夜な夜なシネマ

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『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』

2020年04月19日 | 映画(は行)
『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』(原題:The Biggest Little Farm)
監督:ジョン・チェスター
 
4月の2週目の月曜日。
この日、まもなく大阪に緊急事態宣言が発令されそうな話になっていて、
そうしたらテアトルグループも休館するとの噂。
本作ともう1本、どうしても観たい作品があったため、
観そびれることを避けようとシネ・リーブル梅田へ。
2本ハシゴできれば連日終業後に梅田まで車を走らせる必要はなかったのですが、
どこの劇場も遅い時間の上映はもはや中止されていたので叶わず。
1日1本観ることになりました。
 
ある夫婦が農場づくりをゼロから始めました。
その様子をフィルムに収めたドキュメンタリー作品です。
夫婦の夫自身が監督を務めています。
 
野生生物番組の制作者兼カメラマンとして活躍するジョン・チェスター。
料理研究家である妻モリーもブログチャンネルを持って活躍中。
 
あるとき、ふたりは殺処分を待つ犬の世話をする人に会います。
200匹もの犬がいると聞き、愕然とするジョンとモリー。
そのうちの1匹と目が合って、この子を引き取ろうと決めます。
 
トッドと名付けられたその犬は、可愛くて可愛くてたまらない。
夫婦といるときはとっても良い子なのに、
ひとりきりでお留守番ということになるとずーっと吠えているらしい。
いろいろ工夫を凝らしてみてもご近所からの苦情が止まず、
ふたりはトッドのために郊外へ引っ越すことを検討。
 
ところがこれが普通の引越しではないところが凄い。
なんと東京ドーム約17個分相当の荒れた土地を購入。
ゼロから農場づくりを始めちゃうんですねぇ。
 
もともとそういう知識があったわけではない。
甘い考えで始めたといえばそうでしょう。
そもそもそんな資金もない。
仲間内で理想の農場の話をしたら、みんなに笑い飛ばされたけれど、
それがなんとなく口伝えに広がって、賛同者が現れます。
 
伝統農法を熟知する人に教えを請い、自然と共生する再生型の農場を。
作物を育てるのは無理だといわれていたパサパサの土も、
自然に基づいた方法を続けていれば甦る。
皆に厭われる動物にもきちんと役割があって、
本作を見ていると害獣や害虫なんて本当は存在しないのではとすら思いました。
コヨーテも、ホリネズミも、てんとう虫も、すべての生き物に役割がある。
 
野生動物を撮り続けてきた人だけあって、映像がとてつもなく美しい。
少しでも多くの人にご覧いただきたい作品ですが、
コロナ騒動で上映がどうなるのか。残念で、心配でなりません。

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