夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『最強のふたり』

2012年09月06日 | 映画(さ行)
『最強のふたり』(原題:Intouchables)
監督:エリック・トレダノ,オリヴィエ・ナカシュ
出演:フランソワ・クリュゼ,オマール・シー,アンヌ・ル・ニ,オドレイ・フルーロ,
   クロティルド・モレ,アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ他

封切り日にTOHOシネマズ梅田別館アネックスにて。
アネックスのほうではなぜかこれまで映画を観る機会がなく、
足を踏み入れるのはOS劇場のとき以来です。
『クリムゾン・リバー』(2000)を観たのが確かここでした。
この爬虫類顔のお兄ちゃん(=ヴァン・サン・カッセル)と
あの肉感美女のモニカ・ベルッチが夫婦なのかぁとしみじみ思ったおぼえが。

さて、本作は昨年のフランス公開作品のうち、最大のヒットとなった作品。
予告編からして良さそうで、さっそく拝見。

パリに暮らす大富豪の中年男性フィリップは、事故で頸髄を損傷。
話すことに不自由はないものの、首から下は感覚なし。
車椅子の生活を余儀なくされ、自力ではまったく動けない。
女性秘書のマガリとともに、住み込みの介護人候補者を面接中。

そこへやってきたのは大柄な黒人男性ドリス。
貧困層がひしめくアパートの出身で、言葉遣いも態度もめちゃくちゃ。
彼には就職する気など毛頭なく、ただ職探しをした証拠がほしいだけ。
面接に応募したという証明書にフィリップのサインを頂戴すれば、
給付期間終了間際の失業保険をまたもらえると言うのだ。

そんな事情を隠しもせずに話してとっとと帰ろうとするドリスに、
フィリップはこの体ではすぐにはサインできないから、明朝出直すようにと告げる。
約束どおりドリスが翌朝再訪すると、試用するから働いてみろと言うフィリップ。
浴室まで付いた広い個室に惹かれ、ドリスは介護人を引き受けるのだが……。

実在の人物がモデルとなっていて、本人たちはエンドロールに登場します。

貧困層出身で前科もあるドリスのことを雇ったと聞き、
フィリップの知人は、ああいう輩は容赦がないぞ、やめておけと忠告します。
けれどもフィリップは、逆に容赦がないのがいいんだと言います。
ドリスにとってはフィリップはただ普通の人間。
車に乗るときだって、車椅子ごと荷物のように積み込むのはドリスが拒否、
マセラティ・クアトロポルテの助手席にフィリップを座らせます。

そんなふうに、ほかの人のように同情の目では見ないし、
腫れ物に触るような接し方もしないけれど、
フィリップが苦しんでるときには駆けつけて、そばに居ます。
澄んだ空気を吸いにふたりで散歩に出かけるシーンは清々しい。

オペラ鑑賞の席で大声で笑うドリスにだけは駄目だしさせてもらいますが、(^^;
フィリップの趣味であるクラシック音楽もいいとして、
私はやっぱりドリスが大好きなアース・ウィンド・アンド・ ファイアー派。
ちょうど9月、“September”にノッちゃってください。

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