牛込日乘

日々の雜記と備忘録

『鉄道趣味がわかる本』

2009-09-29 00:13:42 | Book Review
書店で、以前在籍した会社でお世話になったモータージャーナリストで写真家であるいのうえ・こーいちさんの著書を発見したので購入(実際は去年の一月に発行されていたらしい。気づかずにすみません)。『鉄道趣味がわかる本』という書名の通り、“趣味の王様”といわれる鉄道ホビーの世界を、基本である乗る楽しみ、旅する楽しみ、車両を知る楽しみから模型、収集、時刻表、海外鉄道等々に至るまで、さまざまな角度から紹介している。

鉄道好きというといわゆる「鉄っちゃん」と呼ばれるマニアというかオタクというか、そういう人たちを思い浮かべるのだが、いのうえさんはそんなイメージとは正反対の非常に柔和で都会的かつ洒脱なお人柄で、仕事をお願いしていてとても楽しかった記憶がある。実はクルマ関係の著作が多く、その道では有名人であることも後から知ったという失礼な担当であったのにもかかわらず、いつも親身になって相談に乗っていただいた。

仕事は楽しかったが会社はめちゃくちゃで、結果的に私が会社を辞めることでいのうえさんにも迷惑を掛けることになってしまったのは苦い想い出であるが、そのときも怒らずに優しい言葉を掛けてくださった。まあ、私が一冊買うくらいで罪滅ぼしになるとは思わないが、実際楽しい本なので、ご興味のある方は是非ご購入ください。女性にもお勧めです。

鉄道趣味がわかる本(書籍)

いのうえ・こーいち著『鉄道趣味がわかる本(趣味の教科書)』(出版社、二〇〇八年)

浮世床、浮世風呂

2009-09-28 00:58:19 | Weblog
午後、散髪へ。いつも行っている津久戸町の床屋の大将は三代続けてこの辺りで暮らしているそうで、地元情報に詳しい。多分、歳も私と同じくらいだろう。

「あの保育園のS先生は人格者ですよ」
「子供が夜中に熱を出したら、まず女子医大の急患ですね」
「今度あそこにマンションと商業施設が出来るんで、地価が上がりそうですね」

…とか何とか、微妙に役立つ情報がちらほら。

今日はいつもよりも混んでいたのだが、大相撲秋場所の千秋楽でちょうど最後の一番をやるところで、店内の全員がTVに釘付けになっていた。白鵬が朝青龍に勝ち、優勝決定戦へもつれ込んだところでようやく私の番。「どうぞご覧になってください」とのことで、わざわざ椅子をTVの方に向けてくれた。正直言って相撲にはあまり興味がないのだが、たまにはいいか。

結果は、朝青龍の優勝。

床屋の後は銭湯へ。サウナの中でぼーっとしながら、競馬やら保険会社に対する愚痴やら、地元のおじさんたちによる自分とは関係のない世界の話を聞くともなしに聞いているのが、意外に気分転換になるのである。

***
夜、NHKスペシャル「シリーズ ONの時代」を観る。長嶋茂雄と王貞治の二人の野球人生を追ったもの。いまだに呂律のうまく回らない長嶋さんの様子は衝撃的であったが、よくここまで回復した、というのが本当なのだろう。

私のプロ野球最古の記憶は一九七五年の広島初優勝、赤ヘル旋風なので、長嶋の現役時代は全く知らない。野球に目覚めた頃はセ・リーグは巨人、パ・リーグは阪急で日本一は阪急というのが続いており(ということは一九七六、七七年ですね)、王さんはまだ現役だった。一九八〇年に長嶋監督解任、王選手引退となるのだが、恥ずかしながらこの頃までは当たり前のように巨人が好きだった(ヤクルトも良かったけどね)。巨人ファン諸氏には悪いのだが、この辺りから中畑とか原とか篠塚とかが出てくるに及び、私は急速に巨人あるいはプロ野球への興味を失ってしまった。それから十年間ほどは、ほとんど積極的にプロ野球中継を観た記憶がない。

折しも土井正三氏が二五日に亡くなったとのこと。同時代でプレーを観てきた選手が老いて死ぬ時代になったのだと若干の感慨。一方で、物心ついた頃にはすでに老人だった川上哲治からお悔やみのコメントが出ているというのも、なかなかすごいものがある。



大名行列御一行様

2009-09-08 23:28:57 | Weblog
今日からUKの本社からエライ人たちが大挙して押し寄せ、レビューとプレゼンの嵐。このところその準備に追われていたが、私は何とか明日でお役御免になりそう。日本側のスタッフはまるで大名行列(殿様、家老、目付役等々)を接待する街道沿いの庄屋さんのような状態で、突っ込まれるのは詰まるところ

「で、結局今年はお前んとこはどれだけ年貢を納められるんだ?」

という話で、サラリーマンは現代の百姓であるという感を新たにしたのであった。