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宮沢元首相死去から一夜

2007年06月29日 11時52分36秒 | 政治・社会
戦後の生き証人、ハト派の論客、55年体制の幕を引いたといろいろな形容詞が冠せられる宮沢喜一元首相の死去から一夜明けたが、国会は年金時効撤廃法案が委員会で強行採決され、公務員制度改革は委員会での採決はあきらめたものの本会議での採決をおこなうのだとか。

社保庁法案と年金時効撤廃法案あす成立 参院委で可決(yahoo!ニュース 6月28日21時29分配信 産経新聞)
=== 備忘録(引用)===
 国会は28日、参院厚生労働委員会で、社会保険庁改革関連法案と年金時効撤廃特例法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。29日の参院本会議で可決、成立する見通し。これに反発する野党3党は28日夜の幹事長会談で、内閣不信任決議案の提出を決めた。与党は、天下り規制を強化する公務員制度改革関連法案についても29日に、委員会審議を打ち切って本会議で採決する「中間報告」の動議を提出し可決、成立させる方針だ。
 参院厚労委は前日に続き社保庁改革法案などの審議を行った。与党は審議は十分として理事会で採決を提案。しかし、野党は年金記録紛失問題への政府の対応が不十分だとして反対した。このため、与党は採決に踏み切り、野党委員の反発の中で可決した。
 また、公務員制度改革関連法案を審議する参院内閣委は6時間の審議を行い、審議時間は計29時間となった。与党は審議時間が採決の目安となる30時間に近づいたとして採決を提案したが、藤原正司委員長(民主党)は応じず採決日程を決めなかった。このため与党は29日の本会議で中間報告に持ち込み、成立を図る構えだ。
 これに対し、民主、社民、国民新の野党3党は28日夜の幹事長会談で、29日に社保庁改革関連法案の参院本会議採決を前に、内閣不信任決議案を提出することで合意。参院では安倍晋三首相や柳沢伯夫厚生労働相の問責決議案、鶴保庸介参院厚生労働委員長らの解任決議案を提出することも検討している。共産党も同調する見通し。
 一方、参院政治倫理・選挙制度特別委員会も28日、政治資金規正法の与党改正案を採決し、自民、公明両党の賛成多数で可決した。29日の本会議で可決、成立する見通し。民主党案は否決された。
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これほどまでに強引な採決を山ほど繰り出した国会を見たことがないが、それについて故宮沢元首相は危惧の念を抱いていたのだという。

「歴史観欠ける乱暴な政治」=宮沢元首相が安倍政権危惧-河野議長(yahoo!ニュース 6月28日21時1分配信 時事通信)
=== 備忘録(引用)===
 河野洋平衆院議長は28日、宮沢喜一元首相について「保守の護憲派で、最近のように、歴史観に欠ける乱暴な政治の振る舞いに対して、非常に強い危惧(きぐ)の念を持っていた。こういう人が亡くなると、今の政治の潮流の中で、将来が少し心配になる気がしている」と述べた。宮沢氏の言葉を借りて、名指しを避けながらも、憲法改正を目指す安倍晋三首相や首相支持のタカ派勢力を批判したものだ。議長公邸で記者団に語った。
 また、河野氏は元首相について「サンフランシスコ講和条約の全権団のただ1人の生き残りで、そこを原点に戦後の日本はやっていかなくてはいけないと言っていた」と紹介。「戦後レジームからの脱却」を掲げる首相に暗に注文を付けたとみられる。
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敗戦後、国際社会への復帰を果たすための条件を整えるために行われてきたことを、戦勝国の押し付けだと非難する声もあるが、負けた側があれこれ言えるものなのかどうか。
先の大戦の反省の上に立って戦勝国側の仲間に入れてもらったことから始まる戦後レジームから脱却するということは、これまでの安倍首相の言動からすると自虐史観を捨てて先の大戦は正義の戦いだったのだとし、負けたわけではないという認識の下でこれからの国家間の関係を築いてゆこうということのように聞こえてくる。

敗戦を終戦と言い換えてきたこの国の主導者たちは、現行憲法を国民にではなく自分たちに押し付けられたとものだと感じてきたのだろう。
世襲でこの国の政権を握ってきたひとたちには、個人の集合体が国家なんだという意識はないんでしょう。国家があって、そこに住まわせてやっているぐらいの気持ちで、その国家を動かすのは天から選ばれた家系にあるエリートの自分たち以外にないと考えているとしか思えない。

そうでなければ、今国会での強引な採決の連続を行えるわけがない。

国民の代表で構成される議会をこれほどまでに軽視するというのは、国民の意思を軽視しているということに他ならない。

そんなことを、宮沢元首相の訃報を聞いてから考えていた。



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