日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九州沖縄縦断ツアー 2014 -成^2-

2014-11-02 23:55:02 | 居酒屋
一軒目で時間を空費し、今夜は事実上あと一軒限りとなりました。二軒目は「成^2」こと「なりなり」を訪ねます。結果的には去年の第一夜と全く同じ組み合わせです。
かねがね存在は認識していたこの店に、去年初めて立ち寄ったとき、古い木材を使った店内の造りも、充実した品書きも申し分なく、これなら気付いた時点で即刻入ればよかったと、軽く後悔したものでした。そして今回再訪を果たすと、飴色に光った分厚いカウンターには改めて惚れ惚れします。これほど立派なカウンターを奢った店は、那覇でも数えるほどではないでしょうか。そのカウンターを、傘をかぶった裸電球がほどよい明るさで照らし、整然とした厨房では店主が腕を振るって、黒縁眼鏡をかけた歯切れのよい女将が接客をこなすという雰囲気が秀逸です。
肴も気が利いており、お通しには、鮪、サーモン、うずら卵をスライスオニオンと和えたものが出てきました。自家製というオイルサーディンは酒の肴に最適。一軒目で空振りし、腹具合に多少の余裕があったため、最後はオムライスで締めくくります。かねてから気になっていた一品は、テリヤキソースにマヨネーズを加えた和風仕立てで、ご飯にも卵を混ぜたリゾット風。これにより宿願も達成し、どうにか最後で帳尻合わせができたのはよいことでした。

成^2
那覇市牧志1-6-15
098-868-2329
1800AM-100AM

請福
お通し
自家製オイルサーディン
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -八合一升-

2014-11-02 21:27:42 | 居酒屋
長崎で呑むならまず「安楽子」だと昨日申しました。それと同様、那覇で呑むならまずここだと言える店があります。このblogではおなじみの「八合一升」です。
教祖をして「長崎の実家」と言わしめた「安楽子」が、その看板に違わぬ名店なのに対し、こちらの店は万人に自信を持って勧めるまでには及びません。那覇でいの一番に立ち寄るのは、自分の足で開拓した、全国各地の呑み屋の中でも最も古くから通う店に対する思い入れによるところが大きく、信者にとって聖地とされる津々浦々の名店と比べてしまえば、この店とて色褪せてしまいます。しかし、静かな住宅街の立地、広々したカウンター席、ぴかぴかに磨かれた機能的な厨房、工夫を凝らした品々と、どれをとっても申し分なく、少なくとも自分にとっては最高の店です。この店を差し置いて他店へ行くという選択は考えられませんでした。

那覇の夜は依然として蒸し暑く、宿から10分弱歩いただけでも軽く汗ばんできました。これでは冷たいおしぼりが出てくるのも宜なるかなです。一杯目は必然的にオリオンビールを選び、手堅くスク豆腐、島らっきょうを続けます。ビールが空いたところで注文するのが、「咲元」の古酒とそーめんたしやーです。素麺自体は好きでも何でもない自分ですが、沖縄の素麺だけは別で、この店では毎度必ず注文してしまいます。あの歯応えのない素麺がなぜこうなるかと思うほど、弾力のある歯触りがよいのです。

ここまでは何もかも筋書き通りだったのに対し、事態が暗転したのはその後でした。秋らしく、赤まちと舞茸の揚おろしなる品を所望したところ、これが待てど暮らせど出てきません。そしてこれには思い当たる節がありました。
というのは、この品を接客の青年に注文したとき、当人が先客の片付けで忙しそうにしており、注文に対する返事が完全な生返事だったのです。そもそも注文が通っていなければ、いつまで待っても来るはずがありません。店主を含む調理担当の二人が、目の前で休む間もなく動いていることからして、注文が集中しているのだろうと当初は善意に解釈していたものの、時間が経てば経つほど嫌な予感の方が大きくなって行きます。後から入った隣客の肴が出た時点で、自身の敗北は確定しましたorz
それでも、この時点ではまだ立て直す意欲が残ってはいたのです。この期に及んで、あの揚げおろしはどうなったかと、分かり切ったことをたずねても、ただ振り出しに戻るだけでしかありません。生返事を都合よく解釈した自分の失策とあきらめ、代わりの品を探しました。しかし、そのようにして選んだソーキの煮物に対し、品切れというつれない返答を受けたとき、現代風にいうなら「心が折れる」のをありありと自覚しました。
かくして残ったのは、ロックグラスをなみなみ満たして余りある酒だけです。もちろん呑めない量ではないとはいえ、酒だけも呑めてしまう日本酒とは違い、泡盛の水割りにそこまでの繊細な味わいはありません。いきおい酒も進まなくなり、待ち時間と合わせてかなりの時間が空しく流れました。さすがにこれでは救いがないと考え、次善の策として選んだのがグラタンです。
実は、このグラタンには思い出があります。何年か前に、レンタカーを返して帰りの便に乗ろうとするとき、わずかな時間をやりくりして、最後にここで一献傾けたことがありました。ところが、やはり今回と同じく注文が集中してしまい、注文したグラタンがいつまで待っても提供されず、余裕を持って頼んだつもりが、最後は時間が迫ってかなり焦ったという経験があったのです。いわば「思い出の味」というべきグラタンを、今日の敗北感とともにしみじみ噛み締めます。

このように、今回は見事なまでの惨敗でした。しかし、自分の失策という面があったのは事実であり、店のせいにするつもりはありません。むしろ、時間が経てばこれもよい思い出になりそうな気がしています。そのように思えるのは、何度も通ったことからくる愛着ということでしょう。この借りは次回に取り返したいと思っています。

八合一升
那覇市牧志1-8-5 宮城ビル1F
098-863-3201
1800PM-200AM
火曜定休

オリオン・咲元
突き出し(おひたし)
スクガラスと島豆腐
しまらっきょうの塩漬け
そーめんたしやー
海老帆立グラタン
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -那覇の夜-

2014-11-02 20:43:32 | 沖縄
那覇の定宿「ロコイン沖縄」に入り、只今一風呂浴びてさっぱりしたところです。ただでさえ全国的に蒸し暑い状況ということもあり、夜になっても涼しさは全く感じられず、窓を開け放つ程度では暑くてとても過ごせません。ロビーにも冷房が入っていました。明日は多少なりとも涼しくなるとの予報ですが本当でしょうか。
この後はお待ちかねの夜の部へ移行します。去年は一晩につき三軒はしごすると意気込んでおきながら、蓋を開ければ初日が二軒、二日目が一軒限りとあっさりしたものでした。しかし、今日は朝の弁当、昼のハンバーガーと適度に間が空き、おかげで腹具合は万全です。夜の部もうまく時間を配分し、三軒回ることができれば理想的です。
昼間の異様な混みようからして、夜の街も賑わっているのでしょうか。仮にそうだとしても、那覇で訪ねるのはいずれも自力開拓した店ばかりで、県外からの一見客が殺到するような場所ではありません。長崎ほど身構える必要はなかろうと楽観しています。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -フレッシュプラザ ユニオン-

2014-11-02 19:55:23 | 沖縄
昼間の渋滞もようやく収まり、県道を北上して那覇市街に入りました。投宿する前に、赤嶺のユニオンで土産を買います。
常々申している通り、旅先で土産を買うとき、私は地場のスーパーを愛用しています。沖縄でいえばかねひでサンエーといったところが代表格であり、それに比べて小規模なのがユニオンです。そして、このユニオンをわざわざ選んだのは、店内に流れる「UNIONですから」と題するCMソングが聴きたかったからに他なりません。この曲が流れ出すやいなや、スピーカーの近くに移動し聴き入ってしまうのは、この曲の中毒性がそれだけ高いということでもあります。中毒性の高さという点では、これが「ヤマダ電機の歌」と並ぶ双璧ではないでしょうか。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -魂魄の塔-

2014-11-02 17:41:03 | 沖縄
本島南部において、具志川城、喜屋武岬と並ぶ立ち寄り場所といえば一連の慰霊施設です。あまりに数が多すぎ、全てを回るのは一日かけても不可能ながら、自身毎年訪ねているのが魂魄の塔です。ひめゆりの塔、平和の礎といった有名どころをあえて外し、観光客がまず立ち寄らないこの塔を訪れるのは、偏に天の邪鬼の習性によるものです。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -具志川城-

2014-11-02 16:57:29 | 沖縄
本島南部を回るといえば、決まって立ち寄るのが最南端の喜屋武岬と、近くにある具志川城です。ほぼ毎年立ち寄っている、新味も何もない場所ではありますが、晴天下でということになると実はこれが初めてです。やはり、曇と晴では眺めも全く違い、雲間から鈍い日が差し込んで、凪いだ海に反射するところなどは絵になっています。何分沖縄だけに、晴れるといっても長続きはせず、すぐに曇ってしまうのが実態ながら、その曇り空にも陰影があり、こちらはこちらで印象的です。
異常としかいいようのない混みようだった空港周辺に対し、ここまで来るとさすがに観光客はわずかです。南に逃れてきたのは正解でした。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -南へ-

2014-11-02 15:34:36 | 沖縄
さて、諸々検討の結果、本日はこのまま南へ向かって走ることにしました。最終日の持ち時間とレンタカーの営業所の位置を考えると、南部は最終日に回すのが順当であり、今日は久々に海中道路を走りたいところではあったのです。しかし、いかんせん道の混みようが半端ではなく、進路を北にとろうとすると、数百m進むだけでも難儀するような有様だったため、あえなく断念と相成りました。
いくら三連休とはいえ、季節外れの11月に、これほど混むのは明らかに不自然です。以前「なはマラソン」なるものに重なって、今回並みの渋滞に巻き込まれたことがありました。おそらくその手の催し物でもあるのでしょう。長崎があれほど混んでいたのも、国体のせいだと後々分かりました。まさか二度も重なるとはねorz
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -ルートビア-

2014-11-02 15:28:19 | B級グルメ
朝食から適度に間が空いたため、まずは腹ごしらえを済ませます。そば、ステーキ、Aランチなど選択肢が多々ある中、上陸後最初の食事に選んだのはA&Wです。
この店の名物といえば、本来の主役であるハンバーガーよりもルートビアではないでしょうか。ドクターペッパーやガラナのような、好き嫌いの分かれる味わいではありますが、私自身は嫌いではありません。

★A&W糸満店
糸満市阿波根1543-1
098-840-3377
730AM-100AM
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -沖縄上陸-

2014-11-02 14:40:21 | 沖縄
空路での無味乾燥な移動を経て那覇に着きました。レンタカーを引き取って出発します。今回の相棒は往年の国民車カローラアクシオです。
到着してまず驚いたのは、とにかく暑いということです。九州の暖かさからしてある程度織り込み済みだったとはいえ、季節が一気に二月ほど巻き戻されたような感覚があります。これまで沖縄を旅するというと、早くとも11月中旬で、時期としては今回が最も早くなります。それに加えて数日来の暖かさが加わり、このようなことになったのでしょう。
これほど暑いのは空が晴れているからでもあります。快晴とは行かないまでも、ところどころ青空が広がって日が差してくるのは、長崎にいた時点から一貫しています。少なくとも、沖縄では自身経験した中で一、二を争う好天です。
こうなると、俄然眺めのよい場所へ行きたくなってきます。そうすると真っ先に思いつくのは残波岬です。しかしここで問題となるのが、道が異様に混んでいるということです。実は、空港からレンタカーの営業所まで移動するにも、普段なら20分弱で着くところが小一時間かかってしまいました。この混みようでは、幹線道路を通って那覇市街を抜けるのは現実的ではありません。そうすると、島の東側を迂回して海中道路にでも行くか、あるいは南部を中心にするかのいずれかが妥当な落としどころでしょうか。日没までどう動くか、しばらく地図を見ながら考えてみます。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -序盤終了-

2014-11-02 10:57:42 | 九州
リムジンバスでの無味乾燥な移動を経て長崎空港に着きました。五日間の旅はこれにて序盤戦を終え、沖縄での中盤戦に突入します。
昨日の雨は夜半に上がりました。昨年ほどの快晴ではないものの青空が広がっており、出発前の予報を思えば上出来ではあります。そして、もう一つ特筆すべきは、昨日に続き非常に暖かいことです。出発以来肌寒さを感じる場面は一度もなく、それどころか荷物を担いで歩くと軽く汗ばんできます。九州でこれなら、沖縄などどうなってしまうのでしょうか。今回長袖の出番はないかもしれません。

それにしても、去年申したことの繰り返しではありますが、長崎に一晩限りの滞在では短すぎると改めて思います。せめて今日一日滞在し、もう一晩呑み歩ければ理想的でした。今月予定している遠征を順調に消化できれば、年末にもう一度九州を旅する機会を作ることができます。そのときは、鹿児島に加えて長崎にも是非もう一泊注ぎ込みたいものだと思います。願わくは年内にまたお会いしましょう…
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -ほっともっと-

2014-11-02 10:04:04 | B級グルメ
ドーミーインが思いの外秀逸だったため、朝食も試してみるかと思いながらも結局見送りました。代わりに九州らしいものをと考えた結果、ほっともっとの特から揚げ弁当を本日の朝食とします。
今となっては単なる全国チェーンでしかないほっともっとですが、「ほっかほっか亭」の九州地区本部だった頃には、関東とは段違いの充実したメニューに感心させられたものです。しかし、その勢力が拡大し、いつしか東日本の本部まで飲み込むに至り、総本部との確執が生じ、ほっともっとの分裂につながったのは、このblogを開設した直後のことです。以来ほっともっとは押しも押されぬ全国チェーンに変貌し、今や全国どこへ行ってもほぼ同じメニューに統一されてしまったわけです。
かつての九州地区本部が、全国のほっかほっか亭の水準を引き上げるのに貢献したのは事実であり、それを受け継ぐのが今のほっともっとです。から揚げ弁当などは、今でも時折無性に食べたくなる、ソウルフードの代表格でもあります。しかし一つだけ残念なのは、かつて九州限定で売られていた焼きそば弁当が、全国展開の過程でメニューから消えてしまったことです。往年は一日最低一食、場合により二食いただくほどの大好物だっただけに、九州における楽しみが一つ失われてしまったのは、改めて残念というほかありません。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -ドーミーイン長崎-

2014-11-02 09:25:30 | 九州
出発します。昨晩世話になったのは「ドーミーイン長崎」でした。本来避けている全国チェーンを利用したのは、昨日申した通り他に選択肢がなかったからです。しかし、今回は文字通りの食わず嫌いというべき結果に終わりました。
思案橋にも中華街にも近く立地は最高。何から何まで清潔で、フロントの対応も気持ちよいのは全国チェーンならではです。しかし、多くの全国チェーンがそこまでで終わってしまい、ともすれば味気なさを感じさせるのに対し、この宿は一枚上手でした。内装はさほどの高級感こそないものの、新興の全国チェーンにありがちな、画一的で無機質な空間とは違う、瀟洒で落ち着いた雰囲気に仕立てられています。
宿泊したカプセルルームも快適でした。とかくカプセルホテルというと、むくつけき男が酔ったまま飛び込む場所というのが相場であり、雰囲気も自ずとがさつになるものです。しかし、ここでは3階のロビーの片隅にさりげなく造られており、落ち着いた内装には統一感があります。すぐそばに大浴場があるため、手続きして荷物を置いて、風呂に入って休むという一連の流れが、ごく限られた範囲で済むのも便利でした。しかも秀逸なのは、一般客が出入りする場所とは動線が遮断されており、ロビーと同じ階にもかかわらず、一切気兼ねなく滞在できることです。大浴場の休憩スペースが使えるため、blogの更新などにも不自由はなく、ロッカーの幅が広めにとられているため大荷物も余裕で収納できるなど、旅行者に配慮した造りはよくできています。空いた区画に間に合わせで造ったわけではなく、何もかも周到に配慮の上で設計されていることが、素人にもありありと感じられました。
それに加え、洗濯だけなら無料、乾燥機のみ有料というコインランドリーがすぐそばにあり、カプセルルームの利用客には、冷蔵庫代わりのクーラーバッグと保冷剤まで貸し出されるという、至れり尽くせりの環境です。少なくともカプセルホテルとしては、今まで泊まった中でも一番快適だったと言い切りましょう。

このように、何から何まで完璧です。難癖をつけようにも、最近よくある木目調の安っぽい化粧版が、ところどころに使われているところしか思いつきません。そこらの全国チェーンと同一視していたことを詫びたいと思います。
もちろん、地場の宿を優先するという近年の方針が、これによって覆されたわけではありません。他の街でもこのチェーンを利用する機会は、おそらくないと予想されます。しかし、長崎に関しては、このカプセルルームに空きさえあれば、次回も世話になりたいと思っています。
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九州沖縄縦断ツアー 2014 -二日目-

2014-11-02 08:07:58 | 九州
おはようございます。昨夜は「宝雲亭」から引き上げ宿に戻り、そのままカプセルに潜り込むという顛末でした。おでんに餃子など、二軒目向けのネタが豊富な長崎だけに、一休みしてもう一軒欲張るにやぶさかではなかったにもかかわらず、身体が言うことを聞きませんでした。しかし、前夜からの疲労が蓄積した状況で、四軒はしごできたことには満足しています。
それにしても、思案橋の迷路のような呑み屋街は、何回足を運んでもよく分かりません。なじみの店への道順こそ頭に入っているものの、路地の一本一本がどのような方向へ走っているかという位置関係が、何度か歩いただけでは全く分からないのです。歩いているうちに方向感覚を失ってしまうのは、まさに迷路そのものといってよいでしょう。年に一回訪ねるだけで、この複雑な呑み屋街を征服できるとは思えません。やはり、長崎が年一泊では少なすぎると再認識した夜でした。
本日は10時過ぎのバスで長崎を出て、11時半の便で沖縄へ飛び、着き次第レンタカーを引き取って活動します。荷物を引き取り、営業所まで移動して手続きする時間を考えると、活動になるのは実質三時以降といったところでしょうか。いくら沖縄の日の入りが遅くとも、日中にできることは限られます。夜の部中心の一日となりそうです。
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