娘がものを食べ始めてからというもの、我が家ではバナナを切らしたことがほとんどなかった。安くて栄養がある上、消化もいいしスーパーでもコンビニでも買えるというすばらしい食品なのだが、なぜか先々週から先週にかけて近所のどこの店でも売っていないという現象が起こっていた。ようやく見つけると一本一八〇円とか、普段の三倍くらいの値段だったりする。妻と「どうしてだろう?」と話していたのだが、これはもしかしたら一七日に開催された「東京マラソン」用に買い占められてしまったので一時的に市場に出回りにくくなっていたのではないか、という仮説に至った。調べてみると、参加者の栄養補給のために、六万本のバナナが用意されていたとか。
*
ネット上をうろついていたら、高校時代の同級生が最近本を出したことを知った。もう二十年近く会っていないが、TVのプロデューサーをしているとのことで、「あー、確かに似合ってるなあ」と得心。特に親しいわけではなかったが、彼は典型的な頭のいい不良というタイプで、結局は文弱の徒である私は、何度か「コイツにはかなわないな」と思わされたものだ。
ところで頭のいい不良とバカな不良のどこが違うかというと、私見によればそれは人間関係の構築力の差なのである。頭のいい不良というのは、人間の政治性というものをツールとして使うことに非常に長けている。それは単純な上下関係などではなく、刻一刻と変わっていくもので、彼らはその潮目のようなものを巧みに読み取って時には押し、時には引いて、いつの間にか集団の中で重要な位置を占めている(TVの制作現場のような切った張ったの世界では、誰がキーパーソンかを即座に見分け、その場その場で強力に人を動かしていく手腕が必要なのだろう)。これに対して頭の悪い不良は、人間の政治性には敏感だが、それを単純な上下関係に還元してしまうので、結局は人心を収攬することができない。
……というようなことを観察して終わってしまうのが文弱の徒たる所以であろう。
日曜日の日経新聞についてくる「日経マガジン」という冊子の与太記事によると、オタクの時代はもう終わり、「これからはヤンキーの時代」なんだそうな。
最新の画像[もっと見る]
- 想像の昭和 11年前
- 年頭所感 12年前
- K.G.と略すらしい。 13年前
- 二十年間を駆け足で 14年前
- Long Time No Sea 14年前
- My Life with Kindle 14年前
- Hong Kong Revisited / On English Learning 14年前
- City of Skyscrapers 14年前
- City of Skyscrapers 14年前
- City of Skyscrapers 14年前
先日、高円寺の「メ・マンマ」で遭遇、ビールをご馳走になったキムリーです。
これからはヤンキーの時代なんですね。
バカな不良崩れで、ややオタク的な趣味のある私の出番はもうないんですね……
キムリーさんはバカでも不良崩れでもないと思いますが、最近生かじりしたWeb 2.0関係の本によると、日本はともかくシリコンバレーではGeek(オタク)であることは必須条件なんだそうで……あまりフォローになってないか?
そういえば昨年、LA在住の姉が帰省した時、
アメリカ生まれ、アメリカ育ちで、顔以外は
全部アメリカ~ン!な姪っ子に向かって
「リエはNerdだから。あんな風になっちゃ駄目なんだよ」
とわたくしの面前で言い放っていました。家庭不和。
喧嘩ならばこっちのほうが強いぞ、おら~~!