夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『みんなのしあわせ』

2004年05月06日 | 映画(ま行)
『みんなのしあわせ』(原題:La comunidad)
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:カルメン・マウラ,エドゥアルド・アントゥニャ,
   マリア・アスケリノ,エミリオ・グチエレス・カバ他

ほんわかしたタイトルからは想像できないスリラーです。
以前、某レンタルビデオ店に入荷リクエストしたけれど
あっさり断られた2000年のスペインの作品。
観る機会がないかもとあきらめていたら、
この連休にスカパーで放映されてました。

マドリードの古いアパート。
不動産会社の営業担当の中年女性フリアは、売り出し中の一室へ客を案内する。
古びた外観とは正反対のゴージャスな内装にフリアはうっとり。
あまりの高値に客が辞退したのをいいことに、
フリアは恋人のリカルドを部屋に呼び寄せる。

ひと晩だけくつろぐつもりで寝室に入ったが、
天井から大量の水とゴキブリが落ちてくる。
仕方なくリビングに戻るふたり。

翌日、別の客が部屋を見にくることに。
慌ててリカルドを追い出し、その場をなんとか取り繕うが、
水漏れがひどくなっていることに気づいたフリアは消防署に連絡する。

上階の部屋には老人がひとりで住んでいるらしい。
応答がないため、消防署員がドアを破って部屋に入ると、そこには老人の腐乱死体が。
遺体を運びだす途中、フリアは偶然老人の財布を拾う。
そこには莫大な財産の隠し場所を記したメモが入っていた。

実はこの独居老人が宝くじに当選したことは、アパートの住人の周知の事実。
人間不信に陥った老人は部屋から一歩も出なかった。
老人が死ぬのを待つこと20年、彼が逃げ出さないよう、みんなで監視。
彼が死亡した折には住人全員で山分けするよう、協定が結ばれていたのだ。
ひとりで丸取りを企むフリアと、よそ者に横取りされることを心配した住人の壮絶な闘いが始まる。

原題は“La Comunidad”で「共同体」の意。
宝くじに当選した老人がショック死しために
村人全員でなんとかその事実を隠して当選金を受け取ろうとする、
ほのぼのとしたイギリス映画『ウェイクアップ!ネッド』(1998)なんかもありましたが、
こちらはそんな甘いもんじゃありません。
痛いわ、えぐいわ、やかましいわ。

監督は『どつかれてアンダルシア(仮)』(1999)を撮った人。
「どつき漫才」で人気を得たコンビが憎みあいの末に死闘を演じる、
これまたサバイバルで凄絶な作品でした。
しかし、スペイン人って、ほんまにあんなによう喋るんですか。

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