この道の果てまで・・・

ただ純粋に ただ一途に歩む時
突如として それまでとは まったく違う
次元の異なる大地が あなたの目の前に姿を現す。

★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 261★

2007-05-21 14:14:36 | Weblog


この講座は
あなたを重力から
解放してあげられます。

さまざまな足枷や重りを
全て取り外し 楽々と歩く事の出来る道を
様々な角度から見つめ 照らし出します。


どうぞ どなたでも
御自由に参加してみて下さい。
そして あなただけの道を探し当てて下さいね^^










◇ 人間物語 の メール講座   NO21 ◇




「もう,このまま歩いて行ける」と
彼は ここでピッタリと 立ち止まってしまった。

まだ ほんの わずかを理解できた程度なのに
余りの嬉しさに
彼は 全てが終ったかの様に
感じてしまっていた。

すべてを理解してしまったかの様に
思えて しまっていたら
人は ただ生意気になって行くばかりなのに 
彼は それを知らない。

その頃の彼が 気づかなければいけない
重大な事が まだ ひとつ残っていたのに
それに 彼は まだ気づいていなかった。

彼は 奥さんに それまでの彼の
イメージの中での
母親に対する感覚と
同じ様な 接し方をしている事までは
気づいていなかった。

彼の母は 彼の幼い頃に 
亡くなってしまっている。

その後
彼はそのお母さんを
表面的には 聖域としていたが
気持の奥の方では 母を憎んでいた。

それは 彼を1人残して 逝ったこと
自分に悲しみを与えた事に対しての
憎しみだった。

それは 母の心情を理解する事で消えた。
その遠い昔の 母に対する憎しみは
この時点で消えたが
その憎しみが まだ有ったうちから
彼と奥さんとの 結婚生活は 始まっている。

彼は 奥さんに対して
まるっきり 
母に対する感覚と同じ接し方を
無意識にしてしまっていた。

それ以外に 異性に対する接し方を
彼は 知らない。

そして 
それは自動的に出てくる
彼の過去に動かされた接し方だ。

相手に 逃げられたくないから
表面的には 大事に扱い
大事に扱えば おのずと不満が溜まってくる。

その 不満を 押し殺しては
また 大事に扱う。

裸で 接し合ってはいない
いつも 作った自分で 接する彼は
それだけで 疲れてしまい

自分が 勝手に
好きでそういった
接し方をしているのにも 拘わらず

誰もそんな風にしてくれと
頼んだ人などいないのに
その疲れさせる相手である妻を
心の底で憎み出していた。

そしてその憎しみが 
頂点に達して
相手に ぶつける訳にもいかず

そんな 自分に嫌気がさし 逃げる為に
そんな 自分を 誤まかす為に
彼は またもや仕事に夢中に
なる事によって
それを紛らわしていた。

相も変らず 彼はワンパターンだった。




そして 
もうひとつの事実は
彼は この時点で ようやく
乳離れをはじめていた。

彼が母の心情を理解出来る以前の
彼の歩き方で有った
憎しみを胸に抱きかかえたままでの歩みや

その憎しみを紛らわせる為の
一切の関係は
この地点で全部 崩れ落ちてしまう。

その
関係を依然と保ち続ける為には
その関係の相手の成長が無ければ まず不可能だ。

何故なら 
彼は乳離れをしている
もう乳は いらないからだ。

今度
彼が 欲しがり出すのは
御飯の方だからだ。


そして 
この成長課程を歩むと
今までの 夫婦 親子 恋人という関係の 
あらゆる関係は
持ち堪えられなくなる。

それは 
新しい関係を求め出す。

もしも この関係を永続させたいのなら
互いの 相互の成長が 必要になる。
それさえあれば その関係自体までもが
成長を起こす事になる。

同じ者のみに出逢いは起こる
似た者同士のみ 出逢える。

片方が 胸の中に僧しみを
持ち歩いて生きていれば その人に
出逢える可能性を 持った人は
同じく胸の中に憎しみを
持ち歩いている人間だ。
その苦しさが 解かる 
その痛みが 解かる
そこに 出逢いが起る。

だが 片方の胸から
その憎しみの質が 消え去ってしまったら
その関係は 崩れ去る。

もう 解かってもらう 必要など
無くなってしまった。

この関係を永続する為には
もう片方の成長が 必要だ。

もう片方の 胸の中の憎しみが
消え去る事が 必要だ。
それを おいて他に道はない。

何故なら
自分に必要と無くなった事は
相手にも求めないし
自分が求めない事は
相手にも 与えられなくなって
しまうからだ。

もし 与えられても
それは 真実味を 欠いてしまい
型だけのものになってしまい
あげていないのと同じ事になってしまう。

だから
あなた達の愛は 
出逢いは
すべて 似た者同士の上にのみ 可能となる

一見 そうは見えないかも知れないが
それは 陰と陽の違いに すぎない。

あなた自身が 
本当に必要としているものを
あなたは あなたと似た思いを
持っている人に 与える事が出来る
その相手も それを必要としていたから受けとれる。

そこに あなた達の言う「愛」は 起こる。
そしてその相手も
自分が 本当に必要としていたものを
あなたも 必要としているだろうと感じ
同じものを与える事が出来る。

互いに与えあう事によってのみ
男女の愛は 成立する。

だから その関係を 続ける為には
片方が 成長したなら
必ず もう片方も
成長しなければ
崩れてしまう事になる。

だが 
これらを 恐がっていたのでは
あなたの一生は
妥協だらけに 成ったまま
真の喜びも 味わえずに
終る事に成ってしまう。

それに
この成長のない関係は
やがて終る。

そんな愛は 
どうせ 持ち堪えられない。

だから
あなたは妥協したまま
終ってしまっている 愛を
さも 続いているかの様に 
型だけを 演じ続ける。

これは 極悪以外の
何者でも無い。

世の多くの夫婦が 
離婚か 妥協を選ぶしかなく
まるで それが 夫婦の真実みたいに
受け止められてしまっている
本当の原因は ここに有る。



そして 男性は わりとたやすく
1人という感覚を
受け入れる事が 可能であるが
女性は それを受け入れづらい。

そこで 男性だけが
先に 成長してしまった場合
女性は それに連られて
成長する様に 引っぱられる。

それは 時間は 
かかりはするが
必ず女性は 後に続いてくる。

何故なら 
女性は 関係を重視しながら
成長するからだ。



ところが
女性が 先に 成長した場合 
男性は 後に続かない。成長してくれない。

何故なら
男性は 関係を 軽視するからだ。
常に 1人で歩き続けている。

だから
男性が成長してくれないと
女性はその関係を重視するが為に
折角の 内面成長を死なせていってしまうと言う事が起こる。

どんどんと 
関係の中に入り込んで行き
その成長を 台無しにしてしまう。

その逆に
男性は 成長を死なせる事など出来ない。
1人で どんどん広げて行ってしまうから
後から女性は
続かざるをえなくなってしまう。

そして 
やはり二人共々に
成長に至った場合は
同時に 関係も
より深い 親密なものとなり
成長に次ぐ成長が 起こり始める。
それは 途方も無い成長がもたらされてしまう・・・。




それでは 今日のメール講座は 
これで終わりにしたいと思います。 
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 










★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 260★

2007-05-20 09:42:12 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO20 ◇






そして
続けざまに
父の事への 発見が出来た。

彼は 考えた。
もし 自分が 妻の気持ちに
気づかないで

いつも 仕事の事だけ考える
以前の 男のまま
自分の妻が 死んで行く事になったら
どうだったろう・・・と。

父の心情は
まさしく
そう考えた時の自分の心情
そのものだった。

そして
彼は 小学生の頃
酒に酔った父が
よく口にしていた言葉を 思い出した。

「 父ちゃんは お前達が居なかったら
あの時 母ちゃんと一緒に
死んでいた 」


彼の父は 母が生きている当時は
仕事は 一生懸命であったし 

お酒も それほど飲まなかった。
すべてが狂い出したのは
彼の 母が死んだ後だ。



彼の父親は
母親に 苦労を掛けっぱなしで
29才と言う 若さで 
死なせてしまった事を・・・。

自分が 何もして上げられなかった事を
幸福に出来ない内に
死なせてしまった事を 悔いて
それ以来
変ってしまったのだった。

もし 自分が 同じ立場に立たされたら
その時の気持も
第一歩目を越えた彼には
理解できる・・・。

自分も 同様の事をしていた。


すると
彼が 今まで
父に対して 抱いていた恨みが
ガラガラと
音を立てて 崩れ始めた。



そして
憎しみの 思い出しか 無かった
過去の中に
父の本当の姿が 現れ出て来た。

それは 彼が まだ
孤児院に預けられる前の頃だった。

丁度
母の亡くなった直後の 父の姿だ。

彼の父は 
母の遺骨を
納骨までの間

毎晩の様に  
仕事から 帰えると
骨壷の蓋を 開けては
母の骨を取り出し

自分の 頬に当てて
涙を 流している 父親の姿が
幼い彼の目に 焼きついていた・・・。

父は こんなに母を愛していた。
母が死んだ時に 本当に辛かったのは
父だった。


それは 父への憎しみによって
掻き消されていて

今日の 今日まで 
思い出すことの出来なかった
大切な記憶だった。 

彼は思った

「 俺なんかの 何十倍も
父の方が辛かったんだ。

小学生の頃に 酒飲みの戯言が
又 始まった位にしか
聞いていなかった 
“お前達が居なければ お母ちゃんと一緒に
お父ちゃんは死んでいた“と言う 
あの父の言葉は 本当の事だった。
父は真実を言い続けていたんだ・・・。
俺は 何ひとつとして 解ってなんか
いなかったんだ 」

彼は 自分が憎らしくて 僧らしくて
仕方がなかった。

何も 真実を知らず
父の事を憎しみ続けた
21年間の馬鹿な自分に対して・・・。

そして
この時 生まれて初めて
父と母に 出逢う事が 出来た様な気がした。



この世に たった1人しか 居ない父
そして 母との 気持ちの繋がりを断って歩いてきた 
自分の 馬鹿さ加減。

自分を 生み落してくれた 両親との
意識の 繋がりを 断ってしまえば
自分は 無い。

そして
そこを愛していない人間に
人を 愛する事など 不可能であるし
第一 父や母を心の中で
嫌って歩いている自分自身を
自分は知っている。
そのままでは
そんな自分を愛する事さえも出来ない。

自分ですら
愛したくもない自分の事を
他の人が 愛してくれないと言っては
傷ついたり 腹を立てたりしながら
生きて来た 今日までの日々が
いかに不可能な事を
してきたかと言う事に
彼は気づいた。
彼は 理解した。

この事実に気づかなければ
不幸は 必ず起こる。

彼も又
彼の父親と同じ運命の上を
歩いた事だろう。

普通 世間の人達は
嫌な 父親を見ると
それとは 逆に成ろうとする
それが どんどん父親と
同じ道の上を
歩いて行っている事には 気づかない。

何故なら
彼の父親も 父親を憎んでいた。
彼の父親は 私生児だった。

自分を捨てた父親を憎んで生きた。
絶対に そんな人間に成るまいとして
そうして 歩けば 歩くほど


型は重視するが
細やかな気持が 見えない人間になって
いってしまう。

彼が 妻に対していた時と同じだ
彼は 彼の父が
父を憎んで その反対に
歩き始めていたのを 見ていたら
また 道も変ったろう。

だが 彼はそんな事は 知らない。
自分だけは そうなっては
いないと思って 歩く。

その為
世の中に悲劇は 起り続ける
繰り返される。
何十回と 何百回となく
これが カルマ(業・過去からの流れ)だ。

それは
自分の 生まれ出た 両親に
心底から 近づければ 近づけるほど
その分 カルマも小さくなる。

その人達と
真に一体と成れたら
その時こそ あなたは 
その流れを越えている・・・。



この二つ目の段階に気づいた その夜
彼は いつまでも眠れなかった
彼は ベッドに入って横になると
涙が 溢れて溢れて止まらなかった。

それは 丁度 溢れ出て来ると言った 表現が 
ピッタリだった。
決して悲しい訳では 無かった。

「 父の生きている内に 気づけて良かった
もしも 父が 死んでしまっていたら
この気持を伝える事が出来なかった。お酒が好きだったからと
云って お墓に お酒をかけて上げた所で そんなことでは
何も伝えられないし 何の慰めにもならない。
今 気づく事ができて 本当に 良かった・・・。 」

彼は 父に電話をした
どうしても その気持を伝えたかったからだ。

最初は 彼の父も驚いてしまい
どこか 身体の具合でも悪いのか
それとも 頭が変になってしまったのかと思った位いだ。

だが
彼が 事細かに話して行くと
彼の 記憶が余りにも正確なので
父親は 喜んだ。


そして・・・

「 お前達に 恨まれていたのは知っていた
でも 父ちゃんは 恨まれても
仕方のない事をして来たから 当然だと思っていた。
でも お前が そんな事にまで
気が付いてくれたのが 嬉しい。
父ちゃんの事なんて 良いから
もっと 母ちゃんの事を 解かって遣ってくれ
お前の 母ちゃんは とっても優しかったんだ 」

と 言って泣いていた。
それを聞いて 彼も泣いた。


やはり 彼の思った通りに
父は 母を誰よりも愛していたからだった。

彼自身が 今日まで
長い年月 苦しみ こだわって来た
全ての事が 
この段階で 
殆ど解決されてしまっていた。



彼は 二つ目の段階を理解した。


この段階までで
現在社会の中に生きている
あなたの 問題の原因と 結果の
理解が 可能だ。



だが
これでも まだ
歩き出したばかりの ヒヨコで
あなたは 生まれ出てはいない。

それは 三段階目を越え
四段階目を 越えた時に ようやく起る
そこまでは
満足してしまっては 駄目だ。

けれども
彼は ここでピッタリと
立ち止まってしまった。

何故か
彼は 満足してしまったからだ。




今日のメール講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。 













★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 259★

2007-05-19 08:03:31 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO19 ◇





そして
この日 彼は 母の本当の お葬式をした
それは 彼の 心の中の お葬式だった。

実際の 母の お葬式は21年も前だったのに
この日 26才で彼は 
母の 本当の お葬式をした。

その彼の
胸の奥底に蘇えった 
彼の母が息を引きとる直前の心情・・・。



これは蘇えってきた
彼の母の亡くなる直前の記憶の中で
母側の気持ちに立って
幼い彼の姿が見えて来た時に 
初めて感じる事の出来る 母の本当の想い・・・。

なぜなら 母側に立てなければ
幼い彼の姿は まったく見えては来ないから・・・。

彼の記憶のままであれば 母の姿が見えてしまうのだ。
亡くなる直前に見えていたであろう 母の視覚を探す事こそ
母の心情を見つけ出すための最大のヒントだ・・・。

その母に見えていた視覚を ただ黙って見つめ続けていると
突然の様に 魂しいが揺さぶられるほどの切なさを伴った
遥か21年前に母の残していった心情に巡り合える・・・。
あなたのハートの中で まるでタイムスリップでもするかの様に
過去が 活き活きとした現在となり蘇える。

その時の母の心情に波長が合い
自然に母の心情は浮かび上がって来てしまう。
 
そして自然に胸の中に
立ち昇ってくる気持ちに正直になりながら
悲しみに翻弄されないようにして書き続けたものが
この文章だよ・・・。

彼は流れ出る涙を 拭こうともしないで
子供の様に泣きじゃくりながら
ただ ひたすらに書き続けていた・・・。




「 たかし もっと こっちに いらっしゃい
どうしたの? そんなに 悲しい顔して
たかしは もっと強い子でしょ・・・?
そんなに 泣いちゃだめ。

もっと 傍にいらっしゃい
こんなに 泣いて
母さんは とっても悪い母さんだね
お願いだから たかし
もう泣かないで。

母さんまで 悲しくなるもの
母さん もっともっと
お前達のことを 愛していれば良かった
こんな事に 成るのを 知っていたら
もっと たかしの事
いっぱい 可愛がってあげていれば良かった。

こんなに ちっちゃい手 かわいい手
父さんに ソックリな顔

たかしの もっと 大きな手
父さんの手 みたいに 大きい手

母さんも 負けちゃいそうな
大きい手になるまで
生きたい・・・。

ごめんね たかし
母さん 許してね。

たかしは 甘えん坊さんだから
余計に 辛いわよね。

母さん たかしが お嫁さん貰うまでなんて
贅沢な事 言わない。

せめて 小学校に上がるまでで 良い
母さん 生きたい・・・。

まだ 何もして あげていないものね。
たかし こっちを向いて
母さんを見て。

母さんの お願い聞いて
お願い たかし。

これからは 父さんに
甘えて ばかりじゃなくて
言う事を 聞いて
父さんを 困らせちゃ 駄目よ。

たかしは おりこうさんだから
わかるわね。

とっても 我侭なところの有る たかしだから
人に迷惑をかける人に成っちゃ駄目よ。
みんなに 好かれる子に成ってね。

そして
母さんの事 忘れないで。

たかしの事を 
とっても 好きで 好きで堪らない
母さんの事 忘れないで。
たまには 思い出してね・・・。

兄弟 仲良くするのよ
2番目のお兄ちゃんだってこと
忘れちゃ駄目。

たかし
母さん 死にたくない・・・。
お前達を 残して死ぬなんて嫌。

もっと もっと 生きたい。
ずうっと お前達の 傍に 居たい・・・。


たかしは
どんな お嫁さんを 貰うんだろうね?

母さん みたいに
早く 死んじゃう人じゃ駄目よ。
丈夫な人を もらいなさい。

こんな事言っても
まだ 今の たかしには
わからないわよね。

たかし 母さんの手 握って 頂戴。
ちっちゃな 可愛い手
いっぱい抱きしめて上げたい。

それが 母さんの 最後にしておきたいことよ 」



彼が この母の 
心情を理解できた時
彼は 母の「死」 以来
口にする事を忘れていた 母を呼んだ。

彼は 心の底から母を呼んだ。
「 母さん 」と 彼は 何度も 何度も 呟いていた・・・。

彼が 1番 辛い思いをして来たと
思っていたが

自分以上に 辛い思いをし
死んでも 死に切れていない

母の辛さを 
苦しさを 
悲しさを
彼の 体全体で感じ取り
理解した。

そして 
自らの 苦しさの 
辛さの 悲しさの中に有っても 

なおも 
自分達の 事を
思いながら死んでいった
母の愛を理解できた時に 初めて
彼は 母の死を認める事が出来た・・・。

頭では無く 身体全体で
ハートで 理解し 認める事が出来た。


それ以来
彼は 母と常に
繋がっている様な感じがすると言う。

更に 
母の死は 彼の中で辛いものでは
無くなってしまった。

いつでも 振り返ることの出来る
懐かしい思い出に変わってしまった。
母からの愛情の確認が出来る
むしろ 嬉しい思い出に成ってしまっていた。


真の理解は 
あなたに 必ずや
素敵な贈り物をもたらしてくれる。 





これに
気づいて以来 
彼は母の墓参りに
いつも丸ごとのハートのままで
行ける様に成れたと言う。




今日のメール講座は 
これで終わりにしたいと思います。 
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 










★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 258★

2007-05-18 14:12:34 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO18 ◇






例えば
催眠療法と言うのがある
それは あなたの顕在意識を眠らせ
潜在意識である 無意識層の中で
あなたが 気づかない内に
こだわってしまっているものを
探し出し
それから あなたを 解放するという事が
行なわれているし。

アーサーヤノフの創始した
原初療法という心理療法は
幼児期に受けた 何らかの心理的衝撃が
無意識の記憶としてとどまり
後年 心理的な歪みを生むという。

それを取り除く為
幼児期の原初の体験に戻って
自己を抑圧している
心理的傷からの解放をはかる。

もう終ってしまった過去に
囚われているなんて 馬鹿馬鹿しいと
あなたは言うかも知れないけれど

実際
多くの人達が 
この終ってしまった過去を 潜在意識の中に
無意識な記憶として とどめ
それに基づいて 行動している。
それが
抑え様のない 怒りであったり
どうする事もできない淋しさであったり
性に対する深い欲求で あったりと・・・。

現在のあなたに 大きな影響を与えてしまう。
私の元で この成長過程を目指す多くの人も
100% 過去を 引きずって歩いている。

そして
100%の人が 父や母に
なんらかの 憎しみを抱いていた。

怒り 憎しみと言った
あらゆる感情の対象物 
それは 両親だ。

誰もが
一番 最初の出逢いをする
両親が元だ。
愛の対象の大元が両親だからだ。

そこに対しての
悪感情が 少なければ少ないほど
そこからの心理的打撃が
少なければ 少ないほど
人は 生に対して
歪みも少なくなるし
その逆なら
歪みも大きい。

だから
親というのは 重要な役割を持っている。

そして 現在のあなたが あるのは
過去によって 型成されている。
その歪みを 落とさなければ
あなたの未来は 過去のくり返しだ。

それ以外は 歩ける訳がない。
それが あなたが歩けない
大きな原因のひとつだ。

形の上では 
違った事をやるかも知れないが
その行動の根底に流れる
ひとつの流れは 
絶対に 変えられない。

あなたが それに気づかなければ
絶対に変化しない。

その根底の流れとは・・・。

例えば
あなたの 失敗のパターンだ。
その失敗のパターンは
ふり返ってみると どれも似ている。

もう少し
頑張れば 何とか成ったのに
いつも
あと ひと息と 言うところで
投げ出してしまう。逃げ出してしまう。

または
あそこで もう少し 我慢が出来れば
ああは 成らなかったと言った
あなたが 過去何度となく
悔いて来ているのにも拘らず
繰り返してしまう
あなたの 生き方 そのものの事だ。
それは
どんな反省も 勉強も役には立たない
ただひとつ 成長が必要なだけだ。

それも 本性の成長
内なるものの成長。

今のあなたが
消え去れば 消え去るほど
内なるあなたは 成長する。

本当のあなたは いつも
外へ出たがっているのに
あなたがそれを 邪魔している!

彼の話にもどろう
彼が 出逢う事の出来た 事実は
母を 思い出せなかったのは
逆に 母の事を 
思い出したくない事実が
有るからではないかと 考えた時に
突然の様に 
浮び上がって来た 場面が有った。

それは
彼にとっては,とてもショッキングな
場面だった。



彼が丁度 3才に成ったか 
成らないかの頃の 
夕ごはんを食べている場面だった。

まるで テレビでも見ている様に
ハッキリと 浮かび 上がって来た。
丸い黒い御膳
その御膳を 父と母と 兄が取り囲む
丁度 夕飯を食べていると
突然 父が壁に肱をあてた。

父親は 食事の前から
何か不機嫌そうだった。
おまけに お酒が入っていた。

いきなり 大声で
「 バカヤロー! 」
と怒鳴り
母親を 力一杯 殴りつけた。

とてもショッキングで
あまりの恐怖の為
彼は 震え上がっている。

ところが
彼は小さくて 
何もする事が 出来なかった。

けれども
彼は 
心の中で 有る事を叫んでいた。

それは 声にならない声だ
つぶやきだ
「 やめてよ お父ちゃん! 母ちゃんが可愛想だ
やめてよ! お父ちゃんがいると怖い
皆 怖がっている。
いつも母ちゃんの事ばかり
いじめている父ちゃんなんて
死んじゃえばいいんだ。
お前なんか 居ない方がいい
僕が大きくなったら
お前なんか 絶対に 許さない
お前なんか いつか必ず やっつけてやる 」
ハッキリと 3才の彼が
そこまで感じている。

これは 考えているんじゃない
瞬間に 感じている
胸の中の塊を
のぞき込んだら
これだけの言葉に 成っていた。


( たぶん あなたにも経験が有るであろう 
腹が立った時の衝動で湧き上がる あなたの胸の中の
感情の塊・・・あの塊りは 全てが言葉になる。 
たったの2・3秒でムッと来る 感情の中身は
全て言葉で出来上がっている。
ただ余りの多くの言葉が凝縮されているだけに
言ってみれば翻訳しづらいだけなのだ。 )



そして
その場面を 想い起こした 後
母との様々な記憶が蘇えって来た
楽しかった 母との触れ合いの日々の記憶が
彼に戻って来た。

彼は お母さん子であり
母を 凄く愛していた。
その母の悲しんでいる姿を
見たくはなかった。

そして もうひとつの理由は
彼の5才の時に 母は亡くなっている。
もし 記憶を甦らせれば
その「死」の記憶に連がってしまう。

この二つの事実を まのあたりに
したくない為に 
彼は 母との 一切の記憶に
蓋をしてしまっていた。



それを再び見る事は 悲しすぎる
だから彼は 自分から母との連ながりを
分断してしまって
それには 背を向けて生きて来た。

そして
「 俺には 母は居なくて当たり前
別にその事で 悲しいとか
もし 居たら良いなあとか
感じた事はない 」
と 生きて来てしまっていた。

事実
彼は 既に幼い頃に
母との気持の繋がりを
断ち切っていたから
それは 強がりではない。

彼は 幼い頃から
顕在意識の中に
母は 居なくて当り前だと
教えこんでいた。

ところが
再び まのあたりにしたくない過去を
生き直そうとして
それと出逢おうとして
過去をふり返って見ると
彼は 新たな事実を発見した。

自分が 憎んでいたのは 父だけだと
思っていたのに・・・・。
小さい頃から
何か 嫌な事が有ると
必ず 「 父親がこうだからだ 」と 心の中で
父親の所為にして生きて来た。
彼が 発見したのは その先だ
父親の所為に出来ない時には

当然
自分の責任を認めなければいけないのに
いつも そこに来ると
スルリとかわして
「 自分が悪いけれど もし母さんが生きていたら
俺は こんな風には 成らなかったんだ 」
と 彼に とっての聖域であった母を
ちゃんと 最後の自已逃避として
使っていた事だった。

彼は 心の奥で母を断ち切れてはいなかった。

表層で 頭で 母の死を当然の様に
受け入れている彼は
実は 自分を悲しませない為であって
奥の方では 心情の部分では 母の死を
まだ一度も 認めていなかった。

彼は
自分にとって 
もっとも傷の大きいと思われた
母の死を
再び逃げずに
見つめ直す事にした。

何故なら
母の記憶が 甦った後
3日も彼の頭から
離れなかったものがある。




それは
母が 棺桶の中に入り
その母の身体の周りを
鮮やかな菊の花に包まれている
母の顔だ。

それが 妙に 彼の頭に取り付いた。

そして
彼は 母の死を再び 見つめ直す事を
決意した。

彼は その場面の中を生き直した。
見つめれば 見つめるほど
母の気持が 鮮やかに 蘇えって来た。

母の 息を引き取る
直前の心情が 母の胸の内が
母の死を生き直す 彼の胸の中に
現れ出て来た。

彼は そこで初めて
母の死を
心の底から認めて上げる事が出来た。

彼は
母を 心底許す事が出来た。

この時点まで
彼は 母が 自分達を 置いて去った事を
許していなかった。

母が死んだ事を 許していなかった。



あまりにも 遠い過去の為
あまりにも 悲しい事実の為
彼は それからいつも 目を 背けて来た。
忘れ去ろうとして 生き続けてきた。







今日の講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。 
 












★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 257★

2007-05-17 10:55:03 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO17 ◇



☆第二の智慧への目覚め

(真の愛を探し求める旅の
      第二歩 両親との出逢い)




さあ 再び彼の話にもどろう
彼の生き方の質
彼を取り巻く 世界が一変した。

周囲の人達が とっても優しくなった
毎日が 楽しく変化を起こす。

ところが
この第一歩目の段階では
本当の 質的変化は まだ起っていない。

それは
現在の自己を 見つめただけでは
起らない。

まだ 浅瀬にいる
もっと 深みに達しなければ
以前と同じ
もとに 戻ってしまいかねない。

三ケ月位を 経ただろうか
彼は だんだんと
苦しくなり始めていた。
なぜなら
結果である 現在の自己を見つめたが
まだ その結果をもたらした 原因を
彼は 見つめてはいなかった。

原因が そのまま放置されていたら
一時的に 取り除けた結果も
又 再び もたらされてしまう。

そして その結果が
自分にとって 苦しい状況を
再び味あわなければ いけなく成る事を
彼は 知ってしまった。

だから
原因は まだ彼の中に残ったまま
彼は 結果を出すまいと
必死で押さえ込んで行く 生き方をする。

当然
以前の様な 仕事の仕方も出来ない
彼は 今や
迷いの真只中だった。

以前の歩き方が 出来ない様に
彼自身が コントロールする。

ところが
彼は それ以外の歩き方を
したことがない。

おまけに
彼の中には 以前の歩き方以外
出来ない原因が 依然としてある。


これは 苦しい・・・。
身動きがとれないし
八方塞がりだ。
もう 自分の行き場所がない。

丁度 こんな状態の時に
彼は 妻から大変な大ヒントをもらった
何か 些細な事が原因で
口論をした際に
彼の妻は 思わずつぶやいた。

「あなたって お父さんに ソックリね」

彼は 小さい頃から
父親を 憎んで 育っていた。

あんな人間にだけは 成りたくないと思って 
全部を 父親と 反対の方向に進んだ。

父親が 酒を飲んで 自分達が 
苦しめられたから 酒は飲まない。

父親が 仕事を全々しなかったから
自分は 仕事を徹底的にする
それも 一生懸命に!

父親が 賭け事ばかりしていたので
自分はしない。

全部を 単純に逆さにして行った。
彼の胸の中には

「俺も 同じ血が流れているのだから
同じ様な人間になってしまう可能性がある
だから 絶対にするまい」と
心に誓っていた。
だって 結果は あの父親だ

「逆にすれば 違う人生を 歩める」

彼は 父親の人生 
そして
父親の元から 自分が 離れるまでの
彼の人生を さげすんでいた。

だって お金に困り
ろくに 働きもしない。

学校へ給食費を持って行けずに
休まなければ いけなかった事。

酒を飲んでは 殴られる毎日。

又 22才の時の結婚式にも
参加してくれなかった事・・・。
 
父は 北海道で行なわれる式に 
参加する旅費を
賭け事に使ってしまい
その為 彼の結婚式は
彼側から たった1人彼だけだった。

彼は 父を憎んだ。
この時の怒りは 
自分が 惨めに見られた事も有り
凄まじい怒りだった。

思い出したら キリがない位に
嫌な事だらけの過去を
彼は 忌まわしいと考え
その過去を 忘れ込ませていた。

そして
すべてを 父親とは 
逆に 生きる 生き方によって

自分はすでに
父親とは違う人間に 成った事を
自覚していた。

だから
この頃では 別に父親の事を
嫌ってはいなかった。

むしろ 父親にも 父親なりの
大変さがあったのだろうと
考えられる位の彼に 成っていた。

けれども
それはあくまで 頭の上での
解り方であって
ハートからの ものでは 無かった。

本当に
父親を 理解した訳ではないのに
彼は 父親の事を
理解しているつもりでいた。

そこに 妻の言葉だ
彼の 頭の上での 理解は すっ飛んだ
その言葉を聞いて ムッとした

「何故 俺が親父に 似ているんだ
酒は飲まない 仕事はする 賭け事はしない
一体どこが 親父に似ているんだ」

あんまりだった。

今まで一番 努力している事を
そうじゃないと言ってくる 妻の言葉は
彼にとって 大変なショックだった。

ところが
奥さんの言葉が ピッタリ当っていた
彼は 型の上では 
確かに 似ない様に努めてきた。

だが
奥さんの言っているのは
精神的な 意味だった。

「 あまりにも 自分勝手で 自分の事以外には
一見 暖かい思いやりが有りそうに見えるけれど
本当は そうでは無く その思いやりは
自分が良く見られる為のものであり 
本当の あなたは いつも自分の事しか
考えていない 」と言う。

そして

「 もしも あなたに本当の優しさが
有るのならば 人にあげる欠片でもいいから
私に下さい 」とも言った。

これで
彼は いっきに落ち込んでしまった。

今まで別に
意識して そんな生き方を  
して来た訳じゃない。

ところが
一番身近な奥さんの言葉は
まさしく その通りだ。
昔の彼だったら
そんな言葉ぐらい「へ」とも思わないが
今の彼は違う・・・。

もう 一歩目の段階に入って しまっている。
今や 二歩目に向い
その二歩目が 直前にせまっている事を
なんとなく 感じ取っていた。

その場を うまく取りつくろった彼は
独りになって 考えた

「 どうして そんな風に自分の事ばかりしか
考えられない人間に 成ってしまったのか?
俺には 優しさや 本当の思いやりは無いのか?
一体 いつ頃から そんな生き方を
始めてしまったのか・・・?
そんな俺に 父親の事など
理解出来てはいないのか?
もし 理解できていないのなら
それは一体なぜか? 」

彼は 考えに考えた
一ケ月間の間 自分の過去を
自然にふり返り始めた。

ところが
なかなか 昔の事を 思い出せない。
自分の 小学校の頃までは思い出せるのだが
それ以前の 母親が 生きている頃になると
ピッタリと 記憶は途絶えたままだ。

昔から 母親の写真を見ても
何故かピンとこない。
これが 自分の母親だと言う実感がない。

そして
母親が死んだのは
彼の 5才の時だったと言うのに
その母親に関する
一切の記憶が無い。

彼は 何故か 考えた
そして ある事実に出逢った。

あなたは 知っているだろうか
あなたが 母親の胎内から
生まれ出た時点から 今日までの 過去を
人間は 一切憶えていると言う事実を・・・。

それは
テレビの画像を見る様に その時の光景が
そのまま流れ出て来る。

その時 母が着ていた着物の 柄までもが
蘇えってくる。
それどころか 匂いまでもが
蘇えってくる・・・。

幼い頃
母に抱かれて 吸っている乳の匂いまでもが
鮮やかに 蘇えってくる事を・・・。

それは
あなたの 潜在意識の中に
すべて インプットされている。

あなたが
ただ普段 使って生きている
顕在意識の中には
そんな記憶は インプットされていない。

ただそれを 
思い起せないのは
普段の 日常生活の中で

そんな事は
必要とされていない為に
やった事が 無いからだけだ・・・。

人間は
やった事がない事は
無理だと考えてしまう。

もしも普段から 
必要で それをしていたら
それは 難無く出来てしまう。

ちょっとした訓練で それらは可能になる。 






今日のメール講座は ここまでにしたいと思います。
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 













★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 256★

2007-05-16 13:20:54 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO16 ◇






彼自身も あのまま進んでいれば
多分 家庭は 放壊していたことだろう。

これに気づかなければ
自分で 自分を 痛め続けて行ってしまう。

ところが
多くの人は この事実に目をそむけたまま
歩いて行こうとする。

知らず 知らずのうちに
人を見下してしまう 偉い人に 
成ってしまっている人ほど
この事実に気づけず
苦しみ もがく道を歩いて行く。

だが それは あなたが 好きで歩いて行っているんだ
わずかな 勇気さえあれば
この事実には 誰もが 必ず 気づける。

あなたは
そんな事を考えていたら
仕事など出来やしないと 思うかも知れないが

これは 仕事以前に
見ておく必要のある 大切な問題であるのに
あなたが もしも これを していないとしたら
あなたの 仕事の程度など知れている。
第一 あなたの未来は
破壊の 繰返しの輪の中から
脱しえない。

そして 今より更に
苦しくなって行く事を 
承知で 歩いて行くがいい。

苦しくなっても 誰の責任にも
しない事。

会社をやめて 仕事を変えたって駄目だ
それは大した役に立ちはしない。

だって
それはあなた自身に 原因があるのに
そんな事をした程度じゃ
問題は 解決しない。

それじゃまるで
他人に 間題が有ったかの様じゃないか。

あなたは
口先では 俺に問題があったと言うが
あなたの 取っている行動が
責任は 会社に有る 妻に有る
俺じゃないと 叫んでいる様に見える。

それでは 問題は解決できない。

問題を解決するには
あなたに
死ねるぐらいの 勇気がなければ駄目だ。

死ねると言っても
開き直りの死じゃない。
もう どうにも成らなくなったから
死ぬと言うのは 逃避だ
そう言った たぐいの死じゃ 駄目だ。

そんなものは
なんのプラスにも成らない。

そうじゃない
この問題を解決するにあたって 
私は 命までをも 差し出す用意が有る と言った方向だ。

今までの あなたの死
今までの あなたの 全てを賭けて
この問題と 取り組もうと言った
勇気さえ あれば
あなたは変身する。

あなたは 
リフレッシュされてしまう。

そして 此処が 
これから始まる旅の 第1歩だ。

現在のあなたを ありのまま見つめ
その全てを 受け入れる。

すると 同時に変身が起こる
あなたは リフレッシュされてしまう。

あなたの変身と 同時に
あなたを取り巻いていた
世界までもが 変身する。

あなたは この世で
ただひとつの可能な道を 歩み始める。

絶対の道。
この道をおいて 他にはない道。
最大で 最高なる道。

あなたが 何十年か前に 
現われ 出て来た所に
帰り始める道。

真理に出逢う道。

だが 
ここは丁度
道の始まりだ。

あなたは 今まで
長い事 生きてきて
やっと この道に辿り着けた。

まだ 先は長い。

だが
この道の 始まりに 
辿り着けた事を
祝って良い。

多くの人達は 
辿り着けないままに去る。

だが あなたは辿り着けた。
一息 入れていい。

それは 
価値ある到着点だ。



あなたの本性が
中々 言う事を 聞いてくれない
様するに 素直じゃない あなたを
ここまで 連れて来てくれた事に
感謝する事。

だって 
それは 至難の技だ
あなたの 本性は
ずっと ずっと 
それを 願っていた。

あなたの奥の 奥の
奥底からの 訴えだったし
願いだったところに
今 あなたは辿り着いた。
これは感謝に 値する。

そして
その道の 間違っていない事を
私が 保証する。

あなたは今 正しい軌道上にある
第1歩では 有るが
此処に 来なければ
旅は 始まり得ない。

そして
第二歩 第三歩 第四歩と 進み
あなたは 初めて
あなた自身の本性の誕生を
経験する事ができる。

くれぐれも 言っておきたい。
あなたの 誕生は 四歩目を超えた時だ
今のあなたは あなたじゃない・・・。
あなたじゃないものに
しがみ付いて いるのだから
死ねる勇気を 持てと言う。

そんなものは 死んだ方がいい
あなたじゃない あなたに しがみ付いていて
あなたと言う感覚を 与えているものが
死ななければ
あなたの本性の誕生はありえない。

この道の途中
あなたは 何度も何度も
頭を打ちのめされ
ハートを揺さぶられ
死と言う恐怖と 戦ってしまう。

だが
そんな時には 死を与える 
勇気を持ちなさい。
本来の あなたの 誕生の為に。

そして
この道を歩む必要性は こうだ
あなたの 肉体の誕生は
あなたの 知っての通り
あなたの 誕生日に起ったが

あなたの 本性の誕生が
まだ起ってはいない。

だって
あなたが「俺」は「私」は と言う時に
あなたは 一体 何を指して
「俺」は「私」はと言っている?
まさか この肉体は とは
言ってはいないだろう?
その「俺」はとか「私」はと指し示めしているもの
こそ 問題だ。

私は 何度となく
死ねる勇気を持って
この道を歩まなければならないと言っている。

その死は
肉体の死を言っているんじゃない。

その「俺」の死だ
その「私」の死だ
その あなたこそ障害になっていて
あなたの本性は
日の目を見る事が出来ない。

私は その「俺」は「私」は の上に
死をもたらしたい。

あなたじゃないものを掴んで
「俺」は「私」は と言っている あなたは
まだ 目を 覚ましては居ない
まだ 誕生してはいない。

目を覚ましても居ない あなたは
あらゆる 馬鹿げた事をする。

それは 一種の狂人だ
あなたは 
自分で何をしているのかさえ 解らないし

そんな あなたの してきた事を 反省したり
責めてみたり 苦しんでみたりと
大して役に立ちもしない事を
しながら生きる。

だから
今度は もっと 馬鹿げた事をする
本当は 目覚めていない あなたが
何をしたところで
世の中に それを責められる人間など
誰も居ない。

だって
まだ あなたは 目が覚めて いないのだから
寝ぼけたままの行動
それを 責め裁ける人がいるだろうか。

そんなあなたが
例え 殺人を犯してしまったところで
それを 裁ける人は 本当のところ
世の中に一人もいない。

そして その「俺」が「私」が死ぬ時に
あなたの 本性の 誕生がなされる。

真のあなたの誕生は
今日までの 一切の汚れを
洗い流してしまう。

これこそ
イエスの言う復活だ。
ブッタの言う覚醒だ。

あなたは ようやく
第一の智慧に辿り着いた。


だが この道の終着点である
復活が 覚醒が
あなたに 起るまでは 歩みを止めては駄目だ。  







それでは 
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 









★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 255★

2007-05-15 11:43:49 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO15 ◇






だから 
これほど多くの 自分を誤魔化す為の
道具が必要になる。
お酒や ドラッグや 賭け事や
ゲームや 携帯や 出逢い系や クラブや 
なんやかやと言うものが
その不安を一時的に 掻き消してくれる。

そして個々においては 愛やSEXが
この不安を掻き消してくれる格好の道具となる。

こんな あなたに本当の愛など
起こるはずも無い。

紛らわしの愛 
紛らわしのSEX
いつまでも同じ相手で居ると飽きてきて
紛らわす事が不可能となる

そこで あなたは 
次なる相手を求め旅をする
そして何人 何百人と相手を変えても
あなたは 絶対に満たされない。

だって道が違う
あなたは その不安に入って行って
その不安が何なのか どこから来るのか
調べ確かめるべきなに・・・。

あなたは ただ逃げ回ってばかりいる
あなたが 逃げ回れば 逃げ回るほど
その不安は より大きなものとなる
それは あなたが あなた自身の手で
大きくしてしまっている。

そして
その不安を紛らわせる為の愛
動機が間違っている
始めの第1歩から間違っている。

あなたが 幾ら 愛を求めたところで
真実の愛は 起こりはしないだろう
相手じゃない
あなたこそ 問題だ。

だって今日まで
何度と無く経験した 愛の中で 
あなたは いつも相手の責任ばかりに
して来たじゃないか
それでも 何も変化は無かった。

今こそ
あなたの問題を 問い始める時が来ている
そうでなければ あなたは一生
愛の浮浪者で終わってしまう事になる。



彼は 現実の自分自身の姿を見始めた
周囲の目から シビアに直視した自分の姿を
頭の中のイメージ化した自分など通さずに
見ることにした。

それは 中々自分で見ることは出来ない
代物なのだ・・・。
触れ合う全ての人に見えている 
生身の自分とは一体 どんな姿をした自分なのか?

それは 自分にとって都合の良い部分も
悪い部分も無く 
全てに目を向けた時に
初めて見えてきた。



ここからは 彼の言葉をはさんでみよう
彼は言う
「私は人に理想を掲げては ついてこさせ
本当は自分の評価を上げて行く為の道具にしか 使っていない 
腐りきった人間であった事。
こんな人間に ついてくる人は いなくて当然な事。
そして 私一人だけが それに気づいていないだけで
周囲の人達には それが筒ぬけに見えていて
我慢をしてくれているのに
それらを 一人隠し続けられていると思っていた 
悲しいピエロが 私だった事に 妻を通して 
始めて気づく事ができた」



彼は言う
「私は 妻になり 妻の一日の生活を
できるだけ正確に 生きてみた
妻は 北海道の生まれであり
近所に 頼る人は誰ひとりいない
これを 私は知っているつもりで
完全に 忘れていた。

職場で 気軽に友人を作れる私とは わけが違う
明け方近くになって そんな馬鹿な私は
まるで当り前の様な顔をして 帰って来る。
いつも自分の仕事しか考えていないから
妻の気持などというものは
まるで わかっていないし考えようともしていない。

そして 朝7時 妻は昨夜も遅く
毎日2,3時間しか寝ていず
休みも満足に取っていない身体を気づかって
私を起こす。
ためらいながらも 起こす。

なのに 妻のこんな気持も 姿も見えない為に
さも 俺は疲れているんだとばかりの
顔をして 私は 起きてくる。

朝食のテーブルについてから
妻は私に 盛んに話しかけて来る。

やれ あそこの桜がきれいだとか
隣の○○ちゃんが 大きくなっただとか。

しかし この頃の私は
瞬間的に 自分にプラスになる話し以外は
一切 聞かない様に
できていたし

自分が知らずに
見下している者の話しは
こっちの耳から あっちの耳だった。

妻の話も まったく聞かずに
うるさいから だまっていてくれ
俺は 仕事で疲れているんだとなる。

妻は とても淋しそうな顔をするが
それが なぜなのかを わかろうとしなかった。

それどころか
なぜこんなに 夢中に話してくるのかも
わからなかった。

しかし
妻にとってこの時間は 1日の中で
1番大切な時間であり

この朝の会話は
私と話す事の出来る唯一の時間で
この時間をのがしたら
1日中 誰とも話せないどころか
夕食だって別々 休みはないと言うので
一生懸命だった。

それ程 妻にとっては
貴重な時間だったのである。

そして 夜になると
近所の家々から 笑い声がもれて来る
その笑い声を聞きながら
自分の淋しさを 誰にも話せず
一番 自分の気持をわかってほしい
夫にさえ わかってもらえない淋しさを
一人で我慢を し続けながら
たった一人で ポツンと夕食をとる
妻の姿が浮かんできた時に

私は妻に対して
何ひとつ していなかったどころか
この手で妻を 精神的に踏みつけにしていた自分に
やっと気づく事が出来た・・・。

小さい頃から 泣かずに育って来た 私も
この時ばかりは 大声を出して泣いた。

自分は 幸福にしていると思って
していた行動すべてが
自分の一番大切な人を

これ程までに 
苦しめていた事実を知った時
泣かずには いられなかった。

ただ ただ
自分に悔しくて 情けなくて・・・。

確かに 今まで 頑張って来て
役職も 金銭も得てきたが
失ったものが 余りにも大きかった。

かっては 多少なりともあったはずの
優しさや いたわりと言った
精神的愛情が ゼロに等しかった。

妻が 欲しがっていたものは
役職でも 金銭でもなく

時間など掛からずに 
今直ぐにでも出来る
「私の話を
昔の様な あなたで聞いてほしい。
月に一度でいいから
二人一緒に 夕食を食べたい」と
たったの これだけだった。

なんと 馬鹿な 男だろう
自分にもっとも 身近な妻の本当の
本心からの気持さえも
まったく 理解できない人間に
他の人達の気持など
理解できている訳がない。

この時の妻の言葉は
いまでも耳に残っている
「偉くなんて成らないで欲しい
毎日生活できる程度のお金だけあれば
他には 何もいらない」と言って
生き返った様な顔になった。

この彼の話してくれた事が 
事実 今 世間の多くの人達の上に
起っている事だ・・・。

ほとんどの人達が
自分のもっとも 大切な家庭を
そうとは 気づかずに 
1番 踏みつけにしてしまう。


家庭を破壊して行く事は
自分を破壊して行く事に 
繋がっているし 

最後には
仕事など出来なくなってしまう道を
歩んで行っているのである・・・。




この文中の妻のしている思いは
現在では両親が働いている家庭が大半なので
今は 多分 子供達がしている事だろう・・・。

だから小学生でさえTOPの大きな文字で書いた
大人でも実感で理解する事の難しい文章を
やすやすと実感で理解してしまう。

そして救われたと言う・・・。
小学生や中学生がだよ。
なんと言う世の中になって来てしまったのだろう・・・。

こんな事を放って置ける訳が無い。
だから私は草の根的にでも動いて 
微力では有るけれど 私なりに手助けをして行くんだよ。



TOPの文章が実感で解る事の出来る人達は
今現在の 自分の可能性の閉ざされてしまった人達だ。

孤立無縁の人達、
或いは死の選択をしようか迷うぐらいに
辛く苦しい想いをしている人達だ。

あと ひと押しで
死を選択してしまう可能性の有る人達
何かの 辛い思いや苦しい思いひとつで 
そんな きっかけ ひとつで死を選んでしまう人達だ。

彼らには あの文章が解る 一筋の光のように
彼らには見えるのだ。
そう それは新しい唯一の可能性だ。


誰も頼ろうとは思わないし
誰も責めようとも思わない。

ただ社会の中に
新しく気づきの流れを生み出したい。
極々小さなゴミ粒程度の流れだって構わない
そんな流れは 今私の周りに生まれ起こり始めている。

私は私を頼りにして歩くだけだし
私に可能な事をして行くだけだ・・・・。


何故なら無理は 
たとえ どんなに
当たり前の様に出来たとしても
身体にも精神にも悪い影響を与えてしまう。

だから私は無理をせずに長続きする道を選ぶ・・・。







今日のメール講座は ここまでにしたいと思います。
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 




TOPの文章


あなたが

あきらめた場所で

あきらめたまま生きる

そのままで あなたは前を向けるし 

歩ける様にもなれる


それこそが今迄

多くの人達が求めていたのに

見つけ出すことの出来なかった道


本当は

誰にでも

開かれている道だ



それは

あなたにも

簡単に見つけられる道だ



もう人生を

やめてしまいたくなったり

生きるのが

イヤになったり


全てを

投げ出して

しまいたくなった時


その

直ぐ足下に

本当は 簡単に

生きられる

道が 有る事に

多くの人は気づいていない。



死ぬ前に

全てを投げ出す前に

あなたの 足下を 探してごらん


その全てを

投げ出してしまう位置こそ

楽に 生きられる 場所だと 

言っているんだよ。


誰もが

そんな処は

生きられない場所だと思っている


何故なら

そこは 物事を

あきらめる場所であって

やる場所では無いからだ



そこは

落胆する位置であったり

死のうとする位置だと多くの人が

思い込んでいる



違うよ・・・・・・。

それは 間違っている。


だから

多くの人は

自分の中に位置する

本当に物事をやれる場所を知らない



今迄の あなたの

知っている

物事をヤル場所は・・・

最後には 誰もが挫折して 

まっ逆さまに 落ちてしまう

場所でしかない。



一体

誰が そんな位置で

生きろと教えた?


誰が人生とは

頑張らなければいけない

ものだなどと教えた・・・?


誰が人生とは

苦しいものだなどと教えた?


そんな

場所で 物事を

やる事自体が間違っているんだよ。



新しい

場所を 位置を探してごらん

誰もが見付け出しにくい場所に

それは在る。



だが

誰も まだ

発見出来ていない・・・。



でなければ

既に多くの人達が

見つけ出して 

そこで生きている筈だ。



誰もが

そんな場所には

有る筈がないと 思い込んでいて

探そうとも しない場所

そんな場所にこそ 道は広がっている


息を潜める様に

ひっそりと

誰にも知られずに

誰にも触れられずにして

それは在る・・・


もう何十年もの長い間

何ひとつ文句も言わずに・・・。


あなたが

いつの日か

見つけ出してくれるのを

ただ ただ 静かに待っている。



皆が

そんな場所では 物事は

出来ないと思い込んでいる場所


力む事すら

出来ない場所


そんな所で

生きたら 駄目にしか

ならない様に見える場所

本当にそこは

あなたの 直ぐ傍に在る。


これは

誰にでも可能で

本当に簡単な道だ



もしも

あなたが

死にたくなった時

最後に この位置を

真剣に 探してごらん

きっと簡単に見つかる はずだから。


その場所と

そこでの生き方を

あなたも 必ず見つけ出せるから



死ぬより

もっと簡単に生きられ

ずっと物事が

簡単に出来る場所は

あなたの 中にも必ず在ると

私は断言出来る


だから

あなたは死ななくていい

死ぬ必要なんか無いんだよ。






あきらめた場所で

あきらめたまま生きる

そのままで 前を向けるし

歩くことも出来る



すると

あなたから まったく新しい

物事のやり方が 産まれて来てしまう



そここそが

まったく 新しい歩き方の

産まれる可能性が 有る場所だよ。



あなたが 誰の真似でもない

あなただけの オリジナルな生き方が



歩き方が 出来る場所だ

誰とも 競争など

する必要のない場所だ。



そして いつも

あなたが自然で居られて

一番に成れている場所だ。













★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 254★

2007-05-14 10:14:08 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO14 ◇



自分にとって大切な人とは
イコール 自分を大切だと思ってくれている人に
気づかなければ 解かるものではない。

頭とか 理屈の上での 解かり方など
まるっきり 解かってなどいないんだと言う事を
彼は 初めて理解できた。

彼にとって もっとも大切な人と言うのは
より身近で 彼の身近すぎて
すべてを当然の様に 考えてしまっていた 
妻であった。

妻の事は大切に出来ているという
彼自身の 決め付けによって
まるで見ようとはしていなかった。

この頃の彼は 知らず知らずの内に
自分の私利私欲の為に
社会的な地位や名誉を追いかけ

「会社の為に 社員の為に 妻の為に」と
言う 大層な掛け声は 大義名分と成り下がり 
実際には自分の評価を上げる為だけに
懸命になっている人間と化してしまっていた。



そんな 現実の彼自身に気づけず
自分は こういった人間なんだと
彼自身が 考えている自分像との間に
大きなギャップが出来上がってしまっていた。


あなたも 彼同様に
自分自身の姿を 見誤ってしまっている。

あなたが考える
あなた自身の 自分像と
現実の あなた自身の間には
大きなギャップが有る
それを あなたは知っているだろうか・・・?

多くの人達が
この もっとも初歩的な事実を
知らない為に 悩み苦しむ
この事実を知らない為に
あなたの心の中には 様々な不安が生じてくる。

これから話し続ける事によって
私が あなたを連れて行きたい処に至る為の
最初の扉が 此処だ。

あなたが あなた自身を知る為の
最初の扉が 此処だ。

だが これは あくまでも第1歩目の扉だ
この程度を 知ったからと言って
ここで 良い気持になったり
立ち止まったりしては 駄目だ




ギリシャの哲人ソクラテスが
あれほど 学びに学んだ人が
有る時に 見い出した事実
彼は この事実に気づいた時に こう言っている

「私は 今迄 あらゆる事を知っていた 知れる限りの
事を 知り尽くしていたと思っていた。 
だが私は 今初めて知った。 私は何ひとつとして
知らなかったのだ」と・・・・。

これを聞いた 弟子達は 非常に驚いた
そして我が耳を疑った。
あれ程までに 物知りの先生が
「私は何も知らなかった事を 知った」と言う
弟子の彼等には ソクラテスの言った
この言葉の意味が理解出来なかった
とうとう 先生は 頭に来てしまった様だと
弟子達は囁き合った。

だが違う
この時 ソクラテスは 人間の知る事の出来る
もっとも偉大な智慧の道が続く
扉の前に立っていた。

その道とは
多くの賢者達の至った道だ
あのイエスの あのブッダの 至った道だ。

この道の最後には
ブッダの イエスの入り込んだ 
溶け去った 空間が有る
大いなる空間

何者も汚すことの出来ない
絶対なる空間が有る。

それは 宇宙の様に
果てしなく広がる 無限の空間だ。

そこに至った者達を
人々は神と呼ぶ
何故なら 
そこに至った者達は
その空間 そのものに成ってしまうからだ。

そして あなたにも あなたの周りの誰しもが
そこに至る事が可能だ。


だが道は 非常に見えにくい
その道には 段階が有る。
慎重に根気良く歩まなければ
あなたは すぐさま道を 踏み外してしまう

ブッダやイエスの溶け去った空間には
祈ったり荒行をしたりして
辿り着ける事など 有りはしない。

そんな事をして
そこに至った例は 今迄には無い。
違う もっと別だ

だいいち その道は 何も 特別な人にだけ
許されている道ではなく
全ての人達に可能に成っている。

ブッダやイエスの指し示している道は
非常に簡単だ
それは簡単すぎると言っても良い
だが あなたが
余りにも難しく生き過ぎている為に
それは難しく見える。
だから きっと
あなた達に話すより
彼等の話しは 
子供達に向かって話した方が
もっと すんなり理解できる事だろう

何故なら
子供達は まだ それほどまでに
難しく生き過ぎていないからだ。

まず あなたは それほどまでに
難しく生き過ぎている 自分に気づき
その こんがらかった糸を
一本の糸に紐解く事から
始めなければならない
それが 最初に踏まれるべき 第一歩だ。


あなた自身の現実の姿は
一体 どんな姿をしているのだろう
ちょっと あなたの周囲を見渡してごらん
あなたの日常の人間関係を

その中で あなたが 
もっとも鼻につく人物
あなたが 近寄りたくない人間
それが あなただよ!

或いは 1人1人の人間の中に
見い出してしまう あなたの 最も嫌う部分
それと同質なものを あなたも持っている。
あなたは あんまりだと思うだろうが
それは 紛れも無い事実だ。

あなたの中に それと同質な部分が有り
あなたは それを見せられると嫌う。
なぜか?
それは あなたの姿 そのものを
相手が映し出しているからだ。

ところが あなたは 
その事実に中々 気づかない

なぜなら あなたが考える あなたは
あなたが 常に緊張し 意識している時の
いわゆる周囲の目を 意識して作り上げた あなたを
あなたと思い込んでしまっているからだ。

けれども現実には そんな あなただけで
生きている訳じゃない。

あなたが気づかず無意識になっている時が
1日の中で 何度と無く有る
周囲には その あなたまでもが含まれて
丸ごと見えているという事に
あなた1人だけが気づかない。

あなたが嫌う人は
あなたが 無意識と成っている時に見せる 
あなたの姿を そのまま見せてくれる。

そして その相手も 又 無意識でいるから
あなたに 見られている事には気づかないままだ。

例えば
私が今 あなたの目の前に居て
あなた以外に 10人の人達が居たとしよう。
いいや 100人の人達が居たとしても構わない。
そして 皆に ある約束事をして貰う。
「今から 私が あなた達の目の前ですることを
見たまま そのままに伝えて欲しい」と

更に「あなた方と私の間には 何の利害関係も
無い事にしよう。そして立場も同等な立場の人間と
いう事にする。くれぐれも見たままを シビアに
そのまま 伝えてくれる事を お願いするし
これを言ったら あの人が傷付きそうだとか 
周りの人達から 自分が悪く見られてしまうと
言ったような あなたの考えを入れずに
伝えて下さい」
と言ったお願いを前もってしておくとしよう。

そして解かりやすく 私が10と云う度合いで
悪い事をする。

皆に聞く。 
すると皆は見たまま私に伝えてくれるから
10人の人達であろうが
100人の人達であろうが
それは 同じ答えになる。

しかし 先ほどの約束事が無ければ
答えはバラバラに成ってしまう。

なぜなら それぞれの考えや
生き方が入ってしまうからだ。

ところが 先ほどの約束事が 有る為に
皆が見たままに伝えてくれる。
答えは ひとつに成る。
「あなたは10悪い事をした」
正解だ
そして 私は
「解かりました10ですね 
10悪い事をしたことを受け容れます」
けれども ここで問題が起こってしまう


私の心の中で自然に自衛本能という
自分を守ろうとするシステムが
働き出してしまうのだ・・・。
その結果10を 半分の5にカットして
受け容れてしまう
と言う事が起こっているのだが
本人は それに まったく気づかない。

これは実際に普段の生活の中で
私達が経験していることだ。
人からの指摘や苦言は とても聞き心地が悪い
それが半分の5にカットしている時なのだ。


今度はそれとは正反対に
10と云う度合いで良い事をする
先ほどと同じ様に 皆の答えは同じだ
「あなたは10だけ良い事をした」
と伝えてくれる
そして私は
「わかりました10ですね
10良い事をしたことを受け容れます」
と答える。
先ほどと同じ様に自衛本能が働く

自衛本能とは 文字の通り
あなたの心の中に勝手に働く
自分を守ろうとする本能だ
自分にとって都合よく働く本能だ

今度は良い事なので
10の度合いを 倍の20に増やして
受け容れてしまう。
これも普段の生活の中で私達が
自然に やってしまっている所を目に出来る。

人からの誉め言葉は とても聞き心地が良い
これが倍の20に増やして
受け容れてしまっている時だ
時によっては それを何度も思い出しては
味わい直す事まで やってしまう場合すら有る。

ここまでの事で大きな問題が生じてしまっている
事に気づいているだろうか・・・・?

それは 皆は 私の姿が 
テレビの画像を見る様に 
そっくり そのまま見える
シビアで ありのままを捉える事が出来るし
客観的だ。

ところが 私には 私の姿を テレビの
画像の様に見る事は出来ない。
どうしても主観的に成ってしまう。

皆が見た 私と言う人間は
先ほど10悪い事をして 10良い事をした
悪い事をマイナス 良い事をプラスとして見ると
プラスマイナス0と言う人間が 私だ
可も無し 不可も無しと言う人間が
皆に見えている 私の姿だ。

ところが 私は先ほど 悪い事をした時に
半分の5にカットして受け入れ
良い事を10した時に
それを倍の20に増やして受け容れていた
悪い事をマイナス 良い事をプラスとして
差し引きすると プラスの15と言う人間が
私が勝手に 受け容れてしまっている私だ

これは 現に あなた達にも 起こってしまっている。

日常の中で自分への批難は 耳障りで
誉め言葉は聞き心地が良いと言う様に

ここには大きなギャップが
生まれてしまっている。

勿論
現実の私の姿は 皆の見た 
プラスマイナス0の姿が本物だし正しい 。

私の見たプラスの15の私の姿など
どこにも存在しないし 誰にも見えない。
そんな 私の姿が見えるのは
世界中で 私1人だけだ・・・・。

これは 何と言う事実だろう
今現在に 生きている本当の私の姿を
私は知らず 
私以外の周囲の 全ての者達が見えている。

そして 私に見えている 私は
世界で 私以外には 誰にも見えないし
実際には 居ない。

実際には 居もしない

我ならぬ 我をつかんで
私は生きている。
有りもしない 私像を
私と思って 生きて行く 生
そこには 様々な問題が生じて来てしまう。

あなたの知っている自分像とは
今迄 生きてきて 色々な体験や
人から言われた言葉を 通して頭の中で
イメージ化した自分だ。
イメージによって
頭の中に作り出している自分
あなた以外 他の誰も知らない自分だ
他の誰にも見えない自分だ

自分にとって都合の良い部分だけを見て
あなたの 頭の中に作り上げた自分だ
それはイメージであって
本当には居やしない

このイメージを通して全てを見ていると
あなたには 全ての物事は 歪んで見えてしまい
あなたに現実を見る事は不可能になってしまう。

それは 歪みきった事実が見えてしまう
歪みきった事実など
事実から 程遠いと言うのに・・・。

しかし あなたは それに気づかずに
その歪んだ事実に従って 手を打つ
一時的な解決しかされず 
根本的な問題は先送りにされたままだ
だから
再び同じ問題が発生して来てしまう。
何度も何度も同じ問題に対応させられ
あなたは だんだん 嫌気がさしてしまう。

そして それどころか あなたの周りにには
そんな問題が どんどん増え続けていき
あなたは 最後には逃げるしかなくなってしまう。

様々な問題や悩みに追いかけられ続ける生
その追いかけられている
不安を誤魔化そうとする為の生
そんな あなたに 
辿り着ける場所など どこを探しても無い。


これが今
世の中の多くの人達に
起こってしまっている問題だ。





今日のメール講座は
ここまでにしたいと思います。
明日の人間物語のメール講座を どうぞお楽しみに 









★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 253★

2007-05-13 15:41:19 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO13 ◇

☆愛を探し求める心の旅の第1歩☆




嫌な事を忘れる為に
何かにつけて 目の前に有る 物事に対して
熱中する生き方を 身に付けた彼は 22歳になっていた。

彼は19歳の時に知り合った女性と
二度目の愛を経験し 22歳で結婚した。
この愛も 彼は激しく燃え上がった
どうも 彼は激情するタイプの様に見える・・・。

だが 彼が ちょっぴり大人に成れた所為か
以前の愛の体験で苦しい思いをしていた所為か

この愛が終りかけた時 
彼は 以前と同じ様に 
再び“死”に 逃げる事をしなかった。

何となく 
逃げれば 再び この愛で傷ついた思いを
胸にしまって 引きずり続ける事を
以前の体験から学び取っていた彼は

そんな思いは二度とゴメンだとばかり
もう その愛は終わってしまっていて
自分が嫌われているのにも拘わらず 彼女に迫った。
電話を掛ければ切られるし
手紙を出しても返事は来ない
もう彼の心と来たら落ち込みっぱなしだった・・・。

ところが彼は それでも諦めなかった。
非常に執念深い男だ 
今ならストーカー行為で捕まっているよ。

彼は自分が諦めない限り
その事は絶対に終らず
いつか必ず成果が上がる事を
色々な物事を行なう度に 体得していた。

だから彼は 自分が傷つき 
苦しくて 諦めてしまう事が先か
彼女が こちらを振り返ってくれる事が先か
もう自分との戦いだった。

彼女の事は 単なる口実であって
もう そんな事は どうでも良かった。

「ここで苦しくて負ければ 逃げれば
今迄 あの最初の失恋の 
どん底から 立ち上がった日 以来
物事に対して 決して屈服せずに 勝ち続けて来た
自分が無くなり
ずるずると 以前のような 負け犬に成り下がる
そんな事だけには成りたくない。
それを 考えたら 苦しいのぐらい
屁でもない。
俺の辞書に負けは無いんだ 負けは許されないんだ」

まるでナポレオン気取りだ
こんな彼に 見込まれた 彼女は憐れだ・・・。


とうとう彼の熱意に 彼女は負けてしまった。
そして結婚したのが
彼が 22歳の夏だった。

彼女と結婚する事が出来た彼は
此処までの思いをすれば
何でも自分の思い通りに成るんだという考えを
より強めてしまっていた。

結婚後 4年たった 彼は
有る会社の営業部長になっていた。
その時 彼は26歳 彼は ある信念を持っていた
その信念とは こうだ

「努力しなければ 世の中 出来ない事だらけ
努力をすれば 世の中に 出来ない事なんて
何ひとつ無い」

その頃の彼は まるっきりの ツッパリ人間で
怖いものなど 何ひとつ無かったし自分に出来ない事など
何も無いと本気で思い込んでしまっていた・・・。

ここまで自信を持ってしまう人間ほど
世の中に 害毒を流してしまう人間はいない
彼も 御多分に漏れず その中の
1人の人間に成っていた。

ところが 困った事に 
彼自身は そんな自分に満足をしてしまっていたのだ。
彼は 結婚した時に 有る事を決めていた。
精神的な愛情ならば
いつでも上げられるが
彼自身が 幼い頃から 
嫌な思いをし続けて来た
物質的な愛情を与えるには時間が掛かる
まずは この物質的な愛情を与えるのが先だとばかりに
単純計算で
仕事をバリバリやれば 役職が上がる
役職が上がれば 当然 給料も上がる
自分が大変なぐらい 何でもないと
彼は バリバリ仕事をこなして行った。

そして 結婚4年後の 彼の生活は こうだ
いつも帰宅は 午前2時から4時
明け方 7時には目を覚まし
30分の朝食の後 会社に出勤し
仕事 仕事 仕事

家に帰ってきても仕事の事が
頭から離れていないから
まるっきりのビジネスマシン

おまけに電話も入れずに
平気で2・3日も家を空ける始末
休みは未定の3ヶ月に1度くらい

更に彼は 平気で こんな事を
言う様に成っていた。

「俺は役職も手に入れた 給料だって こんなに良く成った。
だから妻を幸せにしている。こんなに汗みどろになって 妻の為に
働いているのだから まさか文句など無いだろう。
普通の人達だって ここまでの事は出来ない。
でも俺は1番 時間が掛かる 誰にも出来ない事を
こんなに大変な思いをして お前に与えているのだから
俺の愛情こそ 本物だし その愛情を解かれ」

などと言っていたし 
本気で そう思い込んでいた。

そして1番大変な思いをしているのは
自分だけで妻のことは幸せにしていると信じて疑わなかった。
自分を犠牲にしてまでも
相手を幸せにする。

これが もっとも深い
愛情表現だと思っていたし
事実 彼は妻を愛していた。

だからこそ こんなに過酷な生活が
続けられたのだ。

その頃の 彼は 人に
「あなたにとって もっとも大切な人は 誰ですか?」と
尋ねられると 胸を張って「会社の社員達です 私の部下達です」などと
本気で答えるほど 仕事だけに埋もれきってしまっていた。

仕事以外の一切は
全て無意味な物として
彼の目には 映る様に成ってしまっていた。

彼の 答えの理由はこうだ
社員達が いるからこそ 会社が有って
その社員達が 頑張ってくれているからこそ
給料が貰え 

彼も妻も生活をしていける
だから 社員達が1番大切だという理屈だった。

彼は ある機会に恵まれて
初めて 
それまでの全てが
間違っていた事に気づくことになる・・・。








今日のメール講座は 
ここまでで 終わりにしたいと思います。








★あなたの愛が 永遠の愛と成る為に 252★

2007-05-10 13:16:29 | Weblog


◇ 人間物語 の メール講座   NO12 ◇





50錠も飲んだから 堪らない
彼は ものの1分も立たないうちに
頭はもうろうとして ベッドに倒れ込んだ
遺書を書き残すつもりでいたらしいのだが 
それすら 書けずに 彼は眠り込んでしまった。

その夜 50錠もの薬を 彼の身体は受け付けず
彼の眠っている間じゅう 彼の身体は必死で戦い続けた。

身体の各所に 危険信号が発せられ
彼の身体は 彼が眠っているのにもかかわらず
彼の意思など無しに
「身体」それ自体で身体を助けようと一生懸命だった
彼の身体は 彼自身は眠りながらの状態で
朝方まで 何度となく 薬を体外へと吐き出し続けていた。

そして早朝 父親は 昨夜から 
苦しそうに何度も吐き続けていた彼を
病院へ連れて行こうとして驚いた。

彼の顔は 土気色をしていて眠り続けたまま
声を掛けても 揺すっても 返事が無い
ベッドの上の睡眠薬の空き瓶を発見して 
初めて 事の重大性に気づき
あわてて 近くの病院に運んだ。



ところが その病院では応急処置しか出来ず
直ぐに救急車で大病院へ
しかし その車中では 患者の様態の確認の為
瞳孔反射ということをするのだが
(目にペンシルライトで光をあてる)
瞳孔が開いたままで
殆ど反射が起こらない状態であった彼を見て
救急隊員が「もう駄目かも知れない・・・」などと
言っているのを聞いて 
父親は生きた心地もしなかったらしい。

病院に着いた彼は すぐさま 胃洗浄を受け
胃の中の物を すっかり外へと 吐き出さされた。
後30分の命だった・・・。

身体へ回った薬の為に 彼は丸2日間 眠り続けた

彼の意識が戻った時 
真っ先に目に入った天井の違いに気づき
始めて助けられた事を知った。

そして 彼のベッドの周りには 父や兄弟の
心配そうに見つめる姿が有った。

彼は父親に殴られると思っていた。
なぜなら それまで彼が悪い事をした時には
必ず父の鉄拳が飛んで来たからだ。
だから 彼は覚悟をしていた。

ところが父親は そうはしなかった
それどころか 目にいっぱいの涙を浮かべ

「 お前が こんな事で死んでしまったら 
俺はどうやって お前の お母ちゃんに
詫びたら良いのか 解からない・・・ 」

と そこには 彼が これまで見たことのない
必死で我が子の命を 祈り続けた父の姿が有ったのだ。

この父の姿は 効いた・・・・。
彼には殴られる以上の効果が有った。

この父の姿を見て 父の言葉を聴いた 
ただ それだけで 
自分の事しか考えて居なかった自分に
気づかざるを得なかった程
この時の父の姿と言葉は 彼には効いた。


翌日 病院を退院し
家路に着く彼の見た外の景色は
実に素晴らしかった。

5月の中旬で その季節の
風が彼の頬を撫ぜて
緑の新鮮な匂いや
新緑の若芽達の息吹が感じられる
それらと共に 彼は自分が生きている事を
初めて感じ取れた。

「 若芽の 黄緑色の 若葉が目に沁みる 
空が真っ青だ 生きていて 本当に良かった・・・ 」

彼女が居ないのに 彼1人なのに それが感じられる
彼は その道々 色々な事を感じ取っていた。

「 自殺というのは逃げ以外の何物でも無いんだ 
自己逃避だったんだ 僕は もう二度と逃げないぞ。
どんなに苦しくても絶対に逃げない! 」

そう・・・彼は 自らの体験で完璧に理解した。
それは 命を賭けた理解だった。



彼は この日以来 完全に別人になってしまった。
死の淵まで行って 引き返して来た彼は
まったくの 別人になってしまった。

それからの 彼の生き方は ガラリと変わった。
それまでは何をやるにしても 
余り努力と言う事を しなかった彼が
その日を境に
全てに努力をするような生き方に変化した。

そして努力をすればするほど
成果が上がってくる
彼は面白くて仕方が無かった。

自分が こうしたいと思った事に対して
100パーセントの努力をすると
必ずと言っていいほど
彼の思い通りに成っていった。
彼は もう有頂天だった。

だって そうだろう
あの 辛いことだらけの 
幼い頃からの 彼の人生が
彼女を失った 失意のどん底から
立ち上がった日を境に
一変してしまったからだ。

私は それが 何故かを知っている。
彼には まだ この時点では
気づけていない事が有る。
それは 彼が幼い頃から 背負って来た 重い 重い荷物を
彼は 彼女に出会うことで 全て降ろせた。
この荷物を 降ろさなければ
そこに愛は芽生えなかった。

彼は荷物を降ろした。
要するに それまで着ていた殻から抜け出た。
荷物とは 本当は この殻の事だった。


そして愛が起こり
夢の様な日々は過ぎ去り
愛が終わり
彼女を 失った時
彼は 彼女を失った事を 認めようとはせず
それを認めるくらいならと 死を選んでしまった。

なぜ 彼は そこまでの事をしたのだろう・・・?

それは こう言う事だ
彼は 彼女との 愛の中において
まったく 新しい自分を発見していた。
殻から抜け出ている自分
その自分の爽快感
その自分の楽しさ

愛をきっかけに 以前の冷たく重い自分は 
まったく過去のものと なっていた。
その愛の中で生まれた 新たな自分は 
彼女が与えてくれたものであって 
彼女を失う事によって 
新たな自分さえも失ってしまう気がした。

もう あんな昔の自分には帰りたくないし戻りたくなどない
今の この新たな自分が無くなってしまうという事は
昔の 惨めな自分に戻るという事だ
そんな事よりは 死の方が まだ ましだ!
その結果 自殺を選んでしまったのだが・・・。
事実は違う。

彼女は 単に手を貸してくれただけであり 
実際には 全部 彼自身が起こした事だった。

だから彼女を失ったところで
本当は 無くしてしまうものなど
何 ひとつ無かった
むしろ この事実に気づく事が出来て
たった独りでも 新たな自分は失われないという事を
発見し 軽やかに歩んでいく事が出来たろう。

だが ここまでの事に気づくのは非常に難しい。
何故なら 彼は 彼女によって
こうなったと思い込んでしまっている。

彼自身が 彼女に対して開いたから
彼女は 彼を 理解できた。
別に 彼女だけが 彼を 理解できる 訳ではない。
本当は 彼が開けば 誰もが彼を理解する事ができる。

だが 彼は 自分を理解できるのは
彼女だけだと思い込んでしまっていた
それは初めて 自分を 理解して貰えたからだ。

けれども 彼女が彼を理解する事が出来たのは 
あくまでも 彼が開いたからだ
彼が初めて開いたからだ
それは 彼自身のした事だ。

これらの事実に気づいていない時の 愛は苦しい。
彼女を失うと言う事は
自らも失ってしまうと言う事に
繋がるからだ・・・。

だから 彼女を絶対に失いたくなかった
もしも失ってしまった場合には「死」しかない

だって彼女を失ってしまったら
それだけで その愛の中に居た 新たな自分も
自動的に死んでしまうことになる。



彼は病院から退院した時に
半分だけ それに気づいていた
空の青さ 木々の緑 頬を撫でる風を感じて
自分が生きている事を感じ取った時に
半分だけ気づいた。

半分だけ気づくというのは
夢を見ているような感覚が半分だ

それは その時は 確かに ハッキリ見える
だが 夢と同じく すぐさま忘れ去ってしまう
消え去ってしまう。

彼のが丁度 似た様な感じだった
今 現在リアルなのは
この風であり 木々の緑であり 空の青さなのに
彼の全身で感じている この感覚こそが 全てであるのに
そこに 今は もう終ってしまっている 過去の記憶が
邪魔をする。

過ぎ去った日々は
もう 既に消え去ってしまい 二度と帰らないものなのに
それを 彼は必死で 忘れようと努力してしまう

これは無理だ
記憶は記憶で現実じゃない
もう既に終ってしまっている事
その現実は もう遠い過去という時間の中に
流れ込んで行ってしまった事を 知るだけで良いのに

彼はそれらを 心の中に しっかりと仕舞い込んで
再び それを消す為の旅に出てしまった。
目の前に有ることに 夢中になる
夢中になれば なるほど
心の中に有る事を 忘れる事が出来る
彼は こんな生き方を開始してしまった。
形の上では確かに変わった
だが 私に言わせれば 全然 変わっちゃいない
流れは同じだ

だって 彼女と出逢った時
それまでの 全てに嫌気がさしていて
それらを忘れる為の物が 彼女との愛だった。

今度は その愛で傷ついた自分を
忘れる為に 何かに熱中する。
彼は 愛の後 ひとつのテクニックを身に付けていた。

目の前にある物事に熱中する
それに熱中している間は
何もかもが 忘れられる。

愛を通して 彼は 努力を学んだ
物事に 熱中することを学んだ
だが その努力の質は 少しばかり問題だ

なぜなら
何かを忘れる為に熱中する 努力する
本当は努力をしたいんじゃない
熱中したいんじゃない
彼のそれは 過去にあった
一切の嫌な事を忘れたいんだ
それが彼の 努力の 熱中の下に隠されている目的だ

あなたは酒乱の人の事を知っているだろうか
酒乱の中の多くの人達に見られる傾向は
彼等は お酒が好きなわけじゃない
お酒を飲む事に 何か別の目的が有る。
お酒を好きな人は 美味しく 楽しく飲む
好きな人は 楽しむ為に 飲んでいるから
大した量じゃない

ところが酒乱の人ときたら
自分が解からなくなるほど飲む
自分を忘れたい
嫌な事の一切を忘れたい。

これが目的だから 飲む量も半端じゃない。
その人達は 自分の過去に 
忘れたいほど嫌な体験や 悲しい思いが有る人達ばかりだ。

その証拠に 過去の嫌な体験が 癒され 消え去ると
その人達は 元々 体質的に 
お酒が身体に合わずに飲んでいたは人は 
一滴も飲まなくなったり
身体に合う人でも 自然に適量に変わっていってしまう。

酒乱の人達は
お酒で忘れようとする・・・。
彼のは 目の前にある物事に
熱中する事で 忘れようとする。

どちらも同じだ
何かによって酔っ払う
愛で酔っ払う
SEXで酔っ払う

本当は それ自体をしたいんじゃない
それをするのは 何か別な目的が有る その為にする

その目的は 一切の嫌な事を忘れたい
ただ それだけだ。

なのに 世間の人達は
酒を飲み 嫌な事を忘れ様とする 酒乱の人達を悪く見て
凄まじい程 努力する事によって
嫌な事を忘れようとしている仕事埋没人間を
良く見てしまう。
だが摂理は 世間の人ほど 
寝ぼけた目は 持ってなどいない
この どちらの人の上にも
破壊をもたらし
その行為をストップさせようとする。

その馬鹿さ加減を
目覚めさせようとする。

事実 彼にも それが起こった。
そんな生き方をして
丁度10年後に
それは 起こる事になる。