日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2014 -やまいち-

2014-11-22 20:49:19 | 居酒屋
釧路の「炉ばた」に富山の「あら川」など、居酒屋好きの間ではつとに知られた有名店にもかかわらず、比較的最近まで足が向かなかったところがいくつかあります。実は、松江にもその手の店が残っていました。教祖おすすめの「やまいち」です。
教祖があらゆる著作・番組で再三激賞し、さらには「酒場放浪記」にまで登場したこの有名店を今まで素通りしていたのは、天邪鬼の習性によるところが一つ。到着が遅くて間に合わなかったこともあれば、混雑を嫌って敬遠したこともあります。その点今回は、予約客がある程度引けて、なおかつ看板まである程度の余裕を残したほどよい時間帯に着きました。山陰の聖地を巡礼するなら今回がまたとない好機です。過去二回続けて訪ねた「よびこ」が休みだったこともあり、選択肢は自ずと絞られました。

これほどの有名店を訪ねる際に悩ましいのは、事前情報があまりに多すぎるため、相当程度の部分が見聞きした通りとなってしまい、感動の鮮烈さに関しては今一つにならざるを得ないことです。その傾向はこの店においても如実に現れました。まず、教祖がとりわけ絶賛する橋のたもとの立地については、何度か通りがかったため承知しており、手拭いを頭巾代わりに巻いた二代目店主、それに先代女将は書籍でも番組でも再三眺めています。10席弱のカウンターを右に、二組入れば満席の小上がりを左に置いた店内も、店構えと事前情報からある程度予想していました。
しかし、暖簾をくぐってこその発見というものは当然ながらあり、それこそが自ら巡礼する理由に他なりません。最初に気付いたのは、狭いながらも機能的なカウンターの造りです。まず客席側には、玄関側から流し、サーバー、おでん舟、流し、ガラスケースが並びます。正面の右手には短冊の品書きが下がり、中央には造り付けの食器棚、左の隅にはコンロが設えられて、これが仕事場の全てになるようです。手伝いのおばちゃんを含めた三人で差配するには、厨房も客席も過不足のない絶妙な規模といえ、それだけでも名店ぶりが自ずとうかがわれます。
短冊に書かれた品々は、一番長いものでも四文字のかんぱちに赤なまこというほど簡明にして直截。ビールはヱビス、酒は豊の秋一本とこれまた簡明です。これなら手元に品書きがないのもある意味必然でしょう。組み立ては自ずと決まり、まずは突き出し代わりのふぐ皮を突きながらヱビスを飲み干し、次いでおでんを二品ばかり選んで熱燗をあおり、半分ほど空いたところで真打ちのメバルを投入して、最後はご飯としじみ汁で締めくくります。整然として機能的なカウンター、簡明にして直截な品書き、快活な若主人と大女将による家庭的な雰囲気とどれをとっても申し分なく、さすがと感服させられる名店でした。

やまいち
松江市東本町4-1
0852-23-0223
1630PM-2130PM(日祝日 -2100PM)
不定休

ヱビス・豊の秋
ふぐ皮
おでん二品
めばる
めし汁漬物
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -松江の夜-

2014-11-22 19:33:19 | 中国
松江に着きました。去年の九月以来、一年二ヶ月ぶりの再訪です。そのときと同様三連休の初日に重なったこともあり、宿泊事情は今回も厳しく、1室だけ残っていた駅前のサウナのカプセルルームに辛うじて滑り込みました。
宿がこの混みようでは、呑み屋街にもかなりの人が出ているのでしょうか。とはいえ、半ば修羅場と化すこの時期の京都に比べれば、松江がどんなに混んでもたかが知れています。朝方の中華そばから十分な間を置いて腹具合は万全、今夜ははしご酒になるかもしれません。
日中こそ半袖で通したものの、日が落ちてやや肌寒くなってきました。長袖に着替えて橋の向こうの呑み屋街へ繰り出します。
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -安普請-

2014-11-22 18:49:52 | 中国
只今米子を発車しました。松江まであと20分です。
去年は鳥取から乗車した特急が米子止まりで、そこから乗り継いだ普通列車も松江の一駅手前で後続の「やくも」に抜かれるなど、何とも噛み合わない乗り継ぎに歯痒さを感じたものでした。その点、今回は電車特急も顔負けの快足ぶりで一気に駆け抜けるためまことに爽快です。十分前後走ればもう次の駅という隔駅停車のごとき特急が横行する中、停車駅を最小限に絞って快走する列車は貴重になりました。
しかし、この列車には明確な難点があります。わずか二両とみすぼらしいのもさることながら、とにかく揺れがひどいのです。鳥取まで乗車した「スーパーはくと」と比べてもその差は歴然としています。線路の規格に大差がないにもかかわらずこうなるのは、おそらく車両が安普請だからでしょう。東日本に端を発した車両の低品質化が、残念ながら西日本にも蔓延してしまったようですorz
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -スーパーまつかぜ-

2014-11-22 17:41:57 | 中国
二時間弱の持ち時間を余すことなく使い切り、鳥取滞在は終了です。本日の泊地松江に向かって移動します。
毎年立ち寄っている酒屋に加え、宿願だった温泉に寄れたのはよいものの、鳥取で呑むという課題については今回も果たすことができませんでした。改めて呑み屋街を歩くと、一見うらぶれた地方都市の呑み屋街に見えながら、素通りするには惜しい店がいくつもあるのに気付きます。例えていうなら釧路のようなものです。次こそこの呑み屋街を時間の許す限り歩いて、気の利いた店の一つや二つは探り当てたいものだと思います。また来年…

★鳥取1742/スーパーまつかぜ9(2009D)/1906松江
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -日乃丸温泉-

2014-11-22 17:06:08 | 温泉
鳥取に毎年立ち寄り、その都度もったいないと思っていたのは、駅から歩ける距離に温泉があるにもかかわらず、なんだかんだで時間がなくなり、結局立ち寄れなかったことです。しかし今回は粛々と動いたこともあり、乗車の前に一風呂浴びるだけの時間が残りました。宿願を果たして乗り込むのは「日乃丸温泉」です。
酒屋のあるアーケードをそのまま進んで左に曲がると、水路が流れる通り沿いに温泉はあります。赤湯の「元湯」にどことなく似た現代的な小洒落た外観とは裏腹に、館内は番台、脱衣所、浴場ともに、昔からある町中の銭湯といった雰囲気です。洗い場と浴槽は小ぢんまりとしており、浴槽に至っては10人弱が適正といった程度のささやかさながら、その浴槽は立ったままでも腰まで浸かるほど深く、そこにやや白濁した源泉が滔々と掛け流されます。湯量に合わせて浴槽を造り、その分源泉を惜しげなく注ぐという贅沢さが、温泉王国の山陰ならではです。

★日乃丸温泉
鳥取市末広温泉町401
0857-22-2648
600AM-2400PM
第二月曜及び元日休業(祝日の場合翌日休業)
入浴料400円
泉質 ナトリウム-硫酸塩塩化物泉
泉温 46.6度
pH 6.6
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -谷本酒店-

2014-11-22 16:45:41 | 酒屋
そのようなわけで、鳥取では必ず立ち寄る「谷本酒店」にやってきました。今日立ち寄った「小川酒店」しかり、佐賀の「しめなわ」もしかり、見所の乏しい街でも、駅の近くによい酒屋があると、それがその街に寄る大義名分となってくれます。
県産酒一本を貫く「小川酒店」と「しめなわ」に対し、こちらは県外酒も二、三割ほど織り交ぜた品揃えです。地元の酒も辨天娘、日置桜、諏訪泉、千代むすびといった有名どころが中心で、物珍しさの点では前二者に一歩譲ります。しかし、店主一押しの辨天娘を中心に、県外ではまず見かけない限定品を多数取り揃えているところはさすがです。県産酒と同様に、県外酒も神亀、菊姫、竹鶴といった燗上がりのするものが多く、店主の信条が品揃えにも表れていて好感が持てます。
郷に入りては郷に従い、辨天娘の生原酒を購入。「辨天娘にしては」冷やでもおいしく呑めるというのが店主による寸評です。

谷本酒店
鳥取市末広温泉町274
0857-24-6781
900AM-2100PM
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -鳥取鉄道記念公園-

2014-11-22 16:24:57 | 中国
三時間の汽車旅を経て鳥取に到着。駅前にある「鉄道記念公園」で記念撮影を済ませて、鳥取へ来た最低限の目的を果たしました。しかし、それ以上の目的があるかというと、ほとんどないというのが実態です。そもそもこの旅は、滋賀、鳥取、松江、山口、大分、宮崎、和歌山という、例年最後まで未踏のまま残る県を総ざらいにするための旅であり、極論すれば落穂拾いのようなものです。記念撮影して即終了という局面が、今回の道中では多くなってくると予想されます。
米子方面の列車が出るまであと一時間少々あります。駅前の酒屋に寄り、温泉銭湯で一風呂浴びればちょうどよさそうです。
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -スーパーはくと-

2014-11-22 13:33:01 | 近畿
やや駆け足ではありましたが、京滋地区の滞在はこれにて終了。「スーパーはくと」で鳥取へ向かいます。今回は惜しくも一番乗りを果たせず、最前部の展望席は先客に譲る結果となったものの、その直後の席を確保できました。中華そばをいただいて喉が渇いたため、先ほど買った酒で喉を潤しつつ、三時間の汽車旅を楽しむことにします。

★京都1252/スーパーはくと7(57D)/1554鳥取
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -詰め込み-

2014-11-22 12:22:12 | 近畿
鳥取行の列車の時刻が迫ってきたため、短い滞在を切り上げて京都に戻ります。琵琶湖のほとりで記念撮影を済ませ、酒屋に寄っただけという呆気ない滞在ではありましたが、大津へ寄るときは得てしてこんなものです。真打ちである酒屋に寄れたのでよしとします。
それにしても、京都が実質二時間半、大津が正味一時間という慌ただしい滞在でした。観光客がひしめく京都はともかくとして、これだけ天気がよければ三井寺か石山寺にでも寄りたいところではあったのです。しかし、今度の列車を逃すと後続列車の接続が悪いため、残念ながらあきらめざるを得ません。このような詰め込み型の日程となるのは不本意ながら、北陸を最優先しなければならない目下の事情もあり、今回はこうするしかありませんでしたorz

★大津1219/3253M/1228京都
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -小川酒店-

2014-11-22 11:54:55 | 酒屋
教祖をして「京都へ行くことはこの店へ行くことである」と言わしめたのは川端二条の「赤垣屋」ですが、自分にとって大津へ行くことはこの店へ行くことだと断言できます。浜大津の「小川酒店」です。
県産酒一本を貫き、都会では見慣れない名品で固めた品揃えは秀逸というほかなく、それぞれに添えられた寸評からも、この店の酒に対する愛情が感じられます。車の旅なら躊躇なく二本購入というところ、今回は汽車旅という条件に加え、この先もう一軒酒屋に寄る予定があるため、残念ながら一本に絞らざるを得ません。普段以上に逡巡した末に選んだのは、涼しげな水彩画のラベルが印象的な「薄桜」の限定酒です。8月に蔵出しされたということは、やはり夏向けの酒なのでしょうか。寸評には「そこはかとなくやさしいお酒」とありました。どんな味わいなのかが楽しみです。

小川酒店
大津市浜大津2-1-31
077-524-2203
日祝日定休
コメント (2)

中国九州縦断ツアー 2014 -退散-

2014-11-22 10:59:03 | 近畿
どこへ行っても人の波また波で反吐が出そうです。このような場所に長居は無用、記念撮影を済ませて退散します。

★京都1100/3240M/1109大津
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -新福菜館-

2014-11-22 09:41:36 | B級グルメ
紅葉の最盛期にして三連休の初日、なおかつ快晴という最悪の条件もあって、京都駅のコインロッカーには見事なまでに一つの空きもありません。止むなく重い荷物を担いで跨線橋を渡ると、案の定「第一旭」の店先には、この時間から長蛇の列が。しかし幸いにして、隣の「新福菜館」に待ち時間なしで入れたため、こちらで少し早めのお昼をとります。
本日の注文は特大新福そば850円也。麺は大盛り、さらに濃い味のチャーシューをこれでもかというほど何枚も重ね、これまた大盛りのもやしと葱を乗せて、最後に生卵を落としたてんこ盛りが、並の200円増とは良心的です。

新福菜館
京都市下京区東塩小路向畑町569
075-371-7648
730AM-2200PM
水曜定休
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -新幹線-

2014-11-22 08:43:32 | 近畿
まずはホームの先端に立ち、進入してくる上りの新幹線を撮ります。去年も全く同じ絵柄で撮ってはいるものの、今季から導入したEOS-1D Xで撮り直そうというわけです。
三連休の初日の、それもとりわけ混み合う時間帯ということもあり、二線あるホームは交互発着で列車を捌いています。それにもかかわらず、どちらの側にも十分と間を開けずに列車が滑り込むのは壮観です。
コメント

中国九州縦断ツアー 2014 -京都到着-

2014-11-22 08:25:27 | 近畿
京都に着きました。ほぼ一年ぶりの再訪です。紅葉の最盛期にこの快晴に恵まれれば、一日滞在したくなるのはやまやまながら、あいにく観光客の数も半端ではありません。少なくとも土日祝日は近寄らないのが賢明でしょう。ごく短時間滞在してから大津に行って戻り、昼過ぎの列車で鳥取へ向かいます。
コメント (2)

中国九州縦断ツアー 2014 -富士の高嶺の白雪が-

2014-11-22 06:50:32 | 東海
新富士が近付いたところで、車窓の右手に富士山が迫ってきました。裾野しか分からなかった前回と違い、山頂はもちろんのこと山肌まで見分けられ、空気の透明さは一目瞭然です。御殿場側は中腹まで、静岡側でも六合目から七合目あたりまでが冠雪した、絵葉書で見るような立ち姿からは、いよいよ冬到来といった気配が漂ってきます。
昨季は天候が噛み合わず、冬晴れの富士山を一度も拝めないまま終わってしまいました。この晴天が続くなら、次週は駿河路を旅するのも一案でしょう。
コメント