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『ナイチンゲール』

2020年04月20日 | 映画(な行)
『ナイチンゲール』(原題:The Nightingale)
監督:ジェニファー・ケント
出演:アシュリン・フランチオージ,サム・クラフリン,ベイカリ・ガナンバー,
   デイモン・ヘリマン,ハリー・グリーンウッド,ユエン・レスリー他
 
この日も本作を観るためにシネ・リーブル梅田へ。
仕事でオーストラリア先住民であるアボリジニの資料を見ることが続いていたので、
アボリジニがどのように迫害されていたのかを知りたくて。
 
19世紀、英国植民地時代のオーストラリア、タスマニア島
些細な罪を犯してもここへ流刑されるような時代。
 
窃盗の罪で流刑されたアイルランド人の女性クレアは、
彼女の美貌と歌声を気に入った英国軍将校ホーキンスに目をつけられる。
ホーキンスは彼女とその夫エイデンに家を与えたものの、
クレアのことをまるで奴隷のように扱い、刑期を終えても釈放しようとしない。
 
エイデンがホーキンスに抗議して諍いになり、
揉めているところをホーキンスの上官が見咎める。
上官はホーキンスの昇進は見送ると宣言する。
 
エイダンに怒りの矛先を向けたホーキンスは、
深夜、部下を連れてエイデン宅に侵入。
クレアをレイプした挙句、彼女の目の前でエイデンと赤ん坊を殺害。
殴打されて死んだかと思われたクレアだったが、翌朝意識を取り戻す。
 
絶対に復讐する。そう誓ったクレアは、
ホーキンスが昇進を直訴しようと軍幹部の駐屯地ローンセストンへ急遽旅立ったことを知る。
ローンセストンまでひとりで行くのは無理だと判断し、
先住民アボリジニの若者ビリーを道案内として雇うのだが……。
 
ある映画祭で上映されたさいは、レイプ等の凄絶なシーンに退席した客が多くいたそうです。
確かにとてもとてもつらいシーン。
 
作品自体も一貫して重暗く、笑えるシーンなどひとつもありません。
最後も復讐は果たしたところでハッピーエンドではないから、きついのなんのって。
 
こうして映画でアボリジニを取り上げたものを観るのは初めてで、
アボリジニが遭ってきたことについて知れました。
アボリジニに限らず、先住民を描いた作品には悲哀を感じますね。
そのほか、生活の困窮からほんの少しの食べ物を盗んだだけで島流しって、
愕然とすることがいっぱいで、打ちのめされます。
 
この日を最後にテアトルグループは全館休業に入りました。
上映終了後、切ない気持ちで帰る客を見送ってくれるスタッフ。
一時的な休業のはずなのに、もうこれっきりみたいな気がして寂しかった。
早く再開できますように。

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