日々思うこと

日々の暮らしの中で、心に留めた様々な思いを、書き込みます。

Sさんの家事援助

2008-02-08 00:16:24 | Weblog
 Sさんが脳血管障害で 半身不随になってから、もう5年は過ぎたと思う。
リハビリを終えて 一人暮らしが始まったころ 体の痛みと、心の痛みで
どうにもならない毎日を送っていたころの 出会いだった。


彼は痛みを忘るために 必死に 水彩画を描いていた。
その頃の彼の様子を 書いた詩を紹介します。


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(平成15年11月19日)

料理人だった私 こだわりの献立を

たくさんのお客さんの前で 腕を振るった あの頃が懐かしい。

振り返ったって戻らないのに

なぜか無性に恋しくなって

ぶつけるところが どこにもなくて

包丁から筆に とり替わった。



この花は私、 これは妻、 これは娘・・・と 書いてみた。


あの頃はこうして 肩を寄せ合って暮らしていたのに・・・
大切な人が一人 二人と 遠ざかった。


ひとりぼっちの部屋で 机に向かう。


長すぎる一日が、もどかしい動きのおかげで 
たっぷり楽しめる 自分だけの世界に入る。


今の私に何ができるのだろうか 生きている証は何だろうか?
神様はどうして私を選ばれたのか・・・教えてほしい。


自分を受け入れるまで まだまだ時間はかかりそうだが、
大事なものを失くした代わりに 大切なものも頂けた。

生命の不思議を魂で感じ、生かされている自分に気ずき
前向きに生きて行く 私。 見ててね!


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そのSさんは今障がいをもった人たちに 家庭で出来る料理を 指導している。
プロの隠し味など 教えていただき 料理のレパートリーが増えている。


体の痛みも 忘れるくらい毎日充実していると言う。
ところが自分のための食事は 作れないため ヘルパーさんにお世話になっている。


ヘルパーさんにとって とてもやりずらい お客様だが、彼の人柄で きっと
楽しいヘルプができるだろう。

綺麗好きで料理人。もし障がいがなかったら 出会うこともなかった人。

何事も 縁でつながって居るのですね。

ヘルパーさん 家事援助 よろしくね。