三年ぶりとなる宮崎での酒場探訪、一軒目は宮崎出身者のすすめに従い「丸万焼鳥」を訪ねます。
「焼鳥」と聞いて焼鳥屋を連想するのは早計で、この店に串焼きは一つもありません。あるのは焼き物がもも、手羽、もつ、砂ずりの四つ、あとは刺し、タタキ、生野菜、おにぎり、ご飯と最低限の酒だけです。潔いまでの簡素な品書きは、釧路のザンギ専門店「鳥善」を思い出させます。この店にしても「鳥善」にしても、もも焼きであるとかザンギであるとか、純粋にそれだけをいただくための店で、酒と肴、あるいは居心地などをしみじみ楽しむ店とは少し違うということです。普段は品書きを眺めつつ様々な組み立てを考える自分にとっても、この状況でとるべき選択は一つしかないということになります。
ただ、より似ていると思うのは、「鳥善」というより仙台の牛タン専門店です。骨付きか切り離しかを聞くやいなや、七輪でもも肉が豪快に焼かれ、もの二、三分でアルマイト皿に乗って供されるところなどがまさにそうで、付け合わせで出る鶏のスープはテールスープに相当するものと思えばよいのでしょう。もも肉の歯応えと炭の香り、したたる脂などが専門店ならではです。そこらの居酒屋でおざなりなものを選ぶより、まずここでもも焼きをいただいてから次へ行く方がよいのかもしれません。
このようにやや風変わりな店ながら、宮崎で一軒行くならここだといえる店に出会ったのは事実です。しかし外には品書きもなく染め抜きの暖簾が揺れるのみで、それだけを頼りにここへ飛び込むことはおそらくできなかったでしょう。「蛇の道は蛇」と実感した次第です。
★丸万焼鳥本店
宮崎市橘通西3-6-7
0985-22-6068
1700PM-2300PM(祝日を除く日曜定休)
霧島
鶏刺し
もも焼き
「焼鳥」と聞いて焼鳥屋を連想するのは早計で、この店に串焼きは一つもありません。あるのは焼き物がもも、手羽、もつ、砂ずりの四つ、あとは刺し、タタキ、生野菜、おにぎり、ご飯と最低限の酒だけです。潔いまでの簡素な品書きは、釧路のザンギ専門店「鳥善」を思い出させます。この店にしても「鳥善」にしても、もも焼きであるとかザンギであるとか、純粋にそれだけをいただくための店で、酒と肴、あるいは居心地などをしみじみ楽しむ店とは少し違うということです。普段は品書きを眺めつつ様々な組み立てを考える自分にとっても、この状況でとるべき選択は一つしかないということになります。
ただ、より似ていると思うのは、「鳥善」というより仙台の牛タン専門店です。骨付きか切り離しかを聞くやいなや、七輪でもも肉が豪快に焼かれ、もの二、三分でアルマイト皿に乗って供されるところなどがまさにそうで、付け合わせで出る鶏のスープはテールスープに相当するものと思えばよいのでしょう。もも肉の歯応えと炭の香り、したたる脂などが専門店ならではです。そこらの居酒屋でおざなりなものを選ぶより、まずここでもも焼きをいただいてから次へ行く方がよいのかもしれません。
このようにやや風変わりな店ながら、宮崎で一軒行くならここだといえる店に出会ったのは事実です。しかし外には品書きもなく染め抜きの暖簾が揺れるのみで、それだけを頼りにここへ飛び込むことはおそらくできなかったでしょう。「蛇の道は蛇」と実感した次第です。
★丸万焼鳥本店
宮崎市橘通西3-6-7
0985-22-6068
1700PM-2300PM(祝日を除く日曜定休)
霧島
鶏刺し
もも焼き