夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『それでも恋するバルセロナ』

2009年12月03日 | 映画(さ行)
『それでも恋するバルセロナ』(原題:Vicky Cristina Barcelona)
監督:ウディ・アレン
出演:ハビエル・バルデム,ペネロペ・クルス,スカーレット・ヨハンソン,
   パトリシア・クラークソン,レベッカ・ホール他

ニューヨークをこよなく愛すウディ・アレンが
ロンドンで3本(これとかこれとか)撮ったと思ったら、今度はバルセロナ。

親友同士のヴィッキーとクリスティーナは、
アメリカを離れて夏休みを楽しもうとスペインへ。
バルセロナで優雅に暮らすヴィッキーの親戚宅に滞在する。

ある画廊で開かれたパーティーに出席した2人は、
多くの客の中でひときわ目立つ中年男のことが気になって仕方がない。
親戚に彼の素性を尋ねると、それは画家のアントニオで、
元妻と殺傷沙汰を起こしたとの噂。
どちらかがどちらかを刺したらしい。

画廊を出て飲みに入った店で、2人はまたもやアントニオと出会う。
アントニオは彼女たちのテーブルに寄ってくると、
今から自分が住む町オビエドに招待したいと言う。

親友とはいえ、恋愛観だけはまったく異なる2人。
下心見え見えどころか、下心があると言い切ってしまうアントニオに、
強い色気を感じてその気満々のクリスティーナと、
真面目な婚約者を持つ身で警戒心を露わにするヴィッキーだったが、
結局2人ともオビエドへと飛ぶことに。

ところが、イケイケのはずのクリスティーナが体調を崩して寝込み、
ヴィッキーがアントニオと過ごすはめになる。
あんなに嫌っていたアントニオにいつしかハマるヴィッキー。
やがてクリスティーナが全快し、ヴィッキーは想いを胸にしまい込む。
そこへ、アントニオの元妻マリアが現れて……。

今年74歳になったウディ・アレン。
79歳のクリント・イーストウッドと同じく、
自分の監督作で自ら主演、自分の好みの美女を脇に据えるのは
もうそろそろやめたほうがいいと悟ったのか、
彼が主演を張っていない最近の作品は、色気に無理がなくて○。

アントニオを演じるハビエル・バルデムは毎度お見事。
全身麻痺の病人、殺人鬼、エロ神父、初恋の女性を50年以上待った男性、
何を演じても素晴らしい。クセのある顔なのに、確かに色気を感じます。
ここに登場する3人の同棲生活が変だとも思えなくなる不思議。

某番組で、みうらじゅんとリリー・フランキー、それに高見沢俊彦が、
恋していないアーティストなんてつまらないと話していました。
その言葉に説得力を持たせる本作。
こんな洒落た恋愛話を撮り続けてください、ウディ・アレン監督。

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