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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『人のセックスを笑うな』

2008年02月13日 | 映画(は行)
『人のセックスを笑うな』
監督:井口奈己
出演:永作博美,松山ケンイチ,蒼井優,忍成修吾,あがた森魚他

大雪に見舞われた先週土曜日、ロードショーにて。

この日、いったい何度、このタイトルを言い、
何度、従業員の方々が言うのを聞いたことでしょう。
恥ずかしいと思うから恥ずかしい。
普通に言えば、なんちゅうことありません。
いや、やっぱり恥ずかしいかも。

原作は山崎ナオコーラの同名小説。
大胆なタイトルに反して、
クスッと笑える純粋なラブストーリーです。

明け方の車道で、靴を脱ぎ捨てて歩いている女性。
終電に乗り損ねた彼女はヒッチハイクを試みるが、
なかなか車は止まってくれない。

そこを軽トラックで通りかかったのが、地元の美術学校に通う、
19歳のみるめ(♂)と堂本(♂)、えんちゃん(♀)の3人。
「荷台でよければ」と女性を乗せる。
荷台から下りる彼女に自分のサンダルを差し出すみるめ。

ある日、学校内の喫煙所で、みるめは隣の女性から火を借りる。
それがあの荷台の彼女だと気づくが、
彼女はみるめのことをまったく覚えていない様子でガックリ。

やがて、彼女は新任の非常勤講師ユリであることがわかる。
39歳のユリにぞっこんになってしまったみるめは
彼女のいるリトグラフ教室に足繁く通ううち、
「絵のモデルにならない?」とユリに誘われる。

ユリのアトリエである一軒家を訪れると、
みるめは服を脱ぐように言われる。
ほとんどそのまま押し倒されるような形で(たぶん)、
ユリと関係を持ったみるめはますます有頂天に。
みるめに密かに想いを寄せていたえんちゃんは気が気でなくて……。

登場人物が揃いも揃ってカワイイです。
長廻しで撮られているために、
観ているこちらが、じっと、ずっと、
その場を見守っているような気にさせられます。
ひとつひとつの表情や仕草に共感したり、照れたり。

ユリの夫の猪熊さんが、みるめに食べ方を講釈するお菓子が
私のお気に入りでもある山梨銘菓「桔梗信玄餅」だったり、
こそっと映る缶入りドリンクが「おしるこ」だったり、
妙にくすぐられる場面もいっぱい。

しかし、万人にはお薦めできません。
人によっては退屈なこと、このうえないかも。
おそらくタイトルに釣られて入場した隣のオッチャンが、
途中で退出したのには笑いました。

「だって、触ってみたかったんだもん」って駄目?
「会えないからって、何かが終わるわけじゃないだろう」。うん。

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