夜な夜なシネマ

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『秘密のかけら』

2006年07月18日 | 映画(は行)
『秘密のかけら』(原題:Where the Truth Lies)
監督:アトム・エゴヤン
出演:ケヴィン・ベーコン,コリン・ファース,アリソン・ローマン,
   レイチェル・ブランチャード,デヴィッド・ヘイマン他

コリン・ファースつながりで、
新作落ちしたばかりの彼の出演作を。

以前、「恥ずかしくって借りられない」ということで、
レンタルをためらうタイトルやジャケットについて書いたことがあります。
そのときに挙げたのがアトム・エゴヤン監督。
確かに本作もR-18指定なのですが、
あまりにエロいジャケットと「第一級官能サスペンス」の謳い文句に
ホンマのエロエロ映画を期待して借りると撃沈。
『高慢と偏見』TV版(1995)や『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001&2004)のMr.ダーシー・ファンは
コリン・ファースのお尻を拝めます。

1972年のロサンゼルス。
若手女性ジャーナリストのカレンは
15年前に超売れっ子だったふたり組タレント、
ラニーとヴィンスについての暴露本を企画している。

当時、ふたりはテレソンと呼ばれる長時間番組の人気者。
下品な米国人の役回りのラニーと英国の紳士然としたヴィンスのコンビは
巧みな話術で視聴者から多額の寄付金を集め、
スポンサーにとっては手放せない存在。

そんな彼らが人気の絶頂期に突然解散する。
きっかけとなったのはある女性の変死事件。
彼らの宿泊先のホテルのスイート・ルームで浴槽に身を沈めて死んでいた女子大生。
酒と薬が検出されたことから溺死として片づけられるが、
コンビの間にはなぜかギクシャクとした雰囲気が流れ、解散。
現在はひとりずつ細々と芸能活動を続けている。

ヴィンスの取材許可を得たカレンは真相を究明しようと野心に燃えるが、
偶然ラニーとも出会って、事は予想外の方向へ。

原作者はプロデューサーとして芸能界で活躍したルパート・ホームズ。
華やかな舞台の裏側を知り尽くしている人が書いているだけあって、
これはあくまで虚構の世界ですが、映画という虚構の世界に、
虚構に満ちた実存の世界が描かれているようです。
「常にナイスガイでいることはもっとも辛いことだ」という台詞が重く。

エロいけど、ホントに一級サスペンス。
これじゃジャケットに偽りなし?

アトム・エゴヤン監督はエジプト生まれのカナダ育ち。
私はこの監督の作品を観るたび、知らなかったカナダを知り、
「気候が映画をつくる」の確信を深めます。

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