牛込日乘

日々の雜記と備忘録

娘が入院

2008-01-28 00:13:39 | Weblog
 月曜から具合が悪かった娘が、木曜日に軽い肺炎と診断されて東京厚生年金病院に入院。一週間ほどでよくなるそうだが……。一年足らずの間に家族全員が入院することになってしまった。

 入院までは四十度ほどの熱が上がったり下がったりし、咳や鼻水が続いて呼吸も苦しそうだった。病院も何度か行ったものの、対症療法で一時はよくなってもすぐにぶり返してしまっていた。入院後は抗生物質の点滴でてきめんに元気になっているものの、忙しすぎてあまりことの重大さに気付いていなかったのも事実。……と言いながら土日も出社して仕事に追われていたのだが、まああと十日くらいで何とかけりがつく(というかスケジュール的につけさせられる)予定。

なんだかフランスづいている

2008-01-21 02:32:09 | Weblog
・金曜の夜は久し振りに仕事で徹夜。いつの間にか白々と夜が明けてくるときの感じは悪くはないが、さすがに目が回る。朝八時に帰宅。

・フランス在住のジャメルさん(消防士)から娘用おもちゃやチョコレート、ザリアさん(消防ジャーナリスト)から『世界の女性消防士』という写真集が届いた。
ジャメルさんからのおもちゃの一つはバーバパパの貯金箱。なぜか(c)KODANSHAと書いてあるが、フランスのもの。「これにお金を貯めてフランスに来てね」という娘宛のメッセージあり。
ザリアさんが送ってくれた本の表紙の写真は奥さんとのこと。消防士ではないそうな。
Femmes pompiers
ともかく、御礼を送らなければ……。

・すっかりSkype友達になってしまったフランスの女の子から写真が送られてきた。
ロレーヌ地方のこんな街↓に住んでいるらしい。



・昨日、今日はセンター試験があったらしい。仕事に関係なくもないが、私は私で忙しい。今日も中央線の終電で帰宅。

芥川賞・直木賞…

2008-01-17 02:05:21 | Periodicals & Papers

 …が発表されたとの報道。当然の如く、作品名も作家名も知らない。読んでもいないのに言うのも何だが、記事を読む限り、その作品が爆発的に売れたり社会的に大きな影響を与えるような事態になるとは考えにくい。

(芥川賞)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B%E8%B3%9E
(直木賞)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E6%9C%A8%E8%B3%9E

 かつては、そうでもなかった。過去の受賞作、受賞作品を見ても、忘れ去られたものの方が多いとはいえ、今でも広く読まれているものも多いし、私の記憶に残っているものもいくつかある。

 まあ、良くも悪くも平和で安定的な時代が長く続くと、本来であれば文芸に人生を賭けてもよかっただけの資質と力を持った人間たちの多くが、芥川賞やら直木賞やらを目指す代わりに、学者になったりテレビ局や広告代理店につとめたり、あるいはベンチャービジネスを起こしたりしているのだろう(もちろん、<本来>などありえないという考え方も可能)。

 これは、社会にとっては別に悪いことではなく、むしろ喜ぶべきことなのだろう。

 先日、ある自費出版の会社(素人の原稿を見て「本にしませんか」と言って、お金を出させて本を作るというビジネスモデル)の経営が立ちゆかなくなったというニュースを読んだ。衣食住が足り(すぎ)ている豊かな社会は、こういういわゆる「自己実現」(イヤな言葉)欲求を満たすことが目的となる、らしいのだが、実現されることを望む強烈な自己とか自我とかいうもの自体が存在し得なくなってしまえばどうなるのか。

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「イタリアじゃ三十年のボルジア家の支配下で、いくさもテロも殺人も流血もあった。でも、奴らはミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、そしてルネサンスを生み出した。スイスでは博愛と五百年間の平和と民主主義、それで奴らは何を生み出したんだ? 鳩時計さ」 (『第三の男』)

http://www.moviequotes.com/fullquote.cgi?qnum=57987


草思社、グリーンスパンほか

2008-01-10 01:17:13 | Periodicals & Papers
 草思社が民事再生法申請との報道。特に好きな版元というわけではないが、こういう傍目から観ると堅実かと思われた出版社が立ちゆかなくなるというのは、あまりいいニュースではない。十年ほど前に神宮前に住んでいた頃、キラー通りを千駄ヶ谷に向かって河出書房新社、草思社のビルの脇を通りながらよく歩いた。草思社の小綺麗なビルはなかなか羽振りが良さそうに見えたものだが……。新聞記事では所在地は東京都文京区とあるが、すでに千駄ヶ谷(渋谷区)のビルは手放してしまっていたのだろうか。

 今月の日経新聞「私の履歴書」は、前FRB議長のアラン・グリーンスパン。彼が元ミュージシャンだったとは聞いていたが、スタン・ゲッツと共演したことがあるとは知らなかった(若いゲッツのあまりの才能に圧倒されて音楽の道を断念したとか)。また、昨日掲載された連載記事によると、作家のアイン・ランドとも交流があったらしい。こういう事実を知ると、愛憎半ばするアメリカという国の、良くも悪くも懐の深いところに感心せずにはいられない。元プロミュージシャンが日銀総裁になるような時代が、いつかは日本にも来るのだろうか。

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草思社が民事再生法適用申請 負債総額22億5千万円

2008年01月10日21時43分

 日本語ブームを巻き起こした「声に出して読みたい日本語」などで知られる中堅出版社の草思社(東京都文京区、木谷東男社長)が9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は22億4789万円。複数の企業が支援を表明しており、事業は継続する方針。出版市場は90年代半ばから縮小を続けており、多くのベストセラーを生み出してきた中堅出版社の民事再生法申請は、出版不況の象徴といえそうだ。

 同社によると、長引く出版不況で売り上げが低迷し、有利子負債が経営を圧迫、支援企業の下で再建を目指すことにした。店頭で書籍は購入できるという。2月中をメドに再建計画を詰め、3~4月に再スタートを切りたいという。同社の出版事業は最盛期の97年には31億9000万円の売り上げがあったが、昨年は13億6000万円に落ち込んでいた。

 草思社は68年創立。個性的なネーミングで知られ、「間違いだらけのクルマ選び」を始め、「清貧の思想」「平気でうそをつく人たち」「他人をほめる人、けなす人」などのベストセラーを生み出してきた。

 堅実な経営で知られた出版社の再生法申請に、業界の衝撃は大きい。出版ニュース社によると、06年の書籍の実売金額は96年から900億円減の1兆円程度に落ち込み、返品率は40%程度で高止まりしている。業界関係者は「草思社はベストセラーを出す力がある出版社。出版不況もここまで来たかという思いだ」と衝撃を受けている。

asahi.comより)


仕事始め…

2008-01-08 00:52:40 | Weblog
 …ではあったが、特段イベントもなく、淡々といつも通りの日常が再開。娘の調子が今ひとつだったので、妻は会社を休んで病院へ。やはり「突発」だったらしい。保育園は数日休まなければならないようなので、またまた急遽実家から母親に来てもらうことになった。

 夜は九時前くらいに切り上げ(暖機運転)、帰宅前に拙宅の近所に事務所を構えるS氏と、同じ場所でデザイナーをしているKさんに軽く年賀の挨拶に伺う。持参したビールを飲みながら、三十分ほど歓談。S氏は任天堂のDS用のソフト開発に興味を持っているとのことだったが、実は私も仕事で似たような課題を抱えているので、しばしその話題となった。

 私はゲームをしないので――本当は好きなのだが、やり始めると止まらなくなる性格なので近寄らないようにしているのだ――ここ二十年くらいのゲーム事情はよく知らない。で、この前初めてDSというのを手にしてびっくりしたのが、私が小中学生くらいの頃に流行した「ゲーム&ウォッチ」というゲーム機とインターフェイスがほとんど変わらないということ。この驚きを二十代の人に説明したら(ポカーン)という感じだったのだが、K氏は私と同学年なので、よーく分かってくれました。

アルベール・カーンなど(NHK BS 1)

2008-01-07 02:48:38 | TV
 休みも今日で終わり。娘はようやく昨日くらいから熱が下がったが、まだどこか具合が悪いらしく、終日機嫌が悪い。腹や背中に湿疹のようなものができているので、いわゆる突発性発疹かもしれない。継続して様子を見る必要がありそう。

 NHKのBS 1で、興味深い番組をやっていたので観る。『奇跡の映像 よみがえる100年前の世界』というシリーズで、昨年イギリスのBBCで制作されたらしい。
(原題は Wonderful World of Albert Kahn:Vision of the World

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/080106a.html
http://www.nhk-jn.co.jp/002bangumi/topics/2007/057/057.htm
http://www.bbc.co.uk/bbcfour/documentaries/features/albert-kahn.shtml
http://clipmarks.com/clipmark/E859C6F2-73C5-4110-A47D-F9A8ED7BFE67/

 これは、アルベール・カーン(Albert Khan, 1860-1940)というフランスのユダヤ人銀行家(投資家?)が、世界中の映像を記録するという目的で、多くの人間を使って撮影させた写真や動画のコレクションを特集した番組。特筆すべきは当時最先端の技術だったカラー映像がかなり多く残されていること。カーンは当時ヨーロッパ有数の大富豪で、金に糸目は付けなかったらしい。第一次世界大戦のカラー写真などもあって、本当に驚いた。

 全九回のシリーズで、今晩は最初の二編が放映された。カーンは自分自身で日本も訪れていて、大隈重信の家に招かれたときの様子が動画で紹介されていた(これは白黒だったが)。その他、アイルランドの寒村の暮らしや、拷問の様子などが記録されたモンゴルの映像などはかなり衝撃的なものだった。

 カーンは庭園なども残しているようだ。
http://www.museesdefrance.org/museum/serialize/mont-back/0708/montalembert.html
 番組で紹介されていたところによると、カーンは生涯独身で通し、しかもこれだけの文化的貢献をしておきながら、亡くなったときは無一文に近かったという。不覚にもこの人のことは全く知らなかったが、何を考えていたかについても非常に興味をそそられる。今後の放映が楽しみ(忙しくて観られるか分かりませんが)。

インターナショナル混線電話?

2008-01-06 00:44:37 | Weblog
 昨年Skypeを導入した。用途はたまに実家のじじばばに娘を見せるためくらいなのだが、結構楽しい。

 Skypeには地域やハンドルネーム(?)登録しておくと検索してコンタクトを取れる機能があるらしいのだが、自分で使ったことはなかった。登録していたことすら忘れていたのだが、夜中にPCに向かって仕事をしていたところ、聞いたことのない名前の人から呼び出し音がかかった。うっかり応答してしまったのだが、何か分からない言葉でキャーキャーと若い女性の声がする。チャット機能でメッセージが送られてきたので見てみると、何とフランスから。日本が好きで、とりあえず適当にコンタクトを取ってみたらしい。フランス語はほとんどできないので英語で適当に挨拶をすると、「英語は話せないのでチャットで」との返事。面白いので、しばらく英語でチャットしてみた。

 彼女はフランスのロレーヌ地方に住む大学生で、経済学を学んでいる。日本が好きで、いつか行ってみたいと思っている。漫画やアニメに興味がある。田舎町なのであまり日本のものが手に入らないのが不満。どこに住んでいるのかとか職業は何かとか聞かれたので、家族構成を含めて差し障りのない範囲で(まあ、ほとんどないのだが)正直に答える。英語とフランス語がチャンポンになった文章を解読するのはちょっと難しかったが、何とかコミュニケーションは成立していたようだ。(こんなおっさんの言うことが面白いのかねえ?)と若干の疑問を抱きつつ、ふと気付いたら二時間経っていてびっくり。ネットのチャットなどはやったことがなかったのだが、確かにハマる人はハマるだろうなァ……とは思いました。

 最後に写真を送ってきてくれたのだが(なかなかカワイイ)、ここには公開しません。興味のある方は私宛にSkypeでご連絡ください。

草の根の郵政民営化批判

2008-01-04 23:54:08 | Weblog
 今年の年賀状は郵政民営化後初めて配られる年賀状なのだが、特に早くなったとか誤配が減ったとかいう話は聞かない。元旦はいきなり吉永小百合から年賀状が来ていて驚いたが、どうしてうちの住所が分かったのだろう。(……と一応ボケてみる。正月だし) まあ、結局映画の宣伝ですね。

 それにしても、今年は「配達地域指定」と書かれた、宛名もない不動産会社や旅行会社からのDMのような年賀状――というか、お年玉付き年賀はがきをDMにしたもの――が何枚も来ている。よく分からないが、これも民営化効果なのだろうか。出している方は

 郵政:「くじがついているから簡単に捨てられないだろうし、これで認知度アップしますよ!」
 某社:「よっしゃー、それ採用!」

とか考えているのかもしれないが、個人的にはこんなものもらっても却って何かイヤな感じがする。こういうところにばかり抜け目がなくなって、(お)めでたいことである。サブプライムローンの焦げ付きの処理に郵貯や簡保の莫大な資金が使われるとかいう見方もあるようだが、こういう問題は大きすぎて目に入らないのだろうか。

病院初詣

2008-01-04 02:04:02 | Weblog
 明け方、娘が高熱を発した。測ってみると三九度九分。座薬などで熱を下げようと試みたものの、あまり効果がない。昼過ぎに急患で東京女子医大病院へ。混んでいるかと覚悟していたら、意外とすぐに診察が受けられた。風邪ですね、三、四日かかると思いますがインフルエンザではないでしょうとの由。特に寒いところに出した訳でもないのだが、まあ子供は熱を出すものだと割り切ることにする。行き帰りのタクシー代が、全然別のルートを使ったにもかかわらず両方とも一〇七〇円。食欲はあり、夜は機嫌よく「ミッピ(ミッフィー)」のDVDを観ていた。

 仕事はあまり進まず。昼寝をしながら『岡本綺堂随筆集』を読む。

正月の神楽坂

2008-01-03 00:39:55 | Weblog
 ……神楽坂は全く震災で生き残った老人のような感じである。銀座のジャズ的近代性もなければ新宿の粗野な新興性もない。空気がすっかりよどんでいて、右にも左にも動きが取れないようである。……神楽坂の通りを歩いていていちばん目につくのは、あの芸者たちがお参りする毘沙門様と、その前にあるモスリン屋の「警世文」である。……
(大宅壮一「神楽坂通り」(昭和三年)、種村季弘編『東京百話(地の巻)』(ちくま文庫)所収 より)

 腐っても銀座や新宿と比較されているように、当時の神楽坂はまだ東京屈指の繁華街であったようだが、大宅壮一がこう書いてからすでに八〇年が過ぎている。この間に新興の盛り場――渋谷、原宿、六本木など――の陰に隠れてすっかり目立たなくなり、近年その後進性が逆に新鮮なものとして再発見されているというのがこの街の現状だろう。最近はかなり人通りも多かったのだが、今日はまだ開いている店も少なく、往時同様、毘沙門天の賑わいが一際目立っていた。モスリン屋はもちろん既にない。

 飯田橋駅を挟んで千代田区側へ行ってみると、靖国神社や東京大神宮の参拝客でかなりの人出。特に用事もないので、駅前の文教堂書店で懸案だった「大人の科学マガジン テルミンmini」を買う。気付いたときには書店になくて諦めていたのだが、奥付を見るとどうやら増刷されたらしい。

 その後インドカレー屋に寄り、牛込消防署の前で写真を撮って帰る。


(牛込消防署のマスコット、モーモです)

 帰宅してからテルミンを組み立ててみた。




 まあ、一応音は出るのだが、音程はうまく調整できない。楽器は違うが、横山ホットブラザーズの偉大さを思い知る。