雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

はや一ヶ月・・・

2024-02-01 19:17:06 | 日々これ好日

      『 はや一ヶ月・・・ 』

     能登半島地震から 一ヶ月
     あっという間の 一ヶ月だったのか
     長い長い一ヶ月だったのか・・・
     ただ 復旧への道は 多くの地域で
     その道筋さえ 立っていないように見える
     そうした折に 国会では 
     議員の不祥事に 熱くなっているが
     実に 腹立たしい
     議員の不祥事は 国会の外で 自分たちの経費で
     思う存分 討議をして欲しい
     国会は 立法・行政の舞台であって
     行儀の悪い議員を 責めたり教育するのを
     主目的にしているのではない と思う

                  ☆☆☆
 
     

    

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花山院の二人の皇子 ・ 望月の宴 ( 101 )

2024-02-01 07:59:50 | 望月の宴 ③

     『 花山院の二人の皇子 ・ 望月の宴 ( 101 ) 』


花山院は、ご自分の皇子たちをたいそう可愛がられていて、中務(ナカツカサ・花山院の乳母の娘。歌人として著名な中務とは別人。)が生んだ一の宮(清仁親王)と、中務の娘が生んだ二の宮(昭登親王)を、殿(道長)にお頼みになって、「この宮たちを冷泉院の皇子のなかに入れてくれないか」との申し出の使者を何度もお遣わしになられる。
殿は、「ああ、格別にお気に懸けられているからこそ、このようにお申し出になるのだろう。法皇でいらっしゃるとて、わが子を可愛くお思いにならない事などありますまい。自分としても不都合な事などない。ご意向に従わないわけにはいくまい」とお思いになり、「承知致しました。いずれ、事の次第を奏上させていただきまして」と、お申し上げになった。

花山院は、冷泉院の第一皇子であり、今の東宮(居貞親王)は第二皇子、故弾正宮(為尊親王。1002 年没。)は第三皇子、今の帥宮(敦道親王)は第四皇子であられる。
されば、殿は参内なさって、事の次第を奏上なさり、吉日を選んで宣旨をお下しになる。
親(中務)の方の御子を第五皇子、娘の方の御子を第六皇子として、それぞれの宮が普通の親王たちと同等の御封(ミブ・親王の食封。品位により差があるが、二人はまだ無品なので御封は無いはず。二人が四品に叙されるのは七年ほど後のこと。)などを拝領なさる。

諸国に命じて、御封を分担させる旨の宣旨を下された由を、殿より花山院にお申し上げになると、院は何かにぶつかるほどにお喜びになり、御使者には、あれもこれもと身体が埋もれてしまうほどに御禄をお与えになられる。
御使者が帰参して、殿とお会いになると、「何とそなたは幸せ者か。たいそう多くの物を頂戴したものだ」と言ってお笑いになられた。

こうした事などがあって時が過ぎて行き、月日もあっという間に過ぎて暮れていったのを、殿は、残念ながら御嶽精進(ミタケショウジン・御嶽詣のことらしい)を今年は始めることが出来なかった、とお思いになり、されど来年になれば、とお思いになるのであった。

さて、三月頃のこと、花山院は、五の宮、六の宮(前述の清仁・昭登親王)を楽しませようとて、鶏合(トリアワセ・闘鶏)をおさせになってお見せ申し上げる。
院は、親の方が生んだ五の宮をたいそう可愛がられていて、娘が生んだ六の宮を格別にお気に懸けていらっしゃる。
そうしているうちに、京中の童たちを二組に組み分けして、思い思いに大騒ぎして応援し、都の外にまで出掛けて挑み合い大騒ぎしたのである。
このような派手な行いのあれこれを殿は耳になさって、目立たないように控えめになさるのがよいのに、さて、どうであろうかと噂を気になさっていらっしゃるが、院の内の有様、取り決めになった事などは、まことに大掛かりな物であった。

その当日になると、左方・右方それぞれに楽屋を造って、さまざまな音楽や舞などを準備なさった。
殿の君達(公達)にもお越しになるよう案内があったので、皆参上なさる。然るべき殿方たちも参上なさり、いよいよ本番となった時、鶏合の左方の五の宮側は続けさまに負け、右方の六の宮側ばかりが勝つので、花山院はやたら腹立たしくなり、不快なお気持ちになられて、すっかり不機嫌になり、周囲の方々は心中おかしく思いながら見物なさっていた。
院は、始終ご機嫌悪く、格別の感激も無い成り行きになってしまった。まことに、滑稽なことではあった。

     ☆   ☆   ☆

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