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『ヘルボーイ』

2005年04月14日 | 映画(は行)
『ヘルボーイ』(原題:Hellboy)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ロン・パールマン,ジョン・ハート,セルマ・ブレア,ルパート・エヴァンス他

「奇形」に愛情を示す監督って意外と多いのかも。
『デビルズ・バックボーン』(2001)とはまたちがう、娯楽度の高い作品ですが、
いびつな形に惹かれているのがわかります。

第二次世界大戦の末期、
敗色濃厚だったナチスが一発大逆転を狙って、怪僧ラスプーチンと手を組む。
ラスプーチンとはロマノフ王朝に生きた実在の僧で、
青酸カリ入りのケーキを平らげても、
拳銃で撃たれても死ななかったという伝説の悪党。

この不死身の僧ラスプーチンの妖術を使い、
異界から邪神を呼ぶのがナチスの作戦。
しかし、ラスプーチンが異界の扉を開いた瞬間、連合軍が奇襲をかける。
その結果、ラスプーチンは異界に呑み込まれ、代わってこの世に生まれたのが、
真っ赤な姿に巨大な右手を持つ悪魔の子、ヘルボーイ。
連合軍に同行していた超常現象学者のブルーム教授はヘルボーイを引き取り、息子として育てる。

それから60年後。
老いたブルームはFBIの秘密機関、超常現象調査局で
ヘルボーイや半魚人のエイブと生活をともにしていた。
魔物が頻繁に出没するようになった今、事件が起こると、
ブルームの指揮のもと、ただちにヘルボーイらが魔物退治に駆けつける。
闇に紛れて活躍するヘルボーイは人びとの関心の的であり、ヒーローでもあった。

このヒーローのお目付役を言い渡されたのが、新米捜査官のマイヤーズ。
噂のヘルボーイが実在すると知り、面食らう。
愛想の悪いヘルボーイは、マイヤーズにもそっけない。

やがて、ラスプーチンが生き返り、世界征服を再び企てる。
異界最強の邪神を召還するには、悪魔の子であるヘルボーイが必要だ。
ヘルボーイを自分のもとにおびき寄せるため、画策を始めるラスプーチン。

見た目はイケてないけど、正義の味方で実は心優しいアメコミ・ヒーローの定番。
最後まで楽しんで観られます。
想いを寄せる女性がマイヤーズと出かけて嫉妬するヘルボーイの姿もケナゲ。

ついでに、奇形好きといえばデヴィッド・リンチ。
『イレイザーヘッド』(1972)を観ればそれが瞭然ですが、
単に奇形好きが高じて撮ったはずの『エレファント・マン』(1980)が
感動的な作品として取り上げられ、
監督本人は不満に思っているにちがいない、というのは有名なお話。

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