出発します。昨晩世話になったのは駅前の「コモドホテル」でした。実はアパホテルの系列店で、またしても全国チェーンに頼ったということになります。
今回のコンフォートホテルとアパホテル、前回のアルファーワン、さらにはその二週前の法華クラブなど、全国チェーンを敬遠しているようでありながら、最近再び利用頻度が上がってきました。もちろん、地場の宿優先という方針を捨てたわけではなく、諸々検討した結果、これらが一番妥当な落としどころだったというだけに過ぎません。たとえていうなら、世襲を批判していた政治家が我が子に地盤を継がせたとき、「公平に選んだ結果がこれだった」と強弁するようなものです。
それでは、ここを選んだ決め手は何だったかといえば、まず駅に近くて料金が安く、部屋がそこそこ広くて、源泉掛け流しの大浴場があることです。これらはいずれも期待通りでした。
先々週泊まった新潟の宿と比べては元も子もないとはいえ、手作りで品数豊富な朝食バイキングの内容も、無料の朝食としてはかなりのものです。
しかしこの宿には、これらの美点を帳消しにしかねないような、きわめて明確な欠点が一つあります。タバコ臭が気になるということです。何しろ、エレベーターを降りた瞬間に臭ってくるのですから、部屋の中がどれほど臭うかは推して知るべしというものでしょう。消臭スプレーが備えられてはいるものの、フロア全体にヤニが染みついているようなものですから、全くもって焼け石に水です。しかし気休めかというとそうでもありません。というのは、しばらく滞在していると衣服にも臭いがついてしまうため、これを消すのにスプレーが役立つのです。宿泊事情が逼迫しているとき、やむなく喫煙室に泊まったことは過去に何度もあったものの、これほど臭いが気になったことはなく、非喫煙者としてはかなり難儀させられました。
このように、限度を超えたタバコ臭で大きく評価を落としたこの宿でしたが、それを除けば何もかも平均以上ではありました。喫煙室は御免被りたいものの、再び大分で泊まる機会が巡ってきたとすれば、ここが有力な候補の一つになるでしょう。