日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 23:13:03 | 晩酌
ぼんやり光っていた北九州方面の空が判然としなくなり、唯一大分方面の空だけがかすかに光る状況で、これが見えなくなるまで名残を惜しむか迷ったものの、よくよく考えれば今回の旅で大分には縁がありませんでした。これが潮時と悟って船内に戻り、一風呂浴びてからお待ちかねの晩酌となります。本日の献立はこちらで、例によって酒も肴も万全の備えになっています。人影もまばらになりゆくテーブル席の片隅に酒と肴を広げ、一人しみじみ名残の盃を傾けた後は、来島海峡の通過を見届けて眠りにつくといった流れになりそうです。

★日本酒
繁桝特別純米ひやおろし
万齢純米ひやおろし

★焼酎
六代目百合

★刺身
国内産とりたたき
長崎県産しめさばお造り
山口県産しいらお造り

★酢の物
タコ酢物

★食事
鳥ごぼうめし
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 21:00:11 | 九州
出航から一時間、新門司港の明かりが視界の彼方に消えました。しかし空がぼんやり光っているのは紛れもなく九州の明かりなのだと思うと、それが見えなくなるまでデッキで見送りたい気分になります。もうしばらく進めば四国の明かりも見えてくるでしょう。九州、本州、四国が一堂に会するのを見届けてから一風呂浴びれば、船内のテーブルも空いて晩酌にはちょうどよいので、少なくともそれまではデッキに立ちたいと思います。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 19:59:38 | 九州
船が岸壁を離れ、大阪へ向かって針路をとったところで蛍の光が流れてきました。函館港に比べればいたってさみしい新門司港ですが、それでも特徴的な山の形はかなり遠くからでも確認できます。出港してしばらくすれば下関と小倉の街の灯が現れ、さらに進めば右には宇部から小野田、左には行橋から中津、国東半島にかけて長い海岸線が続き、ほどなくして四国の明かりも見えてきます。高いところへ上ったわけでもないのに、地平と同じ高さでこれほど視界の広い場所があるのかという驚きは、瀬戸内海のここでしか体験できません。出航するやいなや神戸の夜景と明石海峡大橋が立て続けに現れる往路のような華々しさはないものの、デッキでしみじみ名残を惜しむならむしろこちらの方が合っています。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 19:28:26 | 九州
夕日が下関市街の彼方に落ち、やがて夜景へと変わり行くのを見届けてから新門司港に移動してきました。ここまでの走行距離は2100km, 一週間前に新門司へ着いた時が560kmだったので、九州内で1500kmあまりを走ったということになります。昨年の九州は往路に四国を経由したため実質二日の滞在にとどまり、しかもその二日というのが梅雨時かと思うような蒸し暑くうっとうしい気候で、帰りのフェリーに乗るため新門司港へたどり着いた時には、疲労感と徒労感だけが漂っていたものです。これに対して、今回は心からの満足感と、それとは裏腹な去りがたさが同居していて、旅の終わりの切なさというものをしみじみ感じています。
そんな経験として思い出すのが、今から11年前の北海道です。やはり連日の秋晴れに恵まれ、今はなき夜行列車で道内の各地を転戦した旅の中でも、とりわけ印象に残っているのが、最後に函館へ戻ってきたときのことでした。朝方の曇り空が次第に晴れだして、いつしか再び透明な秋晴れの空に変わったため、僥倖とばかりに函館山へ登って、昼間の光景から夕景、夜景の全てを眺めてから、青森行きのフェリーで北海道を離れたというのがその日の顛末です。このように一部始終を今でもはっきり記憶していることからして、それだけ印象深い旅だったということでもあります。最終のバスで函館駅に下りた後、列車が出るまで余韻に浸った函館山を望む小公園、重い荷物を引きずるように担いで歩いた七重浜の駅から港までの道のり、今はなき古臭い、しかし味わいがあったフェリーターミナルの建物、そして少しずつ遠方へと遠ざかってゆく函館の街、一つ一つの光景をこれほど鮮明に思い出せる旅というのは、旅から旅に明け暮れた我が生涯においても数えるほどしかありません。今回の旅がそれに並ぶような記憶となるかどうかは、後年人生を振り返ってみなければ何ともいえません。しかし、去りがたさという点では間違いなくそのときに匹敵すると断言できます。幸いにして、フェリーで去るのもそのときと同じなので、出航後は陸が見えなくなるまでデッキで名残を惜しむことになるでしょう。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 17:06:58 | 九州
和布刈公園から関門海峡を望みます。日は既に傾いて下関市街の彼方に落ちようとしており、この夕日が沈めば九州滞在は終焉の時を迎えます。北海道との間の葛藤、往路のフェリーの欠航など紆余曲折はあったものの、連日の快晴に恵まれて、九州の秋を思う存分満喫した旅でした。もう思い残すことは何もない、といいたいところなのですが、本音としてはもう一週間九州に滞在してもよいとさえ思っています。明日から来週末までの天候も総じて快晴が予想され、この秋晴れが一週間も続くなら、何もここで切り上げることはないだろうと思えてならないのです。
これが普段の旅では、二日、三日、四日と日程を決めれば、その日数で帰るということを暗黙のうちに当然のこととして受け入れており、最終日には粛々と帰路につくだけです。しかし今回に関する限り、ここまで絶好の行楽日和が続くにもかかわらず、どうして平凡な日常へと戻らなければならないかと、ある種の理不尽さを感じてしまいます。仮に自分が暇をもてあました学生だったとすれば、間違いなく帰りを一週延ばしていたでしょう。
もちろん、学生の身分でマイカーを駆り、毎晩宿に泊まって夜の街をはしご酒するなどという旅ができるはずもなく、我々の年代でいうなら周遊券の有効日数が切れて否応なく終わっていたのでしょうから、もし学生だったらと想像すること自体意味のないことではあります。金と余暇とのバランスの上に旅というものが成り立っているのであって、旅すること自体を商売にできるような才能がない限りは、果てしなく旅を続けることもできないわけです。ただ、そうはいっても、今回に関してだけは、この旅をもうしばらく続けていたいと思わずにはいられません。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 16:14:32 | B級グルメ
時間に追われ気味で朝のMOSから飲まず食わずで通し、空腹感も限界に近づいてきたため、ここで腹ごしらえを済ませます。九州最後の食事となったのは関門トンネル入口のジョイフルで、当然ながら九州最北端の店でもあります。時間がない時にファミレスという選択は本来ならば御法度ながら、うどん屋が閉店してしまい他に選択肢がありませんでした。とはいえ、最後がジョイフルというのも九州の旅らしく、考えようによってはこれでよかったのかもしれません。

★ジョイフル門司店
北九州市門司区東本町2-6-14
093-322-1775
24時間営業
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 15:49:07 | 九州
初日と同じく、時間にある程度余裕がある今のうちに、フェリーでの晩酌に備えて買い出しを済ませておきます。どうやらフェリーターミナルへの経路上にもスーパーがありそうなので、刺身類はそこで調達すればよいとしても、万一時間がなくなり慌てた時に備えて、最低限のものは揃えておかなければなりません。旅の終わりがいよいよ迫ってきました。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 15:36:48 | B級グルメ
修復前の門司港駅を最後に一目見られたのはよかったのですが、非常に残念なことが一つあります。この駅を訪ねるたびに愛用していた駅舎内のうどん屋が閉店していたことです。駅舎を空ける以上閉店するのは当然のこととはいえ、場所を変えて営業してはいないかと淡い期待があっただけに、もぬけの殻となった店を柵越しに眺めると、何ともいえない切なさを感じます。揚げたてのふぐ天を乗せたうどんを汁一滴残さずいただくのが、駅舎見物と並ぶ門司港での楽しみでした。うどんはもとよりおでんも秀逸で、それを肴に一杯引っかける愉しみをようやく覚えたときだったというのに残念でなりません。もし新装なった門司港駅にこのうどん屋がそのまま入ってくれれば、それこそ大阪の「明治屋」のごとき快挙なのですが、その夢は果たして実現するのでしょうか…
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 15:28:56 | 九州
長崎道から九州道を通って門司に着きました。結果として残りわずかな時間にはなりましたが、ここで時間の許す限り名残を惜しみ、和布刈公園から眺める夕日で九州滞在を締めくくる予定です。
その前に、門司へ来たなら立ち寄らなければならない場所があります。それはもちろん門司港駅です。去る九月をもって五年半もの長期にわたる修復作業のため一時閉鎖されたと聞き、今頃は足場で囲われ遠巻きにみることもできないかと思っていたところ、意外にも背丈ほどの柵が駅舎の回りを取り巻いているだけで、あとは何もかが元のままでした。しかし、骨組みの状態までばらして修復するとのことなので、この姿も遅かれ早かれ見納めになるのでしょう。永久保存に耐えうるよう修復されるのは結構ながら、東京駅のように駅なのか商業施設なのか分からないようになってしまっては元も子もありません。周囲の町並みが「門司港レトロ」なる俗な観光地に成り下がる中、昔のままの姿を保ってきたこの駅が、新装なってもその気高さを持ち続けてくれることを願っています。次は完成後にお会いしましょう…
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 13:29:25 | 九州
結局、例のごとく酒屋に立ち寄っただけで短い滞在は呆気なく終了と相成りました。それなら昨晩急ぎ足で回ってしまえばよかったかという思いは当然残るものの、どこへ行っても黄金色の稲穂が揺れる佐賀平野を短い時間とはいえ走ることができたのですから、その話はもうやめにします。また来年お会いしましょう。
さて、この後は北九州まで移動し、日没まで時間の許す限り活動します。しかしここで驚いたことが一つあります。門司近辺の地図を確認しようとしたところ、ツーリングマップルRの九州・沖縄版には九州側しか掲載がなく、下関まで見ようとすると中国・四国版を取り出さなければならないのです。もうこの時点で九州の地図が用済みになるとは思っていなかっただけに、旅の終わりの切なさがそこはかとなく押し寄せてきました。しかし、往生際の悪い自分の性格上、港でフェリーに乗り込むまで、九州の地図は手元に残しておきたいと思います。しばらくは感傷に浸りながらの移動になりそうです。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 13:04:46 | 酒屋
毎度おなじみ駅前の酒屋に立ち寄ります。無名ながらどれも力作揃いの地酒をこれほど集めた店も、自分の知る限り他には大津の酒屋だけです。ここでなければまず出会えない酒かと思うと、一本といわず複数選びたくなるところ、既に道中で二本の酒を買い求めていることもあり今回は自制します。これでひやおろしが二本と焼酎が一本揃い、今夜の晩酌に向けて鉄壁の布陣が構築されました。

★しめなわ
佐賀市駅前中央1-10-36
0952-26-9577
900AM-2100PM(元日休業)
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 12:47:29 | 九州
結局時間の都合で朝風呂はパスし、峠を下って佐賀市街に入りました。駅前の街路樹の新緑に刮目させられたのは、初めて九州をマイカーで訪ねた三年前のことでしたが、時期にして五ヶ月ほど遅い今では、当然ながら緑も次第に色褪せています。しかし、鹿児島では桜の木がほとんど葉を散らして裸同然だったのに対して、こちらでは黄色い葉が目立ち始めた程度に過ぎません。気温は26度とさほど差はないものの、季節の進み方は南九州と北部九州とで大きく違っているようです。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 09:57:40 | 九州
263号線を走って三瀬トンネルを抜け佐賀に入りました。以前に一度この経路で佐賀へ移動した経験から、交通量が多く流れの悪い、走っていてそれほど楽しくもない道だということは承知した上でのことです。高速道路で直行して引き返すなら、昨日のうちに無理をしてでも行っていたでしょう。ここから少しずつ峠を下りて佐賀の街に入り、実りの季節を迎えた佐賀平野を少しでも体感するのが、あえてこの経路を選んだ理由に他なりません。
現在の気温は19度、青空が広がってはいるものの雲が多く、日差しが隠れて風が吹くと肌寒く感じるほどです。願わくはこの雲がもう少し晴れてくれれば申し分ないのですがどうなるでしょうか。
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 08:47:03 | MOS
本日も赤看板のMOSで朝食をいただきます。訪ねるのは六本松店で、自分が九州のMOSを初めて訪ねた十数年前でさえやや懐かしさを感じた店舗が、そのままの姿で通り沿いに佇んでいます。ただ、この店が少々残念なのは、分煙化とやらで店内が区切られてしまっていることです。しかも完全に仕切るならともかく、パーティションが天井まで届いておらず煙が漏れてくるような始末で、もともと広くはない店内を何のために仕切ったのかという不可解さが残ります。これが宮崎のMOSなら、小さい店舗は潔く完全禁煙にするという対応をとっていたわけで、この店にもそんな英断ができなかったかと思うと少々残念です。とはいえ外観は実に見事な路地裏MOSではあるので、その健在ぶりを確認できただけでよしとしておきましょう。

モスバーガー六本松店
福岡市中央区六本松2-14-18
092-752-0396
800AM-200AM
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色づく秋の九州へ 九日目

2012-10-07 08:19:26 | 九州
蝉の鳴き納めは今年も十月の三連休まで延びました。大濠公園の近くでツクツクボウシが鳴いています。鹿児島ではどこへ行っても聞こえた蝉の声が、宮崎へ移動してからすっかり途切れて、さすがにもう終わったかと思っていたところが、300kmも北上した福岡で蝉の声を再び聞くとは思いませんでした。本州でもまだ蝉が鳴いているのでしょうか。
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