日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2014 -チョロ松-

2014-11-23 22:36:04 | 居酒屋
別府で呑む貴重な機会だけに、呑み屋街を一周してめぼしい店を吟味したくなるのはやまやまながら、日曜の10時半という条件では必ずしも現実的ではありません。今回は手堅く教祖の導きに従い「チョロ松」の暖簾をくぐりました。
閉店まであと一時間というのに、五つある小上がりは全て埋まり、10席ほどのカウンターも五分の入りです。それも観光客などではなく明らかに常連客で、地元での根強い人気がうかがわれます。看板にもあるかも吸なる小鍋が名物と聞いており、実際ほぼ全てのお客が注文していることからすると、遅い時間に入って軽く一杯ひっかけ、最後にかも吸で〆るといった使い道が主流なのかもしれません。それならこちらとしても好都合です。まずは銅のジョッキに注がれたビールとともに地鶏のたたきをいただき、しかる後に真打ちを所望します。
ぶつ切りにした鴨肉を葱、牛蒡、豆腐とともに煮込んだ出汁は透き通っており、強めに効かせた胡椒が味わいを引き締めていて、なるほど呑んだ後にはおあつらえ向きです。これなら人気のほども宜なるかなといったところでしょう。一人客には十分すぎるほどの量があり、これなら二人で分けてもよく、実際両隣のお客はいずれも「そば入り」を二人で分けています。「三枡」で逃したふくちりの穴を、この名品が見事に補ってくれました。「江戸の仇を長崎で」の例え話を思い出させる旅の一幕です。

チョロ松
別府市北浜1-4
0977-21-1090
1730PM-2330PM
月曜定休(祝日の場合火曜休業)

生ビール・鷹来屋
地鳥たたき
かも吸
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中国九州縦断ツアー 2014 -別府到着-

2014-11-23 21:56:37 | 九州
別府に到着して宿に入り、これから一風呂浴びて夜の街に繰り出そうかというところです。
全国各地を呑み歩いた中でも、空白地帯の一つなのが東九州で、blog開設以降では宮崎で二度、別府で一度の経験しかありません。これは、自ら足を運ぶ機会が少ないのに加えて、教祖の推奨店が少ないという事情にもよります。別府に関していえば、幸いにして教祖の推奨店が一軒あるため、今日はそこの世話になろうかと思っています。別府の夜は昨日の松江よりも大分暖かです。半袖のまま外へ出ます。
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中国九州縦断ツアー 2014 -僥倖再び-

2014-11-23 20:14:35 | 九州
朝方の列車に続き、本日二度目の僥倖に恵まれました。別府へ向かう「ソニック」の車内でのことです。
混み合う時間帯に重なったこともあるのか、発車の15分前に着いた時点で、乗車口には早くもかなりの待ち客が出ており、入線時には列というより人だかりと化しました。博多方面からの先客もいる中、これでは着席もおぼつかない状況です。当然ながら、扉が開くと同時に通勤電車のごとく乗客が殺到。しかしこちらは大荷物を抱え、機動力には限度があります。着席を半ばあきらめつつ、人波に押されるようにして車内に入り、ともかく車端の部分に荷物を置きました。ところがその瞬間、目の前の座席の窓側に空席が。デッキが立ち客で溢れる中、なぜこの席だけ空いていたかは不明ながら、まんまと着席しての移動と相成りました。

★小倉2012/ソニック51(3051M)/2135別府
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中国九州縦断ツアー 2014 -北九州駅弁当-

2014-11-23 20:01:14 | B級グルメ
「三枡」でふくちりを逃しても、九州に渡ればその穴を埋めるに十分な名品があります。小倉駅のホームのかしわうどんです。やわらかいうどんと甘辛い出汁の組み合わせは、毎日でもいただけそうな、完成された飽きのこないおいしさです。
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中国九州縦断ツアー 2014 -再上陸-

2014-11-23 19:40:55 | 中国
再び列車に乗り込み九州へ渡ります。北海道に上陸するとき、最も旅情を感じるのは函館行のフェリーだと以前申しましたが、九州に関しては元祖関門トンネルだと私は思います。かつて幾多の長距離列車が発着した長いホームから滑り出し、高架橋の左右に車両基地を望みつつ、離れ島への橋を渡ってトンネルに潜り込み、デッドセクションを通過したところで九州に上陸という展開が、他の上陸手段にはない起承転結の変化を持っているからです。門司に続き、下関もつまらぬ駅に成り下がりつつあるとはいえ、この旅情だけは残されたのがせめてもの救いです。

★下関1941/5533M/1955小倉
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中国九州縦断ツアー 2014 -三枡-

2014-11-23 18:28:55 | 居酒屋
トンネルを再びくぐって下関に戻り、自転車を返して昼の部は終了です。預けていた荷物を引き取り、お待ちかねの「三枡」にやってきました。
昨年ここを訪ねたのは、今回と同じ勤労感謝の三連休でした。往路復路で二度立ち寄れたのはよいものの、いずれも列車の時刻の関係上、正味一時間しか滞在できず、それがやや心残りだったのを記憶しています。それ以来、この店で心おきなく呑むことが下関での課題となっていたわけです。それだけに、今回の再訪はなおさら待ち遠しいものがありました。

唐戸にいた観光客の数からして、今回だけは満席もあり得るかと一抹の不安を抱きつつ、やや急ぎ足で店へ向かい、通りから長い廊下を進んで扉を開けると、幸いにしてカウンターにも小上がりにも十分な空席があります。前回見かけた青年に促され、カウンターの角に着席しました。L字の角が切り取られて二席分だけ斜めになった箇所という良席です。
実は今回、この店に重要な変化がありました。女将と二人組で店を差配していたおばちゃんの姿がなく、自分とおおむね同年輩と思しき、おばちゃんというかお姉さんというか、ともかくそういう人物に代わっていたのです。深くは聞けなかったものの、かなり年配のおばちゃんだっただけに、後進に道を譲ったのでしょうか。前回から青年が加わったのは、それを見越した布石だったのかもしれません。そして、この変化が後々禍根を残すこととなります。

何度も通った店ともなれば、注文の仕方はある程度固定されてきます。まずは席に着くやいなや燗酒を辛口で注文。しかる後に黒板をざっと眺めれば、序盤中盤終盤の組み立てが自ずと浮かんできます。まずは光もの、次いで湯引きか洗い、これに煮魚焼魚を続けて、真打ちのふくちりを投入し、最後に雑炊で〆れば、まさに黄金リレーの完成です。そのような構想に従い、まずは鰯、次いでふくの湯引きを選びました。さらに、酒が進んだところで金太郎を、一本空けたところで二本目とふくちりを注文します。
ここまでは筋書き通りだったのに対し、形勢が変わったのはその後です。予約客に加えて飛び込み客が何組か立て続けに入り、気付けばカウンターも小上がりも八割方埋まりました。それとともに調理が切迫し始めたか、後の方から入ったお客には、かなり待たせると断りを入れるようになってきました。たしかに、十数人入れば満席の「やまいち」を三人で差配していたことを思えば、その倍以上の収容力があるこの店を、同じ人数で回すには無理があります。とはいえ、あのおばちゃんがいた頃は、女将との二人組でも注文が滞る場面はまずありませんでした。今になって思えば、おばちゃんあってこその店だったのかもしれません。後釜に座ったお姉さんが明らかに慣れておらず、女将と青年に負担が集中しているのもいけないのでしょう。
厨房の様子が一望できる席だけに、上記のような事情については重々承知しました。ふくちりについては着手すらできていないのが分かったため、列車の時刻が気になり出した時点で、あとどれだけ待つかを確認します。20分という返答では、残念ながらあきらめざるを得ず、冷蔵ケースの中からふかの洗いを代わって注文。よくよく聞けば、金太郎もこれから焼くとのことだったためやはり取り下げ、二本目を干したところで列車の時間がやってきました。

当初の構想は脆くも崩れ去ったとはいえ、止むを得ない事情があってのことだけに、敗北感はありません。むしろ気になったのは、事情を知らない一見客がどう思うかです。口コミサイトに批判的なことを書き込む輩の大半は、このような一度限りのことを捉え、それがこの店の全てであるかのように言うのでしょう。その是非はともかく、たしかに一見客にとってはその一回が全てになる可能性もあるわけで、それがこのような混乱ぶりでは、わざわざ足を運んだ価値は減じられてしまいます。それは店側も当然承知しており、入る客にも出る客にも平身低頭という状況でした。
結果として、今回は先代のおばちゃんの偉大さを思い知らされました。人数を増やせば解決できそうな問題とはいえ、この価格を維持するには、いたずらに人件費を増やせないという事情もあるのでしょう。新しい布陣が機能するまでには、しばらく時間が要るのかもしれません。次は多少なりとも落ち着いた時間帯を選び、最後のふくちりまで駒を進めてみたいものだと思います。

三枡
下関市竹崎町2-13-1
083-223-8608
1500PM-2300PM(盆正月休業)

酒三合
いわし
ふくゆびき
ふかゆびき
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中国九州縦断ツアー 2014 -関門海峡の夕景-

2014-11-23 17:15:03 | 九州
五時を過ぎたところで、夕日が関門海峡の彼方に落ちました。下関市街はもちろんのこと、その向こうに皿倉山の山頂まで見通せるよい眺めです。しかも、絹のような雲が幾重にもたなびいて沈んだ夕日を反射し、えもいわれぬ茜色に染まっています。
もうしばらくすると、この空が色褪せる代わりに、門司港の建造物のライトアップが始まります。このまま滞在しても、完全に暗くなるまで一瞬たりとも退屈することはないでしょう。しかし惜しむらくは、今晩泊まる別府の宿に、九時までに入らなければならないという条件があり、「三枡」で呑む時間も考えると、あまり悠長にはしていられません。ほどほどのところで切り上げ下関に戻ります。
日頃から当日暗くなるまで宿をとらないのは、このような制約ができるのを嫌ってのことです。しかし、何分宿泊事情が切迫する11月の連休だけに、今回ばかりはこうせざるを得ませんでしたorz
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中国九州縦断ツアー 2014 -関門トンネル-

2014-11-23 16:28:40 | 九州
お約束の関門人道トンネルで九州へ渡りました。狙い通り、海峡の向こう側で夕日が傾きつつあります。今日はここで夕景を見届けることにしましょう。
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中国九州縦断ツアー 2014 -関門海峡-

2014-11-23 15:48:21 | 中国
なだらかな坂を下って唐戸にやってきました。連休のため観光客が多いのが玉に瑕ではありますが、京都のような辟易するほどの状況ではないのが幸いです。時刻は間もなく四時、東日本なら秒読みに追われ出す頃だというのに、こちらの西日はまだかなり高い位置にあります。西へ流れてきたことを実感する光景です。
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中国九州縦断ツアー 2014 -モスバーガー下関東駅店-

2014-11-23 14:34:17 | MOS
北九州のみならず、海峡を挟んだ下関にも、生きた化石というべきMOSが残っています。駅から自転車を漕ぎ、その下関東駅店にやってきました。
この店を最後に訪ねたのは三年前の暮れ、はるばる五島へ向かう途中のことでした。二十年来変わらぬ店構えと店内、今はなき市内電車の駅名から拝借した珍奇な店名については、そのときに滔々と語った通りです。そして今回、MOSは赤看板もそのままに健在でした。しかも、どんより曇っていた前回と違い、今日は小春日和の日差しを浴びた完璧な光線状態です。松江を予定通りに出ていれば、下関に着いた頃には日が暮れて、この光景を拝むことはできませんでした。「早起きは三文の得」とはこのことです。
ちなみに、今回再訪して気付いたのは、店舗の左脇に郵便ポストが建ち、軒先に掛かった黄色い日除けとともに、昔ながらの赤看板を一層引き立てていることです。かつての持ち帰り用窓口から、レジカウンターに西日が差し込む様子もたまりません。これらの光景もそのままに、末長く健在でいてほしいと思う名店舗です。

モスバーガー下関東駅店
山口県下関市後田町1-8-21
083-234-3750
700AM-2300PM
第203号
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中国九州縦断ツアー 2014 -下関到着-

2014-11-23 13:13:57 | 中国
一時間あまりの移動を経て下関に着きました。昨年訪ねたときは、コンコースの様相が一変して、正視に耐えない軽薄な商業施設が立ち並んでいるのに呆れ果てたものです。今回もホームの一部が閉鎖され、残った部分が嵩上げされたり、意味不明な柵が建てられたりするなど、ますます劣化が進行しています。さらに駅前には、安普請と一目で分かる駅ビルまで建つ始末。何とも嘆かわしい限りです。
まあ、愚痴をこぼしていても始まりません。この後は不要な荷物を預け、自転車を借りて日没まで活動します。日没後は駅前の「三枡」で一献傾け、時間が許せば小倉にも立ち寄って、投宿地の別府へ向かう予定です。今日は日差しが暖かく、荷物を担いで歩くと首筋から汗が流れ落ちてきます。日中は半袖シャツでよさそうです。
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中国九州縦断ツアー 2014 -山陽本線-

2014-11-23 11:59:32 | 中国
年に一度のやっつけ仕事を済ませ、普通列車で下関へ向かいます。新幹線の特急券を反故にしてまで普通列車に乗るのは、国鉄型車両で幹線筋を行くという、山陽本線特有の旅情に浸るためです。しかし、広島地区にもついに新車の投入が決まり、国鉄型車両の終焉が見えてきました。北陸、甲信越に続いて山陽本線から国鉄型が姿を消せば、普通列車の旅も事実上の終焉を迎えることになります。残された時間は長くありません。
ちなみに、新山口から下関にかけては、女性車掌の稚拙な車内放送に何度か辟易させられた因縁の区間ですが、この列車の車掌はいたって普通です。今日は心置きなく乗車を楽しむことができそうです。

★新山口1158/3335M/1306下関
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中国九州縦断ツアー 2014 -モスバーガーイオンタウン小郡店-

2014-11-23 11:29:38 | MOS
重荷を担いで10分ほど歩き、駅の南のMOSにやってきました。
一口に古いMOSといっても様々ある中、趣味的見地から最も興味を惹かれるのは、二十年来変わらぬ姿で残るMOSであり、この近辺では北九州の店舗がその最たるものです。年季の点ではそれらに及ばないにしても、個性的な造りがそれを補っている店舗もあり、先日訪ねた千葉小倉町店などはその手の部類でした。それに対してこの店舗は、年代が新しい上に、造りの上でもさしたる特徴がなく、赤看板さえなくなれば、わざわざ立ち寄るには値しません。そして、ある程度予想していた通り、一年ぶりに訪ねると、肝心要の赤看板が緑に交換されていました。これでこの店舗を訪ねる大義名分も大きく失われたことになります。
とはいえ、新山口駅が橋上化により一変しようとしている中、このMOSとて山口市における貴重な立ち寄り場所には違いありません。なんだかんだで、次回も重荷を担いで足を運ぶ可能性はありそうです。

モスバーガーイオンタウン小郡店
山口市小郡前田町3-10
083-973-4858
700AM-2300PM
第4107号
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中国九州縦断ツアー 2014 -新山口駅-

2014-11-23 10:54:28 | 中国
駅前にある動輪のモニュメントの前で記念撮影を済ませ、これで山口市に来た目的を八割方果たしました。それと同時に、SLの発車を告げる汽笛が聞こえてきたところです。
広い構内と、転車台を備えた車庫を擁し、古くからの要衝としての雰囲気を色濃く残していた新山口駅ですが、今回大きな変化がありました。駅舎が橋上化されるらしく、以前からの跨線橋が架け替えられて、駅舎も半分ほどが取り壊されています。工事が終われば、この駅も門司などと同様つまらぬ駅に成り下がってしまうのでしょうか。山口に立ち寄る大義名分が、これでまた一つ失われてしまいましたorz
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中国九州縦断ツアー 2014 -山口市-

2014-11-23 10:30:16 | 中国
新山口に着きました。これで今年も山口県山口市に足跡を残したことになります。しかし、それ以上でもなければそれ以下でもないというのがここを訪ねるときの常です。
大津と鳥取と佐賀には酒屋があり、津には津観音に高田本山という名刹に加え、天むす発祥の店「千寿」もあります。岐阜にはうらぶれた商店街と古い城下町、さらには「丸デブ」の中華そばがありました。千葉は古きよきMOSの宝庫です。このように、どれほど影の薄い街であっても、何度も足を運ぶことによって、一つや二つは見所に気付いてくるものです。しかし、この山口だけは一筋縄には行きません。しいていうなら、要衝の面影を色濃く残した新山口駅の構内と、駅から歩ける赤看板のMOSといったところでしょうか。しかしこれとて毎年訪ねるに値するほどのものではありません。過去を振り返っても、山口では四年前に温泉に入ったのと、去年赤看板のMOSに寄ったのを除けば、記念撮影以外のことをした記憶が全くありません。今回も御多分に洩れず、記念撮影してMOSに寄ればあっさり終了となりそうです。
ちなみに、図らずもSLの入線と重なってしまい、向かい側のホームには黒山の人だかりができています。このような場所に長居は無用、早いところ退散したいものです。
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