今日で現在の勤務先につとめ始めてから丸三年が経過した。思い返せば入社に至った経緯はなりゆきというかタイミングというか、まあ偶々拾ってもらったようなものなのだが、現在こうして二十日ほど育児休暇を取っていても文句は言われないのだから、まずは巡り合わせに感謝しなければならない。
今日は明け方に娘が発熱したので、保育園は休み。妻も休暇を取り、様子をみた。午後は天気予報に反して晴れたので、ずっと懸案だったバルコニーの床掃除に没頭。プラスチックにこびりついた黒ずんだ汚れをデッキブラシと中性洗剤で落とし、バケツで水を流して洗う。それほど広くもないが、それなりに疲れる。娘の熱も夕方には下がったようなので一安心。
今週水曜からの妻の職場復帰に伴い、生活が軌道に乗るまで育児休暇を取得する。三週間弱程度とはいえ、社会人になってからこれだけ長期間出勤しないのは初めてなので、不安がないとはいえない。幸い職場の理解も得られ(教育産業なので「子供のため」というのは立派な理由になるのだ)、誰の目にも分かるくらい疲労も蓄積していたようなので、思い切ってみた。
勤務先では男性の育児休暇取得は私で三人目くらいらしいが、今年は初めて一年間申請した人もいるとのこと。後進のこともあるので、先例を作るという意味でも積極的に制度を活用するのはよいことだろうと思う。数年前は考えられなかったけれど、私の勤務先に限らず、この傾向はしばらく続くことだろう。
(最近は絵本がお気に入り) (まだちょっと眠いかな……)
だいぶ快復しているとはいえ、大事をとって今日は休み。
入院中は三分粥あるいは五分粥プラスおかず二品(野菜中心)というストイックな食生活を強いられていたため、今日の昼は神楽坂界隈でうまいものを食おう――ということで行ったのが「たつみや」。うなぎ、どぜうの店で、ちょっと入るのに勇気がいる店構え(高級で、というわけではなくてむしろその反対)。しかもその昔は井伏鱒二や岡本太郎、さらになぜかジョン・レノンまでが来たというので、なかば伝説化しているような店である。
中に入ると、壁には意表をついて(でもないね)アラーキー先生の写真とサインがある。ま、それはそれとして、店内は古いながらも清潔で、好感が持てた。値段も良心的でよかったのだが、メニューにあった「舞子丼」というのが気になる。つまりは柳川鍋の卵とじをどんぶりにしたものなのだが、こんな名前があったなんて初めて知った(語源についてはここを参照)。結局妻と舞子丼、うな重をシェアし、満足。
本日正午前に、無事退院しました。ご心配をおかけしました。
さて、私が罹患した急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)というのは意外と命に関わる病気らしく、しばしば医療過誤裁判(例1、例2)などにもなっているようです(のどの痛み=単なる風邪として見過ごしてしまうらしい)。今後誰かの参考になるかもしれないので、私の経験を書いておくことにします。
1.発症
五月一日の朝から、のどに痛みを覚える。思えば、その二日前から娘の発熱の世話で生活が不規則になっていた。午後、近所の内科に行ったところ、「ま、風邪でしょう」ということで薬を出してもらう。しかし、飲んでも一向によくならない。それどころか痛みはどんどんひどくなり、唾を飲み込むことすら辛くなってくる。しかも、何か今まで経験したことのないような妙な(息詰まるような)感覚が、のどの奥に広がってきたため、これは非常事態だと判断。熱は三十七度台前半。
午後十時半ごろ、東京消防庁のテレホンサービスで急患で耳鼻咽喉科があるところを探し、順天堂病院に電話して症状を話したところ、「すぐ来てください」とのこと。
2.急患から入院
それから十五分ほどでタクシーで病院に着き、救急入口から入る。少し待たされて、耳鼻咽喉科で診察。鼻からファイバースコープを入れられ、のどの奥を見て、「ああ、これはすぐ入院しましょう」と言われる。「急性喉頭蓋炎ですね。まだごく初期の段階ですが、早めでよかった」――この病気は本当に急激に症状が悪化することがあり、最悪の場合数時間で呼吸困難になって死に至る場合もあるとのこと。
とりあえず家に電話し、「即入院することになった」と報告。入院手続きをし、採血の後、点滴を打たれ、車椅子に乗せられて入院病棟へ。当然ながら何も持っていなかったので、寝巻、スリッパなどすべて借用。四人部屋のベッドに落ち着いたのは夜中の一時くらいだった。
3.入院生活
最初の二日ほどは、のどにも痛みが残っていた。食事もせず点滴のみ。三日目からはお粥が食べられるようになった。抗生物質とステロイド剤の点滴を受け続ける。
毎朝診察を受け、一日二回「ネブライザー」でのどに薬を吸入。それ以外はやることもないので、本を読んだりベッドでうとうとしたり。間食をしないよう心がけた上に、夜は九時消灯、朝は六時半起床というすばらしい生活。
4.まとめと教訓
前述の通り、なかなか侮れない病気のようで、それはあまり風邪と区別がつかないために事態の重大さに気付かない危険性があるということに尽きる。
私はたまたま、①二週間ほど前に妻がのど風邪をこじらせて入院した、②弟がちょうど一年前にまったく同じ病気にかかったが一命をとりとめていた――というような経緯があり、のどの病気については甘く見ないようにしていたため、かなり早期に適切な診察が受けられたのが不幸中の幸いだったかもしれない。
私に起こった症状をまとめると、以下の通りである。
・唾も飲み込めないほどの、強烈なのどの痛み
・のどの奥が膨張するような腫れ
・耳にも痛み
・微熱(症状が進むと高熱が出るらしい)
・風邪薬(市販薬や内科でもらった薬)を飲んでも殆ど効かない
また、私よりも重症であった弟の話によると、急に声が(なぜか田中真紀子のように)変わってしまうということもあるようだ。
ここを読まれている方々も、上記のような症状があれば急性喉頭蓋炎を疑い、
・一刻も早く病院に行く(時間外であれば救急医療機関を利用する)
・内科でなく、耳鼻咽喉科での診察を受ける
ことをおすすめする。
ちなみに、
・疲労などで抵抗力が落ちているときにかかりやすい傾向がある
・伝染性はないし、“癖”になるような病気でもない
とのことである。