出てきました。しかるに結局風呂に入ることになるとは予想外でした。訪ねるのは「玉の湯」です。

このようなことになったそもそもの発端は、当てにしていた「いっしょう」に早仕舞いで振られたことです。そうなるに至って、まず久々に新規開拓することを着想しました。というのも、かねがね気になっている店がすぐ近くにあったのです。ところがいざ乗り込むと、これが微妙に入りづらい雰囲気でした。たとえていうなら、先日訪ねた荒木町の店のようとでもいえばよいでしょうか。通り沿いから中の様子が有り体に分かってしまい、先客がいる中でどこに入ればよいか一瞬躊躇する上に、カウンターの正面が壁や一升瓶で遮られ、場所によっては落ち着かないように見えたのです。結局踏み切れずに見送ると、界隈ではもう選択肢がありません。まっすぐ向かえばよかったものの、今からでは「いなせや 真」も時間的に半端です。
繁華街へ戻れば、深夜まで呑める店の心当たりはあるものの、そちらはそちらで是非行きたいと思うほどの意欲が湧きませんでした。というのも、例によって酒はもういいという気分だったからです。明治屋では復調の兆しを感じたものの、時間とともに酔いは次第に醒める一方、もう一軒、もう一杯という意欲が戻りませんでした。無理に呑んでも仕方ないと思い至り、趣向を変えるという決断に至った次第です。

銭湯が全国的に廃れつつある一方、今なお健在の地域が少ないながらも残っています。京都もその一つで、都内にはあり得ない密度で銭湯が点在し、しかもその多くが深夜まで開いています。中でもここは「いっしょう」の至近にあり、一度訪ねてみるのも面白そうだと思っていたのです。その機会が思いがけない形で実現することになりました。
深夜まで開いているということは、その時間に来るお客がいるということでに他なりません。暖簾をくぐると、11時過ぎでこれかと思うほどの先客がおり、その後も三々五々お客が現れては店主と挨拶を交わしています。

教祖が長年にわたる京都詣でを集大成した著作に、滞在中の過ごし方を綴った一節がありました。朝は喫茶店に行き、昼は麺類をすすり、夜は酒場で一献傾け、最後にバーへ寄って宿に戻るというものです。要は、番組でも散々紹介されてきた通りということですが、著作ではそのようになった経緯についての言及がありました。最初のうちは寺社巡りもしていたところ、いつしか現地に腰を据え、地元の人と同じように生活することに興味が移っていったという話です。もちろん全く同じにはなり得ないものの、その土地の生活感を肌で感じることに旅情があるということでしょう。
かような観点からすると、銭湯で一風呂浴びるのもまた楽しみのうちということになります。少なくとも、呑み直すことを強く欲していない今の状態を考えると、居酒屋の代わりとして何ら不足はありません。一風呂浴び、脱衣所のTVで今日の試合結果を振り返り、汗が引いたところで辞去します。

玉の湯
京都市中京区押小路通御幸町西入ル亀屋町401
075-231-2985
1500PM-2400PM
日曜定休
入浴料430円
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灼熱の近畿を行く 2018 - 阪急電車

2018-08-17 21:22:12 | 近畿
このまま泊まるかというとさにあらず。荷物を引き取り阪急電車に乗り込みました。これから京都へ向かうところです。
またかとお思いかもしれません。実際のところ、初夏に三度も泊まった以上、今回はまず大阪に泊まり、京都は翌日の一泊限りにするつもりでした。しかるに馬鹿の一つ覚えに走ったのは、偏に宿泊事情によります。週末にもかかわらず、京都の宿が非常に空いており、繁華街至近の宿が五、六千円で選び放題でした。ミナミの繁華街の俗化ぶりが甚だしい現状にも鑑み、京都に連泊する方針に改めた次第です。大阪駅に荷物を預けておいたのも、いずれ京都へ行くという前提があってのことでした。
わざわざ京都へ行く以上、現地で呑み直すのが前提となります。そして、平日の宿泊という貴重な機会を活かし、いの一番に行ってみたいのが赤垣屋でした。というのも、土曜に何度か訪ねた結果、平日とは客層が若干変わる傾向に気付いており、平日に今一度訪ねてみたいという考えがあったのです。ところが、このまま行くと京都に着くのは10時過ぎとなってしまい、残念ながら厳しい情勢となってしまいました。
遅くまで呑める店の心当たりは何軒もあり、依然として不足はありません。それより問題なのは、最近急にはしご酒が難しくなってきたことです。しばらく休肝した甲斐あって、明治屋では比較的好調だったものの、酒二合ですっかり満腹となり、この状態からすぐさま次に飛び込むことはできません。移動の間に少しでもこなれてくれることを期待しています。
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灼熱の近畿を行く 2018 - 明治屋

2018-08-17 19:12:56 | 居酒屋
甲子園を出た時点ではまだ高かったはずの西日が、意表を突かれるほどの早さで傾いていき、大阪市内に戻った頃には沈んでいました。まさに秋の日は釣瓶落とし、弱々しい残照を眺めてから目指す店へ飛び込みます。

甲子園の巡礼にかこつけて、毎回訪ねてきたのが阿倍野の聖地「明治屋」です。三年前一昨年は、観戦を終えた後、帰りの列車までの間に立ち寄るという形を採り、特に二度目は時間が押しました。去年は観戦後奈良へ向かう途中に寄るつもりが、やはり試合が押して当日には寄れず、翌日出直すという結果でした。今回は想定内の時間に終わり、七時というほどよい時間に着いたものの、帰りの列車がある状況では時間が気になりかねません。金曜に巡礼してその日に訪ね、極力掛け持ちをしないのが理想的な形ということになりそうです。
金曜の七時とはいえ、一人や二人なら常に入れる適度な入りです。勤め人が三々五々暖簾をくぐる様子には、一人客が静かに酒を酌む日中とは異なる趣があります。有名店にはつきものの、騒がしかったり不作法だったりする輩の姿もありません。曜日と時間帯にかかわりなく、いつ行っても心地よく呑めるところは、数ある聖地の中でも出色です。俄に秋めいてくる中、鱧、冬瓜、水茄子の文字が並ぶ、今なお夏らしい品書きにも情緒があり、聖地健在と実感する今回の再訪でした。

ちなみに今回は同行者がいます。去年「蔵」に同道願った仲間です。いつもの活動仲間ではなく級友の一人で、近年は甲子園の巡礼にかこつけて一杯やるのが恒例化してきました。
各地に在住する活動仲間と、現地で会う機会はなかなかありません。しかるに当人に限って毎回同道願っているのは、もちろん理由があってのことです。活動仲間の場合、花見に忘年会という恒例行事があり、何だかんだで年に一度や二度は会う機会があります。しかし、当人の場合はそれがない以上、こちらが訪ねたときにお出まし願うしかないのです。
卒業から早二十余年、級会なるものは一度開かれたに過ぎないと記憶しています。そのときはニート時代の只中で体裁も悪く、結局出席はしませんでした。一回限りで終わったか、こちらがお呼びでないだけなのかは不明ながら、ともかくその後開催されたという話も聞かず、この人物との付き合いだけが残って現在に至ります。ニート時代に学生の頃からの付き合いをほぼ失ったわけであり、あの空白なかりせばと考えてしまうのは致し方ありません。
しかし、どうやら自分に限った話ではなさそうです。というのは、当人も学生時代からの付き合いは数えるほどだというからです。活動仲間との付き合いにしてもそうですが、長年続いてきたのは馬が合うからの一点に尽きます。価値観も考え方も人それぞれのところ、生涯の一時期、同じ学校、学級に属したというだけで、その後も付き合い続けるのは難しいということでしょう。見方を変えれば、それでも残った付き合いこそ本物ということもできます。自他共に認める人嫌いではありますが、数少ない付き合いは大切にしたいと思った次第です。

明治屋
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
06-6641-5280
1300PM-2200PM
日曜定休
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灼熱の近畿を行く 2018 - 言式合糸冬了

2018-08-17 17:54:35 | 野球
今年は明るいうちに決着がつきました。日大三が8強最後の椅子を勝ち取りました。
四万二千人の札止めだった第2試合に対し、第3試合の観客は若干減って三万六千人でした。東西両横綱が相対すれば、再び満員札止めかと思いきや、意外にも三万五千人に減りました。しかし、内容的には結びにふさわしい好試合でした。

見方によっては、10安打しながらも決定打を欠いた日大三が、土壇場の押し出し死球でかどうにか勝ちを拾ったともいえます。しかし、第2試合にしてもそうですが、攻めながらも決定打が出ないということは、打たせないだけの力量が相手にあったということを意味します。一昨年観た東邦戦では、全国区の強豪の圧倒的な強さを見せつけられましたが、その強さがぶつかり合うとこうなるという見本を示されたかのようでした。4安打という数字だけとらえれば、手も足も出ない完敗にもかかわらず、少ない安打で二度にわたって追いついた龍谷大平安のしたたかさが光りました。
白眉は8回の攻防でした。平安が二死ながらも一、二塁としたところで4安打目が飛び出し、これでついに勝ち越しと誰もが思ったその瞬間、中前に抜けようとする当たりを遊撃手が好捕して二塁に送り、突っ込んできた一塁走者こそ刺せなかったものの、本塁を狙った二塁走者を憤死させたのです。仮に生還していれば、その裏の押し出し死球でまだ同点であり、どちらに転んでいたか全く分からないところでした。
並の遊撃手なら中前に抜け、二塁走者が楽々還っていたでしょう。並の走者であれば、あの状況で本塁を突くという判断はできなかったでしょう。並の二塁手ならば、隙を突かれてまんまと生還されたかもしれません。両軍の実力が高い次元で拮抗していたからこそ生まれた名場面でした。

代々受け継がれてきたであろうオリジナル曲を中心にした応援も、伝統を有する強豪同士の対戦にふさわしく、大学野球でいうなら早慶戦のような、格式の違いとでもいうべきものが感じられました。それに違わぬ内容だったことも上記の通りです。好試合の連続だった第13日の中でも、結びを飾るにふさわしい一戦だったと言い切りましょう。清々しい秋晴れに恵まれたことを含め、これほどの成功例は空前絶後かもしれません。
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灼熱の近畿を行く 2018 - 第3試合

2018-08-17 15:16:20 | 野球
第3試合の終了後、焼きそばを手早くいただいて右翼席に戻りました。下関国際が投手戦を制し、初の8強入りを果たしています。安打数の少ない方が勝つという、第2試合と奇しくも同じ結果です。数少ない得点機をものにした下関国際と、本塁打による1点のみにとどまった木更津総合が明暗を分けました。
空に浮かんだ大きな雲は、いつの間にやら刷毛で描いたような薄い雲に変わりました。乾いた風が吹いており、今日は汗をほとんどかきません。少し前まで猛暑猛暑と騒いでいたのは何だったのでしょうか。俄に秋の気配漂う甲子園です。
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灼熱の近畿を行く 2018 - 第2試合

2018-08-17 12:45:40 | 野球
先ほど第2試合が終わりました。金足農が横浜を土壇場でうっちゃりました。2点を追う8回裏に、起死回生の3点本塁打で逆転し、そのまま逃げ切るという結末です。
試合を支配していたのは横浜でした。立ち上がりの乱れに乗じて2点を先制した後、3回に本塁打で同点に追いつかれるも、後半は再び主導権を握ったかに見えました。集中打こそないものの、大会屈指の好投手を着実に攻略していき、6回に勝ち越し、7回にも追加点を奪って、そのまま逃げ切ろうかという勢いでした。ところが、8回裏に金足農が連打で久々の得点機を作るや、値千金の本塁打が飛び出し、一瞬にして逆転という経過です。横浜としても負けた気がしないのではないでしょうか。兎にも角にも呆気にとられる結末でした。
横綱が攻めあぐねつつも徐々に地力を発揮し、土俵際へ追いつめて寄り切ろうとしたとき、突如として不覚をとったようなものとでも申しましょうか。うっちゃりと評するのもそのためです。しかし、横綱に本来の相撲を取らせなかったことが、土俵際の大逆転につながったわけであり、それ相応の理由があったともいえます。12安打を浴びながらも要所を抑えた力投は見事でした。

大会屈指の好投手が強豪に挑むという話題性もあり、11時を過ぎた頃には札止めになる大盛況でした。しかし、第2試合が終わった時点で多少なりとも落ち着いたため、予定通りに右翼席へ回ってきたところです。
こちらでも照明灯と大看板の影になる上段の好位置を押さえることができました。看板と照明灯の間から日が射してくる可能性はあるものの、さらに上るとスコアボードが死角に入ってしまいます。幸いにも、そこまでして日射しを避けるべき状況ではないため、第3試合はこちらに腰を据えるつもりです。
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灼熱の近畿を行く 2018 - 第1試合

2018-08-17 09:58:37 | 野球
甲子園に乗り込むと8回裏の攻撃中でした。序盤から優位に試合を進めた近江が、長打とスクイズでとどめと思える3点を追加するも、直後に常葉大菊川が本塁打を含む3安打で3点を取り返し一矢を報いました。しかし時既に遅く、近江が逃げ切り試合終了。歴代選手権者を連破したのに続き、かつての選抜覇者をも下しての8強進出は天晴れです。

選手権の巡礼が恒例化して、次第に要領がつかめてきました。新大阪で列車を降り、大阪駅に荷物を預け、阪神電車に乗り継いで、イオンで氷を買ってから左翼席に乗り込むという流れには、一切無駄がありませんでした。しかし意表を突かれたのは、思ったよりも相当混んでいたことです。第2試合に横浜戦が入ったことから、お客の出足が早まったのかもしれません。とはいえ最小限の余裕はあり、照明灯に向かってやや左側、大看板の陰になる好位置を押さえることができました。いずれ看板の上から日射しが注いできそうではありますが、時間が経つにつれて今度は照明灯の影がこちらに移動してくると予想されます。第2試合までここで乗り切り、午後から右翼席に移れれば理想的でしょう。
このような状況だけに、着いた時点で内野席はもちろんのことアルプス席も売り切れでした。しかし、仮に内野が空いていても、今日は外野へ行くつもりでした。大きな雲が浮かんだ空には夏の名残を感じるものの、気温、湿度と風の心地よさは明らかに秋のそれだからです。先日の会津に続き、思ったよりもはるかに過ごしやすいのは助かります。
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灼熱の近畿を行く 2018 - のぞみ151号

2018-08-17 06:18:08 | 関東
毎度おなじみ始発の6分後を行く臨時列車で下ります。お盆の余波がわずかに残る金曜日、平日にもかかわらず博多行の151号としての運転です。とはいえ下りはがら空きで、東京駅の人出もどうということはありませんでした。日曜の上り列車の発売状況からして、帰りはそこそこ混みそうですが、少なくとも往路は快適に移動できそうです。
目覚めた直後、朝焼けの鮮やかさに刮目させられました。上空に厚い雲が漂う中、東の空が晴れていて、影絵になった筑波山が見えたのです。開け放った窓から吹き込む風も涼しく、夏から秋の気候に変わりつつあるのを実感しました。あちらもそうであってくれることを期待しましょう。

★東京606/のぞみ151(7151A)/833新大阪
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