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『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

2019年09月29日 | 映画(あ行)
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(原題:Eighth Grade)
監督:ボー・バーナム
出演:エルシー・フィッシャー,ジョシュ・ハミルトン,エミリー・ロビンソン,ダニエル・ゾルガードリ,
   ジェイク・ライアン,ルーク・プラエル,フレッド・ヘッキンジャー他
 
甲子園で阪神vs広島戦を観戦。
いつになく早いペースで試合が進み、終わったのが16時半頃。
球場を満員にした客が一斉に帰るわけだから、
阪神甲子園駅は入場制限するほどの混みっぷり。
やっとの思いで阪神電車に乗り、17時半に梅田に到着。
 
晩ごはんの予約は20時半で、あと3時間もある。
本を読んでいればこれぐらいの時間は潰せるのですが、
もしものときのためにと調べてあった上映スケジュールを確かめたら、
本作の上映時間がばっちり合う。シネ・リーブル梅田へ。
 
サンダンス映画祭でプレミア上映された後、アメリカのわずか4館で公開。
口コミで大評判となり、公開2週目には33館に拡大公開。
日本でいうところの『カメラを止めるな!』(2018)ですね。
「映画の神々からの贈り物」とまで評されるほど話題になった作品で、
オバマ元大統領も昨年公開作品のベストだと言ったとか。
 
父親と二人暮らしの中学生ケイラは、あと1週間で高校生になる。
にきび面のぽっちゃり体型で内気な彼女は、
YouTubeに動画を投稿しているが、ほとんど視聴されていない。
友だちもおらず、同級生に話しかけてはみるものの、ほぼスルー。
 
同じクラスの男子エイデンのことが好きでたまらず、
彼とお近づきになる方法を探ると、エッチな写真を見せればよいとわかる。
それでエイデンが振り向いてくれるなら止むを得ずと考えるケイラは……。
 
どうしようもなくイライラさせられる作品でした。
 
いい子はいい子みたいだけど、背伸びしすぎ。
どんくさくて、空気の読めないところもある。
同級生の女子の中にはケイラと合いそうな子もいるだろうに、
目立つグループの女子にばかり話しかけてつれなくされる。
彼女の投稿する動画にしても、誰がこんなアドバイスに耳を傾けるというのか。
 
なんでこんな作品が絶賛されるのかちっともわからなかったのですが、
ふと気づく。中学生ぐらいって、こういうものだよねと。
 
正直言って、私は中学校時代にいちばん思い入れがありません。
友人関係もいちばん面倒だった頃で、
親のこともたぶんいちばん鬱陶しく思っていた時期(笑)。
 
ケイラのお父さんが本当にいい人。
経済的に余裕はあり、娘に物理的には不自由をさせていない。
でも母親にはなれないから、年頃の娘のことが気になるけれど、
どこまで口出ししてよいのか、どう接するべきか悩んでいるのが伝わってくる。
子どもさんのいる人はこの気持ちがきっとよりわかることでしょう。
 
ちょっぴりふっきれたケイラを見られるラスト15分で、
やっぱりいい作品だったように思えて、イライラも吹き飛ぶ。
観た翌日には、さらにいい作品だった気がして不思議です。
 
ま、でも、中二病女子を描いた作品なら、
私は『スウィート17モンスター』(2016)のほうが好きかな。

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