夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『幸せなひとりぼっち』

2017年01月13日 | 映画(さ行)
『幸せなひとりぼっち』(原題:En Man Som Heter Ove)
監督:ハンネス・ホルム
出演:ロルフ・ラッスゴード,イーダ・エングヴォル,バハール・パルス他

前述の『弁護人』とハシゴ。同じくシネマート心斎橋にて。
これがまたものすごく素敵な作品で、大好き。
ここ数年、北欧の作品に心奪われることが多く、私の注目株です。

原作はスウェーデン出身の作家フレドリック・バックマンの同名ベストセラー。
ハートウォーミングコメディというのはこんな作品のためにある言葉。

ところで、監督のハンネス・ホルムは54歳とのことですが、なんか老けてる。
そして本作の主人公が59歳という設定なのもあり得ない。
70歳ぐらいの爺さんに見えます。向こうの人ってこんなもんなのでしょうか。

59歳の男オーヴェは、最愛の妻ソーニャを病で亡くす。
何十年と勤めてきた職場では突然リストラに遭い、寝耳に水。
もう死ぬしかないと、首を吊って自殺を図る。

ところが、引っ越してきたばかりの向かいの家が騒々しい。
夫婦と幼い子どもの家族のようだが、旦那は見るからに頼りない。
その妻パルヴァネはものすごく陽気。
自殺を邪魔されてご機嫌ななめのオーヴェにもかまうことなく、
あれを貸してくれ、これを手伝ってくれと好き放題。

最初の自殺に断念して以降、あの手この手で自殺を図るが、いつも失敗。
とりあえず近所の住民にイライラを悟られることなく過ごしたいのに、
もとより偏屈のオーヴェにとって、腹立たしいことばかりで……。

死にたいんだから、近所のことなどどうでもいいはずが、
几帳面なオーヴェは近隣をあれこれチェック。
車両通行禁止ゾーンに車が入れば怒鳴り、放置自転車は勝手に撤去。
犬の散歩にも口うるさく、猫の侵入に目くじらを立てます。
どれだけ偏屈なんだと思っていると、徐々に明らかにされる彼の過去。

妻の死に気持ちの整理をつけられないオーヴェ。
回想シーンを見ればそれも納得。素敵です。

邦題がしっくり来ないのが残念なところ。
けれどこれは観る価値あり。ものすご~くあったかい。

年の瀬も迫ってから観たから印象に残ったのではなく、
もしも去年の初めに観ていても1年ずっと覚えていたと思います。

サーブ対ボルボ、どっちがお好み?

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