夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『サマーフィルムにのって』

2021年09月09日 | 映画(さ行)
『サマーフィルムにのって』
監督:松本壮史
出演:伊藤万理華,金子大地,河合優実,祷キララ,小日向星一,池田永吉,篠田諒,
   甲田まひる,ゆうたろう,篠原悠伸,板橋駿谷他
 
訳あって『ある家族』を先にUPしましたが、
今日と明日はそれと同日にシネ・リーブル梅田にてハシゴした2本です。
ハシゴにちょうどいい時間帯だったために鑑賞したノーマーク作品だったのに、
これがわたしの「どストライク」。めちゃめちゃ好きでした。
 
監督は映像作家の松本壮史。知りません。ごめんなさい。
その松本監督が劇団“ロロ”の主宰者・三浦直之と共に手がけたオリジナル脚本
主演は元乃木坂46伊藤万理華とのことなんですが、
彼女の名前で検索すると、「伊藤万里華 おばさん」と推測変換候補が出ます。
アンマリじゃないですか(笑)。でもなんとなく頷いてしまってごめん。
そのおばさんっぽいキャラが最大限に生かされていると思います。
 
高校生のハダシ(伊藤万里華)は時代劇オタク。
勝新太郎、市川雷蔵、三船敏郎のことなどを語り出すと止まらない。
映研に所属するハダシは、『武士の青春』という脚本を書き、
文化祭で上映する映画の脚本コンペに応募するが、無残に敗退。
勝利したのは学校のマドンナ的存在の超可愛い花鈴(甲田まひる)が書いた、
『大好きってしかいえねーじゃん』というキラキラ青春ラブコメ。
 
「好き好き言い合ってるだけじゃん!」と、ハダシの怒りは止まらない。
それをおもてに出すわけにもいかず、
親友で天文部のビート板(河合優実)と剣道部のブルーハワイ(祷キララ)に愚痴る。
『武士の青春』を面白いと認めてくれているふたりは、
ハダシもその脚本で花鈴たちとは別に映画を撮ればいいと言うが、
主人公の猪太郎にピッタリの人物がなかなか見当たらないのだ。
 
そんなある日、ハダシはこの人こそ猪太郎だという男子に遭遇。
凛太郎(金子大地)というその男子に出演を懇願すると彼は固辞するが、
「でもハダシ監督は映画を撮らなきゃいけない」と妙なことを言う。
凛太郎が出てくれないなら映画は撮らないと言うと、彼は渋々承諾して……。
 
すべての設定が大好きです。
 
凛太郎は実は未来からタイムマシンに乗ってやってきた男子。
時代劇の大ファンで、凛太郎のいる世界ではハダシは有名な監督。
彼女に会うために過去にやってきたことが後々わかります。
 
凛太郎の主演が決まり、その相手役や裏方をハダシは次々とスカウト。
相手役には老け顔のダディボーイ(板橋駿谷)を抜擢、
照明係にはデコチャリに乗る小栗(篠田諒)。
録音係には、野球部の補欠、駒田(小日向星一)と増山(池田永吉)を。
このふたりは、球を捕る音で投手が誰か当てるというすばらしい耳を持っています。
殺陣の指導は剣道部のエース、ブルーハワイが担当し、もう楽しいのなんのって。
 
ビート板役の河合優実をどこかで見たことあるなと思ったら、
『喜劇 愛妻物語』(2019)で高速うどん打ち名人の女子高生役でしたねぇ。可笑しい。
本作の彼女はあんな奇天烈な人ではありませんが、天文部なだけに大のSF好き。
最初に読んでいる本は『時をかける少女』
その次は何を読んでいるか問われて「ハインライン」と答えていましたからまずこれでしょう。
彼女だけは早いうちに凛太郎が未来から来たと気づいています。
みんなにそれがバレたあとは、何が起きているのかを彼女が解説。
タイムパラドクスについても説明してくれるけど、やっぱり難しい(笑)。
 
高校生が映画を撮る。『映像研には手を出すな!』(2020)もまぁまぁ楽しかった。
しかしあれよりこっちのほうが規模が小さくてお金もかかっていないでしょうに、
なんとワクワク感の大きいことよ。
 
キュンキュンすぎるやろ!サイコー!

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