夜な夜なシネマ

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『赤ちゃんの逆襲』

2006年07月21日 | 映画(あ行)
『赤ちゃんの逆襲』(原題:Mauvais Esprit)
監督:パトリック・アレサンドラン
出演:ティエリー・レルミット,オフェリエ・ウィンテル,
   レオノール・ワトリング,ミシェル・ミューラー他

フランス映画というと小難しいイメージがあるのか、
はなから苦手だという人がまわりに多いですが、
フランスのコメディ映画は奇抜でお薦めです。

建築家を夢見るシモンは、資格試験に落ちて、
いまはしがない似顔絵描き。
同居中の恋人はシモンの友人と長らく浮気しているが
シモンはまったく知らずにいる。

ある日、シモンはかつて自分が描いたデザインに
うりふたつの建物を見かける。
その建設会社の社長ヴァンサンの盗作だと確信したシモンは
自らのデザイン画を証拠品として携え、
ヴァンサンのもとへ出向く。
しかしヴァンサンはシモンのことなど相手にしない。
警備員によって叩き出されたシモンは
偶然にもヴァンサンの車にはねられて死亡する。

時を同じくしてヴァンサンの妻が産気づく。
昇天の瞬間、不思議な感覚に襲われたシモンは
社長夫妻の息子として生まれ変わったのだ。
待望の息子誕生に大喜びするヴァンサン。
一方、憎むべき男の息子として再び生を受けたシモンは
復讐に燃える赤ちゃんとなる。

本国で大ヒットを飛ばした作品で、かなり過激です。
大会社の社長で大金持ち、洗練された身のこなしで
仕事中は一切甘い顔を見せないヴァンサンが
赤ちゃんにはメロメロ。いい父親になろうと一生懸命。
ところが赤ちゃんはヴァンサンにだけミルクを吐きかける。
ヴァンサンの就寝時には豪快に夜泣き、朝まで寝かさない。
最初はヴァンサン=嫌な奴だと思っていたのに、
母性のかけらもない妻や、あまりにいい加減な母、
長電話に明け暮れて盗みをくり返すメイド、
ヴァンサンを脅迫するシモンの恋人や友人を知るにつれ、
もしやヴァンサンがいちばんマトモかもと思えてきます。
どんなに嫌われても息子に愛情を注ぐヴァンサンは
男親のみなさんの涙さえ誘うかもしれません。

こんなに愛されている赤ちゃんが、
ヴァンサンの最大の不幸はすなわち自分の死だと気づき、
試みる数々の自殺未遂は不謹慎ながら笑いの渦。
アイロンを引っ張ったり、お風呂で溺れようとしたり、
たんすの上から落ちようとしたり。
また、こうした行動に出るには体力が必要と
QUEENの“We Will Rock You”の曲をバックに
体を鍛える赤ちゃんの姿は抱腹絶倒。

こんなフランス映画ならいかがです?

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