二軒目は前回も訪ねた駅前の「治右衛門」を再訪します。信州らしく山と川の食材を揃えた「ながい」に対して、こちらの主役は佐渡の魚です。山国で魚というのがやや不釣り合いながら、長野から真北に向かって山と海をそれぞれ一つ越えれば佐渡なのですから、あながち縁もゆかりもない場所というわけではなく、これはこれで悪くありません。紙一枚の両面を使った日替わりの品書きは、片面に十種ばかりの魚が大書きされ、もう片面にその他の肴が二段組みで並ぶという構成で、力強い筆文字は店主の無骨な風貌をそのまま形にしたかのようです。高級魚はそれなりのお値段ながら、大衆魚を含めて価格設定はすこぶる良心的で、わさび菜、きのこおろしなど地の食材も交えた品書きにはてらいがなく、山の幸と海の幸とのバランスを重視する向きには、この店を選ぶのが一番かもしれません。白木で統一された明るく清潔な店内と、鏡のように磨かれた厨房も気持ちよく、折に触れて立ち寄りたいと思わせてくれる店の一つです。
★治右衛門
長野市南千歳町1-9-1 7奈佐ビル1階
026-227-2000
1730PM-2400AM(月曜定休)
豊賀
お通し(ヅケ)
キンメダイうす造り
★治右衛門
長野市南千歳町1-9-1 7奈佐ビル1階
026-227-2000
1730PM-2400AM(月曜定休)
豊賀
お通し(ヅケ)
キンメダイうす造り