みやっちBlog

ライター「宮下アツシ」の頭の中をlogする「みやっちBlog」

ニート・フリーターを格差社会批判回避のスケープゴートに仕立てる小泉首相

2006年02月05日 12時21分19秒 | 政治・社会
先の衆院選で小泉自民党の大幅議席増となった最大の功労者であるニート・フリーターに対し「待ち組」というレッテルを貼って、格差拡大は怠けて働かない彼らが原因だと公言し始めた小泉内閣。

反省すべきは「待ち組」…首相、猪口少子化相ら造語で(yahoo!ニュース 読売新聞)

「格差は悪いことではない」という答弁に低所得者、いわゆる負け組からの非難が大きく、特に身障者を始めとする社会的弱者を切り捨てるのかと突き上げられたことでの対応なのだろう。猪口大臣が、「『負け組』は立派だ。その人たちは戦ったのだから。本当に反省すべきは『待ち組』だ」と記者会見でコメントしたことは、弱者を持ち上げ悪いのはニート・フリーターだとして弱者の怒りを静めようというメッセージだと受け取ったが違うだろうか。

しかし、最近の補助金や助成金の状況をみると、ニート・フリーターへの教育や職業訓練といった支援活動の割合が増えている。ITやベンチャーに対する支援がひと段落し社会的な問題も引き起こしている中で次なる利権はニート・フリーター対策にあると、新たな利権を得るためなのか自民党の若手議員が、「若者を応援する若手議員の会」を発足させている。会長は西村康稔衆院議員。

リストラされる上の世代を見、次々に潰れる会社を見て、年金制度の先行きに不安を感じていれば正社員であることにメリットを感じられるわけがない。となれば、バイトや派遣といった非正規雇用を選ぶのが必然。そもそも、リストラを推進させ大胆な首きりや生産工場の海外移転を促したのは小泉-竹中の経済政策だったはず。非正規雇用による人件費抑制のために人材派遣業を優遇してきたし、見せ掛けの経済成長のために株価を引き上げようとITベンチャーを優遇、新興市場をユルユルにしてきたのも小泉-竹中路線。
そうした経済政策の中で増えたのがニート・フリーターであるにもかかわらず、そのニート・フリーターを悪者に仕立て上げ、その対策に税金を投入して新たな利権構造を作ろうというのは盗人猛々しいにもほどがある。

株取引だけの経済成長ではなく、モノつくりをはじめとした実体のある経済活動による経済回復がなれば、人材不足が顕在化してきて必然的にニート・フリーターの正規雇用が進んでくる可能性は高い。つまり、実体経済を回復させることに視点を置いた政策をとることこそがニート・フリーター対策だと思うのだが。
ただし、ニートの中には精神的に社会生活を営めなくなっている人もいるわけで、そうした人へのカウンセリングを始めとした対策も必要だろう。

それにしても、形勢が悪くなると抵抗勢力を作り上げて改革を進めるのは自分だと宣伝する手法が今回も通用すると考えているようだ。


↓いろんな意見を知るのに助かってます


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
如水の如き社会 (みなみな)
2006-02-05 13:34:01
二分法の分かりやすさ

選択肢の少なさの

効用の大きさ。



提示されるがわから

臨まれているわけでもない



ブログのような

コミュニケーションツールに

ある種の緊張感を期待しています



返信する

コメントを投稿