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JR北海道 キハ281系特急用気動車 「スーパー北斗」

2008-05-04 09:41:35 | 電車図鑑・JR新系列特急用車両
平成4年に札幌~函館間の高速化のために登場した特急用気動車である。
平成6年に量産車が登場し、「スーパー北斗」で営業を開始した。

カーブで車体を意図的に傾斜させ、遠心力を低下させて、カーブを高速で
通過させることが出来る振り子式台車を採用している。
振り子軸は、試作車ではコロ軸式を採用していたが、冬季の着雪時に不具合が
見つかったため、量産車では曲線ベアリングガイド式になった。
試作車も量産化の際に改造されている。
大出力のディーゼルエンジンを各車2台ずつ搭載している。
ブレーキは電気指令式空気ブレーキで機関ブレーキや排気ブレーキを使用して
制動距離を短くしている。
このエンジンのおかげで営業運転で最高130km/h、表定速度106.2km/h(スーパー北斗17号)と
JRの在来線特急最速を誇る。

車体はステンレス製で先頭車の前頭部は鋼鉄製である。
正面は貫通式で、運転室を迂回して正面に出られるようになっており、
立ちっぱなしにはなるが、最前部からの展望を楽しむことも出来る。
本来、このように運転台を高い位置に持ってくるのは重心を低くしなければならい、
振り子式の車両としては不向きであるが、踏切事故や動物との衝突に備えて、
敢えて、この構造を採用している。
この構造は後に登場する283系「スーパーおおぞら」、789系「スーパー白鳥」にも引き継がれている。

客用扉はプラグドアとなっており、高い気密性を保つことが出来る。
客室はグリーン車が1列-2列配置の回転リクライニングシートで、車体重心を
安定させるため、車内中央で配置が逆転する。
普通車は2列-2列配置の回転リクライニングシートである。車椅子スペースのみ
一人掛けが存在する。
デッキ客室側出入口の上部にはLEDスクロール式旅客案内が各車に設置されている。
車内放送には自動放送装置をJR北海道の車両として初めて採用した。これは列車遅れによる
接続駅の変更にも対応できる優れもので、後に登場するJR北海道の車両の
標準装備になった。

本形式は以下の車両によって構成されている。

キハ281形・・・運転台付の先頭車。試作車は900番台で正面貫通扉の窓が小さい。
         偶数車が札幌向き、奇数車が函館向きとなる。
         トイレ・洗面所付き。普通車。
キハ280形・・・中間車でトイレがない。普通車。試作車は900番台、量産車は100番台。
キハ281形・・・中間車で車椅子対応。トイレ(車椅子対応と男子小用)、洗面所、
         カード式電話を備える。試作車は無。普通車。
キロ280形・・・中間車でグリーン車。トイレ、洗面所、車掌室、車内販売準備室がある。

特急「スーパー北斗」ではこれらを7連を基本に編成を組むが、需要に合わせて
自在な組み換えが可能である。
また、後継のキハ283系との連結も可能であり、多客時や本形式の検査時には
しばしば見られる。
平成12年から、氷柱による側面窓の破損防止のため、ポリカーボネイト製のカバーを取り付けたほか、
平成15年より重要部品取替工事を開始しており、ヘッドマークや側面行き先表示機の
清掃、客室案内表示の更新、ヘッドライトのHID化、普通車のモケット張替えなどを行っている。
走行機関についても排気ガス対策を施したものに交換している。

運用は「スーパー北斗」5往復と、その入庫列車を利用した札幌発手稲行きの
「ホームライナー」片道1本である。


キハ281-901。試作車。正面の窓が小さい。

◇特急「スーパー北斗」DATE

・運転区間=札幌~函館間

・編成=函館側から1号車、2号車・・・7号車(所定)

・車内設備=1~5号車は座席指定。3号車はグリーン車。6・7号車は自由席。
       全車禁煙。3号車にカード式電話、5号車に車椅子スペース。

・停車駅=札幌・新札幌・南千歳・苫小牧・登別・東室蘭・伊達紋別・洞爺・長万部・八雲・
      森・大沼公園・五稜郭・函館