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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アイアンマン3』

2013年05月14日 | 映画(あ行)
『アイアンマン3』(原題:Iron Man 3)
監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr.,グウィネス・パルトロウ,ドン・チードル,ガイ・ピアース,
   レベッカ・ホール,ジョン・ファヴロー,ベン・キングズレー他
声の出演:ポール・ベタニー

『アイアンマン2』(2010)の公開時はまだ3Dデビューを果たしていませんでした。
大好きな“アイアンマン”ならゲロ酔い覚悟で観られると思っていたのに。

あれから年月が経ち、3Dはまったく問題なく観られることがわかり、
本作はどうせ観るならとIMAX3Dで。
IMAX3Dで観るのは『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』以来です。
ちなみに、いつも端っこの席を取る私ですが、
IMAX3Dのときだけは後ろ寄り中央の席に偉そうに座っています。

『アベンジャーズ』(2012)でほかのヒーローたちと手を組み、
人類滅亡の危機を回避した“アイアンマン”、トニー・スターク。
しかし、あの戦いは彼のトラウマとなり、不眠症に陥る。
ちっとも眠れない、何かしていないと落ち着かない。
トニーは取り憑かれたように新型アイアンマンスーツの開発に没頭。

その頃、トニーの恋人でスターク・インダストリーズ社の社長も務めるペッパー・ポッツのもとを、
A.I.M.という組織に属する科学者アルドリッチ・キリアンが訪ねてくる。
彼は13年前、自らの研究についてトニーに売り込もうとしたことがあったが、
会う約束をしておきながらトニーからすっぽかされた過去がある。

キリアンが現在おこなっている研究は“エクストリミス”というもので、
人の脳の未使用領域を利用することによって、人の能力を向上させるのだという。
キリアンはこの研究開発を共同でおこなわないかとペッパーに持ちかけるが、
その技術が軍事利用されることを懸念したペッパーは拒否する。

スターク社の警護主任ハッピー・ホーガンは、キリアンとその同行者を尾行。
怪しい場面を押さえた直後、ハッピーは爆破事件に巻き込まれて重傷を負う。

巷では“マンダリン”と名乗るテロリストによる連続爆破テロが発生していたことから、
この事件もマンダリンによるものと断定される。
コメントを求められたトニーは、マンダリンへの復讐を誓う。
ところが、実はマンダリンの手先となっていたのがキリアンで……。

前作では監督だったジョン・ファヴローが製作総指揮に回り、
新たに監督となったのは『キスキス,バンバン L.A.的殺人事件』(2005)のシェーン・ブラック。
お茶目なロバート・ダウニー・Jr.を使うのはお手の物と見えて、
今回の彼もなかなかカワイイです。48歳のオッサンだというのに。
子役のタイ・シンプキンスとのコンビもとってもいいお話。
もうじき70歳のベン・キングズレーは相変わらず芸達者。さすがです。

『アベンジャーズ』を観ていないとわからないネタや、
ロバート・ダウニー・Jr.が薬物依存症だったことの自虐ネタもあったりしますから、
知った状態で観に行くほうがより面白いのはまちがいありません。
でなくても、あんなアイアンマンのパーティーは楽しいかも。

約束をすっぽかしたせいでこんな目に遭ったトニー。
ということで、約束は守りましょう。
そして、このシリーズでは場内が明るくなるまで決して立ってはいけません。
なんで“ハルク”を見ずに帰るの~!?

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ひさしぶりに読んだ海外ミステリー

2013年05月13日 | 映画(番外編:映画と読み物)
このブログを読んでくれている人のなかにはリアル友人や知人の♂もいるというのに
こんなことを書くのはなんですが、生理中は手の状態がものすごく悪化します。
生理がはじまる前に手を見て「来るで~」とわかるほど。
もういっそあがってしまってくれ~と思ったりして。(^^;

良くなってくると、酷かったときのことを忘れてしまいがちで、
「最悪や(T_T)」とどん底の気持ちになるのですが、
本当に最悪だったときは本を読む気すら起こらなかったのですから、
いまは最悪ではない、めちゃくちゃマシやん!と言い聞かせています。

で、瀧羽麻子宮下奈都で本来の読書ペースを取り戻し、
そろそろもうちょっと読み応えのある本にしようかと。

学生時代は海外ミステリーばかり読みあさっていたのですが、
年を取るにつれてなぜか読むことが激減しました。
カタカナの名前についていけなくなっているのでしょうか。

それでもたまに海外ミステリーを読むと、やっぱり面白いなぁと感嘆します。
“ミレニアム”シリーズには没頭しましたし。
ほかにも読んでみたいけれど、海外ミステリーから遠ざかった今、
どんな著者に手をつければ良いのかわかりませんでした。

たまたま読んだドン・ウィンズロウが非常に面白く、
その流れで『野蛮なやつら/SAVAGES』を観に行ったところ、
「私もドン・ウィンズロウ、好き!」とのメールが。
私に「孫悟空」を教えてくれたお姉様と同じ“女子会”でお会いする別のお姉様です。

このお姉様は昔も今も海外の小説が大好きだそうで、
最近はジェフリー・ディーヴァーが面白いとのこと。
それはぜひとも読んでみたいと思い、数冊まとめて買いました。

まず読んだのが『ボーン・コレクター』。

事故によって首から下が麻痺した元刑事リンカーン・ライム。
自殺を考える彼のもとへ、捜査への協力どころか指揮を執ってほしいとの依頼が。
その事件とは、タクシーの乗客2名がそのままどこかへ連れ去られ、
うち1名が土から手だけを出した状態で翌朝発見されたというもの。
発見者はパトロール中だった女性巡査アメリア・サックス。
慢性の関節痛持ちの彼女は、このパトロールを最後に広報課へ異動するはずが、
その完璧な初動捜査がリンカーンの目に留まり、捜査チームに加わることに。
犯人は次に予定している殺人への手がかりを現場に残しており、
まるでリンカーンらに勝負を挑んでいるようで……。

こんなストーリーです。
デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーの共演による映画版は
公開当時の2000年に観ましたが、これは駄目駄目でした。
たとえば、オードリー・ヘプバーンの『シャレード』(1963)は、
あれほど少ない登場人物でありながら、最後まで犯人が割れなくて凄い作品でしたが、
『ボーン・コレクター』の映画版は、ちらりと登場しただけの人物が犯人で、
それはないやろ~と唖然としたことをよく覚えています。

そんなだったから、原作を読む気も起こらなかったのですけれども、
このたび読んでみたら、面白い!
原作を読んでみれば、犯人が誰かなんてどうでもよいことで、
捜査の進め方そのものがこの話の醍醐味なんだとわかりました。

映画版ではデンゼル・ワシントンの介護士をクイーン・ラティファが演じていましたが、
原作では男性介護士のトムがリンカーンに付き添っています。
リンカーンを甘やかすことなく、リンカーンの毒舌には毒舌で対抗。
「わがまま言うなら自分でやれば?」的なところがあって可笑しいです。
『最強のふたり』(2011)を思い出しましたが、ドリスよりかなり知的(失礼)。

スコッチウイスキーやブランデーを飲みながら捜査、なんて場面も出てくるため、
読んでいると何か1杯飲みたくなります。
佐藤先生がおっしゃるように「アルコール度の高いものを少しだけ」を守るにも、
こういった海外ミステリーは最適だと思いました。

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『ハッシュパピー バスタブ島の少女』

2013年05月12日 | 映画(は行)
『ハッシュパピー バスタブ島の少女』(原題:Beasts of the Southern Wild)
監督:ベン・ザイトリン
出演:クヮヴェンジャネ・ウォレス,ドワイト・ヘンリー他

グランフロント大阪のオープンで様変わり、人だらけのあの界隈。
地下道を抜ければいつもと変わらないスカイビル、シネ・リーブル梅田にて。

バスタブ島で生まれ育った6歳の少女ハッシュパピー。
母親はずっと前に島から出て行き、父親のウィンクとふたり、動物に囲まれて暮らす。

ハッシュパピーは、人間以外の生物とも会話できる能力が自身に備わっていると信じ、
毎日さまざまな生き物と見つめ合い、心臓に耳を近づけて鼓動を聴く。
また、自然界は繊細な秩序で守られていると彼女は考え、
その秩序が崩壊すれば、伝説の巨獣オーロックスが復活すると信じている。
獰猛極まりないオーロックスの息を決して吹き返させてはならない。

ある日、百年に一度の大嵐がバスタブ島を襲う。
多くの島民たちは嵐を前に非難するが、
ウィンクと一部の島民はバスタブ島に残ることを選ぶ。

しかし、島は丸ごと嵐に呑み込まれ、家屋は水面下へ。
いつまで経っても引かない水をどうするか。
ウィンクらは堤防を破壊して排水することを思いつき、
爆弾を用意して作戦を決行した結果、排水はできたものの、
ドロドロの土に覆われたバスタブ島の生物は死に絶えてしまう。

一方、この爆破によってバスタブ島の存在を知った政府は、
この危険区域から島民を強制退去させることに。
難民キャンプのごとく島民を収容し、負傷者に施療すべく病院へと送り込むが、
そこでウィンクの命が残りいくばくもないことを知らされて……。

バスタブ島は南ルイジアナのコミュニティをモデルにした架空の島だそうです。
無名のインディーズ作品でありながら、アカデミー賞にも4部門でノミネート。
予告編を観て強烈に惹かれて観に行きましたが、
ファンタジーとしてちょっと中途半端だったかな~という印象です。
すぐに思い出したのは、廃墟の室内プールがまるでひとつ国のようだった『ツバル』(1999)。
ちゃんとは覚えていませんが、こちらのほうがずいぶん楽しめた気がします。

ただ、演技が未経験だというふたりは素晴らしい。
ヒステリックな叫び声は時にかなり辛く感じましたが、
ハッシュパピーが成長していくさまは頼もしく、
特にオーロックスと対決するさいの彼女の力強いまなざしと、
父親をみとるさいの彼女の耐える瞳にはキュン。

秩序は崩壊しないものだと信じつづけていたのに、その秩序が崩壊するとき。
そしてそれが元どおにはならないのだとわかるとき。
人はどうすればいいのか、どうするのか。
前向きな姿は、生きる力を与えてくれそうです。

実はこの日は3本ハシゴでした。
本作→『ブルーノのしあわせガイド』『HK/変態仮面』という。
1本目のこれは普通、2本目でニッコリ、3本目でブハッと大笑い。
なかなかいいハシゴの順序でした。

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『ブルーノのしあわせガイド』

2013年05月10日 | 映画(は行)
『ブルーノのしあわせガイド』(原題:Scialla!)
監督:フランチェスコ・ブルーニ
出演:ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ,フィリッポ・シッキターノ,
   バルボラ・ボブローヴァ,アリアンナ・スコンメニャ他

2012年のイタリア映画祭で上映された2011年の作品。
そのときは原題の“Scialla!”そのままに、
『シャッラ/いいから!』として上映されましたが、
邦題も新たに先週末から梅田ガーデンシネマにて公開中。

ローマで気ままな独身生活を謳歌する元教師の中年男ブルーノ。
有名人のゴーストライターとして生計を立て、
自宅で家庭教師のアルバイトもしているが、
真面目に教える気は皆無で、金さえ貰えれば何でもかまわない。

そんな彼の生徒の一人、高校生のルカは、万事適当なブルーノとウマが合う。
宿題さえ済ませてしまえば、あとは好き勝手しようがうるさく言われない。
友だちにもオススメの家庭教師だ。

ある日、ブルーノのもとをルカの母親マリーナが訪れ、
仕事で海外へ行く間、ルカを預かってほしいと言う。
他人の息子をなぜ半年間も預からなければならないのだと断るブルーノに、
マリーノは衝撃の事実を打ち明ける。
なんとマリーノは、ブルーノが15年前にしばし交際した相手で、
ルカはそのときにできた子、つまりはブルーノの息子だというのだ。

ブルーノは驚き困惑するが、父親だという事実は伏せたまま、ルカを預かることに。
こうしてブルーノとルカの共同生活がはじまるのだが……。

中年と言うよりはすでに老年に差しかかっているブルーノですが、
彼は実に反社会的で、そこがルカとウマの合うところでもありました。
けれども自分が父親だと知らされて、少し変化が見え始めます。
落第しそうだと聞けば息子の勉強が気になり、門限も厳しく。

老眼にぎっくり腰、同年代の人であれば身につまされる状態で奮闘し、
急に父性を発揮するのも楽しいところ。
ルカにしてみればワケがわからず、話のわかるオッサンのはずが
いきなり父親面してウザイということになるのですけれども。

ポルノ女優の自伝のためのインタビューや、ヤクザとのトラブルなど、
穏やかな日常に盛り込まれるちょっと平和でない話。
上手い具合にスパイスが効いていて、特にヤクザの“詩人”の話は最高。
どんな仕事に就いていようと、知識欲はあったほうがいい。

原題の“Scialla!”はスラングだそうで、
落ち着け、安心しろ、ほっとけ、なんとかなるさ、そんな感じ。
くよくよ気にしても仕方ない。いろいろあるけど人生は楽しい。
そんな気がする、愛すべき作品です。

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『HK/変態仮面』

2013年05月08日 | 映画(は行)
『HK/変態仮面』
監督:福田雄一
出演:鈴木亮平,清水富美加,ムロツヨシ,安田顕,佐藤二朗,
   池田成志,塚本高史,岡田義徳,大東駿介,片瀬那奈他

梅田ブルク7にて。

公開前から気になっていたのに、なかなか時間が合わず。
けれども、観逃すと後悔するかもしれないと思い、
いつものような効率重視のスケジュールを組むのは止めて、
これのみに照準を合わせました。

こんなに気になっていた本作ですが、前知識はほぼゼロ。
原作の『究極!!変態仮面』は最近の漫画なのかと思っていたら、
1990年代前半の『週刊少年ジャンプ』の連載漫画とのこと。
ということは、誰も教えてくれなかったけど、
私の周りには読んでいたオッサンが多いということですね。

原作の大ファンだという小栗旬が脚本協力(←これって具体的には何を?)、
『コドモ警察』の福田雄一監督による映画化です。ワクワク。

紅游高校の拳法部に所属する色丞狂介(しきじょうきょうすけ)は、
誰もが崇める凄腕刑事だった父親譲りの正義感あふれる若者。
しかし、悲しいかな、見た目に反してヨワヨワ。
今日も絡まれているホームレスを救おうと飛び出すが、逆に殴られてしまう。

痛む口元を押さえて登校したその日、転校生の姫野愛子がやってくる。
信じられないほどかわいい彼女が狂介の隣の席へ。
狂介の傷を見て、虫よけスプレーを差し出す姿すら愛くるしい。

SMの女王である母親は、色気のない狂介のことを常々嘆いている。
愛子をいつ誘うべきなのか、そんなことを迷う帰り道、狂介は銀行強盗騒ぎに遭遇。
犯人は人質を取って立てこもり、その中に愛子も含まれていると言う。

居ても立ってもいられなくなった狂介は、こっそり現場に侵入。
覆面をして愛子の救出に乗り込もうとしたところ、
間違って女性用のパンティを被ってしまう。
ところが、これにより、ドMとドSの両親から受け継いだとおぼしき変態の血が覚醒。
潜在能力が極限まで引き出され、“変態仮面”に変身するのだが……。

校舎の下にお宝が埋まっているらしく、
それを狙う悪党どもが次から次へと変態仮面に挑みます。
まじめ仮面にさわやか仮面、みな可笑しい。

詰め襟姿に違和感のない主演の鈴木亮平はモデル出身の30歳。
この人、超インテリなんですね。しかも見惚れるほどの体。
対する悪党の切り札、安田顕は脱ぐのが大好きな人らしいのですが、貧相で美しくない。(^^;
けれどもどちらも体を張っていて、スバラシイ。
狂介の母親を演じた片瀬那奈のキレ味も最高。おみそれしました。
こんなアホな映画をこんなに真面目に撮る人たち、大好きです。

ほぼ満席の劇場は笑いの渦。
ほかのお客さんに釣られて笑うことも多々あり、
大画面だという楽しさだけではない、劇場で映画を観ることの面白さを堪能しました。
女ひとりで観に行くのは変じゃないかと、
ネットの掲示板で相談している人も見かけましたが、なんで?
躊躇せずに観に行くことをお勧めします。

予告編終了時のCMムービーにも大笑い。
「劇場内では、全裸は禁止です。劇場内では、パンティを被らないでください。
 劇場内のマナーの取り締まりは、変態仮面に任せて、映画をお楽しみください!!」。
……任せていいのか?変態仮面に。(^^;

7月に発売されるDVDは、アブノーマル・パックとノーマル・パックの2種類の予定。
そらアブノーマルなほう、行っとかなあかんでしょ。

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