日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

さくらさく 2014番外編

2014-11-10 22:13:16 | 旅日記
立冬を過ぎ、通勤路の桜も葉を散らしつつある今日この頃ですが、その桜について残念な知らせが入ってきました。近所の小公園の一角にある桜が切られるというものです。キノコが寄生するなどして樹勢が弱まり、倒木の危険もあるため撤去するというのが、掲げられた札の内容でした。
この小公園がある一角の桜は、お世辞にも立派とはいえません。老木の割には太い枝が少なく、その代わりに接ぎ木した若い枝が目立ち、それらに辛うじて花と葉がついているといった具合で、立ち姿としては今一つ様にならないのです。とはいえ、物心ついた頃から通い、今も職場への行き帰りに毎日通る公園であり、切られる木は我が家から最も近い桜でもあります。端から見れば、寿命を迎えた老木が切られるだけとはいえ、今年も花を咲かせたところを眺めているだけに、どうにかして延命できないものかと考えるのは人情です。
札には撤去とあるだけで、いつ切ると書かれているわけではありません。残念ながらこのまま切られてしまうとしても、半生を共にできたことには感謝したいというのが偽らざる心境です。幸運にも来春まで持ちこたえてくれれば、花見客が去った夜、この木の下でシートを広げ、一人しみじみ別れの花見をしたいと思っています。
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