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『嫌な女』

2016年07月05日 | 映画(あ行)
『嫌な女』
監督:黒木瞳
出演:吉田羊,木村佳乃,中村蒼,古川雄大,佐々木希,袴田吉彦,田中麗奈,
   テット・ワダ,宅間孝行,寺田農,ラサール石井,大宅みゆき他

観てからずいぶん日が経ってしまいました。
先々週の土曜日の朝イチに1本だけ、なんばパークスシネマにて。

以前「なんばパークスシネマ地獄」にハマると書きましたが、
キリがないのでハマるのは止めにしました。
割引クーポンの有効期限が来て流れてしまっても気にしない。
なんばパークスシネマで観るのは時間的にビタッとはまるとき、
あるいはマイルが貯まるTOHOシネマズでは上映していない作品のとき。
で、本作はまさにそれに当てはまったのでした。

黒木瞳が初監督作品に選んだのは、どうしても映画化したかったという桂望実の同名小説。
映画化してみればわりとありがちな作品に思えますが、女性の共感は得やすい。
ものすごく良かったわけではないけれど、
それなりに笑えて想定していたよりは泣けて、余裕の及第というところかと。

石田徹子(吉田羊)と小谷夏子(木村佳乃)はいとこ同士。
おとなしく控えめで感情をあらわにしない子どもだった徹子に対し、
夏子は自分が常に特別な存在でありたいワガママな子ども。
そのせいで徹子は傷つけられ、夏子とは距離を置いてきた。

真面目な徹子はこつこつと勉学に励み、司法試験にストレートで合格。
荻原道哉(ラサール石井)が所長を務める法律事務所に採用される。
荻原と事務員の大宅みゆき(永島瑛子)はとても優しい。

やがて結婚した徹子は順風満帆な人生を送っていると思われたが、
実際には夫との生活はすれちがいばかり。
寂しさも悲しさも表そうとしない徹子から夫は離れてゆく。
仕事の面でも顧客に冷ややかな印象を与えてしまうらしく、
担当を変えてほしいという希望がしょっちゅう。

そんなある日、事務所に夏子が現れる。
二度と関わりたくないと思っていたいとこの登場に徹子は愕然。
しかし荻原の指示には逆らえず、依頼内容を聞いてみると、
交際していた男性を振ったら婚約破棄で慰謝料を請求されたと言う。
さらに詳しく聞けば、どう考えても夏子の結婚詐欺

寂しくも平穏な日々を送っていたはずの徹子は、
ひとつ片付ければまたひとつ、トラブルだらけの夏子に振り回されて……。

吉田羊はこれ以上ないくらいこの役にピッタリ。
綺麗だけど地味で堅物の徹子を完璧に演じています。
永島瑛子演じる事務員さんに出来すぎの人の感がありますが、
振り返ってみればこの人も日活ロマンポルノ出身。
男優にしろ女優にしろ、ロマンポルノできっちり演じてきた人は
脱がなくなってからも、良い役の需要があるんだなぁと思いました。

はちゃめちゃな夏子だけれども、狙った老人のことはきっちり面倒をみる。
金目当てなだけでは決してできない献身的な態度に、
病院で知り合った老人(織本順吉)が苦労をかけた妻のことを思い出し、
徹子に頼んでビデオレターを作成するシーンに涙涙。
ここはとてもよかったです。

黒木瞳監督の2作目はどんなふうになるでしょう。
次も同じ路線ではつまらないので、意表を突くやつで頼みます。

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