牛込日乘

日々の雜記と備忘録

エルピーダ・メモリ経営破綻に関する雑感。

2012-02-27 23:08:36 | Weblog

 半導体メーカー大手のエルピーダ・メモリが会社更生法申請との報道。私は半導体業界とは何も関係ないが、学生時代の軽音楽サークルの先輩(一年生だった頃の四年生)だったHさんという人が執行役員をしているのと聞いていたので、経営危機が伝えられてから何となく気になってニュースを読んだりしていた。早くからこんな大企業のエライ人になっていたくらいだからすごい人のように思われるかもしれないが、私にとってのHさんは「ギタリストとしてすごい人」という位置づけで、身の回りであれだけギターが上手い人はほとんど見たことがない。で、学生時代にやっていたのが、スターリンに影響を受けたハードコア・パンクバンドで(白塗りのメイクで意味不明な極左的台詞を叫びまくるというスタイル)、よくあんなことやってた人が上場企業の経営者になるなあ、と大笑いしていたが、まあ、素敵な話ではある。

 やっていた音楽は過激だったが、普段のHさんは優しくて落ち着いた話の面白い人で、確か就職試験でNTTか何かを 受けてほとんど内定が決まりそうになっていたときに、
 「ところで、学生時代に力を入れたことは何ですか?」
 「音楽です」
 「ほう、どんな音楽ですか?」
 で、正直に”パンクです” って答えたらエライ人たちが一気にシーンとなっちゃってさ、結局落ちたんだよ、ははは。……というように、自分のこともネタにして笑えるような人だった。

 大学時代には”この人は音楽で食っていくつもりなんだろうか”と思わせるほどだったし、サラリーマンになってからも「仕事中にメロディーが思い浮かんだんで紙に落書きしてたら、先輩に怒られちゃってさ」などと言っていたのを覚えているので、ビジネス界で出世するような人にはとても見えなかった(失礼)。しかし、何か私の知らないそれなりの才能があったのだろう。重責を担う立場でこれから大変だろうと思うが、がんばっていただきたい。まあ、私の仕事は売上規模が一桁小さいような中小企業で、半導体を大量に仕入れたりすることはできないのであるが。


K.G.と略すらしい。

2012-02-21 23:36:47 | Weblog

 先週は関西方面へ二日ほど出張。その際、関西学院大学を初めて訪れ、話には聞いていたがあまりにもすばらしいキャンパスに驚嘆。まだ冬なので芝生も鮮やかではなく、また休暇中で学生の姿もほとんど見かけなかったので閑散としていたが、これが初夏の賑やかな時期になればもっといいだろう。比較的新しく建てられた建築物も、調和を乱さないように統一された意匠や色調になっていて、最近ありがちなウルトラ・モダンな超高層建築を主体とした大学とは完全に一線を画している。今から二十年以上前に読んだ橋本治の本に、「今の日本語教育にもっとも欠けているのは美文の訓練で、その結果どうなるかというと文章といえば企画書しか書けない人間ばかりになる」というようなことが書いてあってとても納得したのだが、その後の世の中は確かにその通りになってしまっている。建築も同様で、清潔で金持ちで最先端であればよいというセンスは、私にはもはや没趣味としか思えない。

 ところで私の名前をネットで検索すると、関西学院グリークラブOBという人が出てくる。名字はありふれているが下の名前はそれほどポピュラーでもないので、同姓同名の人が世の中に存在するというのは妙な気分である。 私と同じ名前の人間がこのキャンパスで学生時代を送っていたというのを想像すると、ちょっと楽しくなる。