日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の九州へ 番外編

2012-10-09 23:07:30 | 旅日記
10日間2700kmにわたる九州への旅が終わって一夜が過ぎました。昼過ぎに四日市までたどり着いた時には、今回は余裕で帰れるとたかをくくっていたというのに、結果としては三時半などというかなり遅い帰着になってしまいました。10時過ぎという出発時刻も350kmという走行距離も、仙台から帰る時とほぼ変わらないことからして、二時台には着くだろうと楽観していたにもかかわらず、これほど延びるとは予想外の結果です。理由は偏に眠気のせいで、もう限界といえるほど眠くなって30分単位の休憩を二回ほどとったため、これがそのまま響いてしまいました。新東名の線形そのものは全国随一の快走路ながら、線形がよすぎて退屈になりやすいだけでなく、どうしても他車にペースを乱されるというのが、先月の北陸への往路と合わせて一往復半走った上での実感です。今回は出発地からしてルート選択の余地が事実上なかったとはいえ、線形と車窓が適度に変化し、交通量も少なく終始自分のペースで走れるという点では、やはり中央道が西日本への往来には最も適しているという認識を新たにしました。

とはいえ、終わってみれば全行程を通じてさわやかな秋晴れが続き、久方ぶりに秋らしさを満喫した旅ではありました。寒からず暑からずさわやかな晴天が期待でき、酒も食材も実りの季節を迎える9月から10月にかけては、旅人にとって最大のかき入れ時の一つだと私は思います。それが昨年一昨年は天候不順で使い物にならず、さらにその前年は生業が割り込んで連休を全て棒に振るという憂き目に遭って、過去三年間秋らしさを満喫するという場面がほとんどなかっただけに、今回の旅はなおさら鮮烈に感じられました。実は、北海道へ行っても結果として全行程の半分近くは晴れたらしいのですが、旅の空ではそもそも北海道へ行こうとしていたこと自体忘れかけていました。秋の北海道を旅するのが今年最大の宿願だったとはいえ、それが頓挫するのと引き換えに今回の旅ができたと思えば、むしろこれでよかったのではないかと今は思っています。
それとともに思うのは、鹿児島にいた四日と半の時間は心底楽しんだ反面、よくよく考えるとそれ以外は終始移動に追われて、内容的にはそれほどでもなかったということです。初日と最終日はフェリーが発着する大阪までの往復に費やし、二日目も宮崎着が新門司着に変わった弊害でほぼ移動だけの一日だったため、九州に滞在できたのは実質七日でした。しかも、鹿児島を出てからの二日半は、宮崎、熊本、福岡、佐賀、北九州と駆け足で進んだに過ぎず、内容的には鹿児島と比べるべくもなかったというのが実態です。
昨秋北近畿を旅したあたりから感じていたことなのですが、本当に心ゆくまでその土地を味わい尽くしたいと思うなら、一日に移動できる距離はせいぜい100km程度ではないでしょうか。それが200kmを超えると移動中心の一日になり、300kmを超えるとほぼ移動のみに費やされるというのが大まかな目安で、時間と距離の関係が全く異なる北海道を除けば、全国のほとんど全ての土地でこのことが当てはまります。そうだとすれば、いたずらに行動範囲を広げるのではなく、今回なら南九州に絞るのが正解だったのかもしれません。たまの長い休みと思えば欲張りたくなるのが人情とはいえ、そう滅多には足が向かない西日本に関する限り、行動範囲を絞って一つの土地に腰を据え、その他の土地は汽車旅で総ざらいするといった工夫が今後は必要になりそうです。

西日本の好天は明日以降も続き、あのまま九州に残りたかったという思いは変わらずあるものの、残念ながら平凡な日常が再び始まってしまいました。しかし、少なくとも今週末まではこの好天が続くと予想されるため、もし可能ならば今週末の前後を休み四国への汽車旅に出て、そうでなければ土日で信州にでも出かけようと思っています。
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色づく秋の九州へ 十日目

2012-10-09 03:25:34 | 東海
帰宅しましたorz
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