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『僕らのごはんは明日で待ってる』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の12本目@梅田)

2017年01月25日 | 映画(は行)
『僕らのごはんは明日で待ってる』
監督:市井昌秀
出演:中島裕翔,新木優子,美山加恋,岡山天音,片桐はいり,松原智恵子他

『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』の鑑賞後、TOHOシネマズ梅田へ移動。

私がわりと好きな瀬尾まいこの同名小説を映画化。
瀬尾まいこの小説は、ほのぼの穏やかなように見せかけて、
最後に突き落とされることがよくあります。
それは何もどんでん返しなどというわけではなく、
幸せに過ごしていた人が突然事故に遭って亡くなったり、
もしかすると現実にあり得るかもしれないこと。

原作未読で、いまから読むところ。
瀬尾まいこのことだから、このままでは終わらない可能性ありと思って映画を鑑賞。
想像の域は出ない展開で、イマイチな気もしたけれど、
人はいつ死ぬかわからない、明日ごはんが食べられなくなるかもしれないから、
どんなときでもごはんを食べようというメッセージはいつものとおりなのかな。

以下、あらすじはなんとなく姓名の名のほうで書きますが、
「葉山くん」「上村」とずっと姓のほうで呼び合っているふたりです。

高校生の葉山亮太(中島裕翔)は、病気で兄を亡くしてからふさぎ込み、
誰とも友だちになることなく、教室でいつもたそがれている。

そんな亮太の心に土足で踏み込んで来たのが同級生の上村小春(新木優子)。
体育委員の彼女は、体育祭での“米袋ジャンプ”のペアに亮太を指名。
暗い亮太とコンビを組むのを皆が嫌がるから私が、とのこと。
小春につきあわされての参加だったが、ふたりで勝利に貢献する。

体育祭の日、小春からずっと好きだったと告白された亮太だが、
幸せのあとに訪れるかもしれない不幸を思うと人を好きになるのが怖い。
そう正直に小春に打ち明け、やがてふたりはつきあいはじめる。

高校卒業、大学入学、その後も交際は順調。
就職先が内定した亮太は、小春との結婚を考えるように。
両親のいない小春は祖母(松原智恵子)と二人暮らし。
祖母もきっと喜んでくれるはずが、そうではなくてガックリ。

それでもいつか祖母に認めてもらえると思っていた矢先、
小春から突然別れを切り出される。
小春にとって祖母は日本国憲法のようなもの。
それを破って交際を続けるわけにはいかないというのだ。
あまりに理不尽な話だと思うが、小春の意思は固く……。

予想できるでしょうけれど、思いっきりネタバレです。

小春は子宮に腫瘍を持つことが判明。
出産して温かい家庭を築くことが夢だった小春は、
子宮を取ってしまうことになって身を引いたというわけで。

泣きました。泣きましたよ。だけど。
これは韓流かというほどありきたりじゃないですか。

市井昌秀監督のこれまでの作品、一風変わっていて好きでした。
自身の奥様の実際の出産シーンを使用した『無防備』(2007)、
第七藝術劇場で観た忘れもしない『あの女はやめとけ』(2012)。
その後ちょっぴりメジャーになって、星野源がとてもよかった『箱入り息子の恋』(2013)。
それらと比べると、なんでこんなに普通なの。

フリーパスで観る作品としては悪くないし、
それなりに照れ、ニヤけ、ドキドキし、泣きました。
でもこれって、この監督の作風ではない。
恐れているのは、今後あぁまたかと言いたくなるような作品ばかりを
撮る監督になってしまわないかということ。つまらん。

よかったのは片桐はいり
人間なんて、生きてるだけで恥ずかしいんだから、
恋なんてしたらもうものすごく恥ずかしい。
どうせ恥ずかしいんだから、いっそのこともっと青くなれ。
出番は少ないのに、彼女の台詞がとても印象に残りました。

「隣は何を読む人ぞ」じゃないけれど、
序盤、小春が亮太に家から持ってきた本30冊が気になります。
「死んだ人ばっかり出てくる本」って、チラッとでもタイトルを見せてほしいやん。
原作が幻冬舎文庫だからなのか、ほとんどが幻冬舎文庫色でしたけどね。

で、これをUPする時点では原作既読。レビューはこちら
原作では30冊の中身がなんだったかわかりましたが、それは幻冬舎文庫じゃないよん。
ケンタッキーのサンダースおじさんも映画オリジナルだったとは衝撃的。(^o^;

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