自分の中に在る
何かを握ってしまい
それが自分だと信じたり
思い込んでいる場所よりも
更に深い場所に在る
何の考えも浮かばず
何の感情も浮かばない
何ひとつとして存在しない
静寂な場所が在る。
その静寂な場所こそが
本当の あなたの姿なのだけれど
それを実感で知っている人は非常に少ない。
ましてや そこに身を置いたまま実際に
その場所で生きている人は更に少ない
とても僅かな人達だ。
何故なら その場所は
あなたが行こうと思って
行ける場所では無いからだ。
あなたが
その場所を目指しても
あなたが目指している間は あなたは
その場所へは辿り着く事が出来ないからだ。
あなたが その場所を目指し
行けども 行けども その場所は見えず
見えたと思えば全く違う場所で有ったりしている内に
どんどんと月日は経ち あなたは やがて疲れ果ててしまい
気力も体力も すっかり奪われてしまい
その場所を目指す事を諦めざるを
えなくなってしまう。
そして あなたが
本当に諦めてしまった時に
多くの時間を費やした挙句に
どこへも辿り着く事が出来ずに
何の成果も得られないままに
まるで徒労の様に終わってしまった事に
あなたは深く傷つき大きな落胆をしてしまう。
その時に
あなたが転落してしまう場所こそが
あなたが目指していた場所だと言う事に
気づいてしまえば あなたは そこで初めて
辿り着いてしまう事が出来るのに あなたは気づけない。
あなたばかりじゃない 多くの人は気づけないままだ。
多くの人達が
気づけないままに
それを ただの無駄にしてしまう。
あなたが転落してしまった場所には
何も無かったし あなたは何ひとつとして
そのままの自分では身動きすら出来ない感覚がしていた。
その何も無い
落胆の場所の中で
落胆して何も出来そうに無い
無気力な自分の身体を引きずりながら
何の気力も湧き上がらないままで
何も無い がらんどうの様な
空っぽの大きな空間の中に身を置いたまま
あなたの胸の中までもが空っぽのままで
静かに立ち上がり 静かに物事に触れて行くという
新たな歩みの起こせる場所を あなたは ようやく
発見する事が出来てしまう。
その場所では
あなたは何ひとつとして
持ってはいなくても 何ひとつとして
出来ていなくても そのままの あなたで
それ以上無い位にまで あなたは いつも満たされている。
空っぽの胸の中には
何ひとつとして あなたが握り
あなたを支えてくれるような物は
無いけれど あなたは満たされている。
あなたの胸の中の空っぽが
ただの空っぽではなくて その中には
何かが充満しているのが あなたには実感で解かるからだ。
身体を隔てた
外側の大きな空間と
あなたの内面の何ひとつとして無い
空っぽの空間の場所とは 同じ物で出来上がっていると
あなたが気づけた瞬間に 外側と内側が
一つに繋がってしまう。
最も深い場所での
あなたは孤立などしていないし
孤立などした事すらない。
そして あなたの周り中の
全ての中に小さな空間が在り
その空間の中に外側の空間が入り込んでいて
溶け合っているし 全部が繋がってしまっている。
そこまで辿り着けてしまったら
もう あなたは何も要らない位に
いつでも どこでも満たされているし
いつでも どこでも全部があなたの居場所だ。
どこも かしこも あなたの居場所だ。
そうなって初めて
あなたは全体に成ってしまっている。
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