牛込日乘

日々の雜記と備忘録

我が家にもやってきました。

2009-11-29 21:35:00 | Weblog
金曜日、ここ数日どことなく体調が悪く、未消化の代休(有休ではない)もたまりまくっているので午後は早退しようかと考えていた矢先、娘が急に三九・五度の高熱を発したとの連絡。慌てて保育園に駆けつけると、「お昼寝までは元気にしていたんですけど、起きたら熱が出ていて……。」との由。これはついに来たか、と思ったのだが、インフルエンザかどうかを判定するためには発熱後十二時間くらいたたないと分からないらしい。

帰宅後、寝かしつけてはみたものの、夜になっても体温は四十度を超えており、いわゆる譫妄状態というのか、時折暴れたりわめいたりしている。インフルエンザ脳症というのがあって初期段階での治療が大切だと聞いていたので、タクシーを飛ばして東京女子医大の急患に飛び込んだ。「インフルエンザの可能性が高いですが、まだ判定できません。症状的には心配しなくてもよいでしょう」とのことだったので、とりあえず帰宅した。

土曜日に改めて近所の総合病院に行くと、同じクラスのH君ご一家が同じ症状で来院していた。「これは多分、そうなんでしょうね」などと話しつつ診察を受けると、案の定A型インフルエンザであることが判明。有名な「タミフル」という抗インフルエンザ薬を出された。これは私自身も七年くらい前に処方されたことがあり、あまりにも効くので気味が悪かったのだが、娘も二度ほど服用した時点でかなり回復した。

少し安心していたら、今度は妻が発熱。まだ断定はできないが、まあ多分インフルエンザだろうなあ……。ということは、私自身も……。今のところまだ熱はないが、多少疲れがたまっているくらいの調子の悪さというのはもうどうでもよくなってしまった。ハードスケジュールが目に見えている師走に備えて週末に英気を養う予定だったのだが、どうも思い通りにはいかない。

***

『坂の上の雲』がドラマ化されるらしい。私はどうも昔から司馬遼太郎は苦手[*]なのだが、この作品は何年か前に読んでみて、まあ確かに面白かった。それにしても、こんなデフレ時代に高度成長期に支持された物語を大々的にプッシュするというのはどうも腑に落ちない。「何とか逃げ切った」団塊世代以上をターゲットにしているのかもしれないが……。同じように陸軍軍人が主人公で同じ時代を扱ったものとしては、『石光真清の手記』に教えられることの方が多かった(これもドラマ化されたらしいが未見)。

([*]そう思う理由はこのサイトで腑に落ちます。ここまで自分が言いたいことを他人が的確に言ってくれるのは珍しい。)

秋深し

2009-11-26 23:51:06 | Weblog
・丸ノ内線に乗っている十分足らずの間に、明らかに女装しているおじさんが二人いた。

・夜、ベランダで洗濯物を干していたら、柱にヤモリが止まっているのを発見。



・通勤途中にある桜の木から、紅葉した葉っぱが雨のように音を立てて落ち続けていた。


木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ(加藤楸邨・一九四八年)

高円寺雑感

2009-11-24 00:45:09 | Weblog
二二日の朝に高円寺の雑居ビルの居酒屋で火災があり、四人が死亡とのこと。勤務先のすぐ近くなので驚いた。店自体には行ったことがなかったとはいえ、身近でそんな惨事が起こるとは……(黙祷)。

当日の午後に書類を取りに出社したところ、駅前からすでに火事場の臭いがする。現場の周囲はシャットアウトされていて、近づけなかった。ちなみにここの地下は、二十年くらい前の学生時代によく使っていたライヴハウス。いまだにパンク野郎が闊歩している高円寺ならではのスポットだが、当面は閉鎖だろう。火災現場とは逆の北口に純情商店街とかいうのがあって、そこでも去年結構な火事があった。そのほかにも、ぼや程度ならしょっちゅう起きているような気がする。

五年以上通ってはいるが、私は高円寺という場所にはどうもあまり愛着が湧かない。そもそもの由来は関東大震災の際に焼け出された下町の人々が避難してきて作った街なのだそうで、東京の新開地としては割と古いのだろう。若者の街とかいう声もあるようだけれども、実際道を歩いているのは爺さん婆さんばかりである。商店街が多いので生活するにはいいのかもしれないが、働く場としてはどうも緊張感に欠けるというか、高円寺で背広を着て歩いているのは私の会社の営業マンか、キャバクラの呼び込みか、八九三の皆様方くらいのものである(←これはこれで緊張感がありますが)。

その昔、高円寺に住んでいた、まだ売れっ子になる前のみうらじゅんに、糸井重里が

「メジャーになりたければ高円寺から出ろ」

と諭したそうだが、確かにダメな人間をダメなまま優しく包み込んでしまう空気に満ちた街ではある。

それにしても、こんなに火事が頻発しているようでは洒落にならないので、高円寺の皆様にはもう少ししっかりしてもらいたい。

まあ、本当に困ったという感じではないんだよな

2009-11-09 23:31:42 | Weblog
今日は仕事で朝から大宮に行く用事があったのだが、九時過ぎに池袋駅に着いたところ湘南新宿ライナー、埼京線、山手線ともにストップしているという最悪の事態に。私はどうも人混みが苦手なので、早々に喫茶店に待避してコーヒーを飲みながら待つことに。しばらくして山手線だけがようやく復旧したので、田端経由の京浜東北線で現地に向かう。逆方向だから空いてはいたものの、予定時間の倍かけてたどり着いた。

ひと月ほど前に台風で首都圏の電車運行が大幅に乱れたときもそうだったのだが、人の流れが一定時間以上ストップすると、あっという間に駅のプラットフォームや構内に人があふれてパンクしてしまう。前にも進めず、かといって後ろにも戻れない緩慢な行列に身を委ねていると、自分が鉄道という血管の中を流れる血小板とか白血球とか赤血球とかになったような、妙な感じがする。