
日本の人口の25%が65歳以上。4人に1人がシルバーエイジ。おじちゃんとて予備軍だ。
▼社団法人・全国有料老人ホーム協会が毎年「敬老の日」に合わせて募ってきたシルバー川柳です。
〈あちこちの骨が鳴るなり古希古希と〉
〈年をとり美人薄命うそと知る〉
寄る年波を笑いにくるんでポイしたりする「シルバー川柳」で、しばしお楽しみを
▼女性のほうが何かと若い。
〈夫より三歩前行く老後かな〉
若く見せたい見られたい。
〈化粧品リフォーム詐欺と妻は言う〉
夫の独り言はこう続く。
〈化粧する昔話も化粧する〉
▼病院で
〈昼寝して『夜眠れぬ』と医者に言い〉
長寿ニッポンは次のような光景も生む
〈長寿者に『ひけつ』なにかと医者が聞き〉
答えていわく
〈老木は枯れたふりして新芽出し〉
▼ 家庭で
〈来てやった貰(もら)ってやったで五十年〉
〈五十年かかって鍋と蓋(ふた)が合う>
振り返れば
〈それあれで通じるまでの幾(いく)山河〉
〈あれはそこそれはあそこにちゃんとある〉
そうかと思えば
〈メモ帳のしまい場所にもメモが要る〉
〈孫優しさっきも聞いたと言い出さず〉
▼出かけた先では、たとえば
〈お辞儀して共によろけるクラス会〉
でも、会話は弾んで
〈八(や)十(そ)路(じ)越え大器晩成まだ成らず〉
と意気盛ん。100歳以上は全国で4万人を超えた。超長寿社会はこういう光景も生むかもしれない。
おじちゃんが一番気に入ったのは次の句です
■〈その昔恐竜見たかと問う曾孫〉
■厚化粧笑う亭主は薄毛症
■九十を過ぎても気にする中国産
■あの世ではお友達よと妻が言い
■この墓も入居間近とよく磨く
■その昔惚れた顔かと?目をこすり
■一日は長くて一年矢の如し
■年金を親子でもらう家が増え
■老体に耐震補強か杖一本
■この動悸昔は恋で今病
■共白髪まっぴらごめんと妻茶髪
■おれおれと名のって妻にすぐ切られ
■通帳の シミかよ何と 預金利子
■デジカメは どんな亀かと 祖母が訊く
■墓参り 『下見ですか?』と 尋ねられ
■誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ
■愛してる それが今では 息してる?
■婆さんも 性別欄は まだ女
そこでおじちゃんも一句
「アレ、コレと 代名詞だけで 会話する」
「初恋に 出会った夢覚め トイレ行く」
「可愛いと思っていた人 孫五人」