「息子の命の危険感じる」
南スーダンPKO(国連平和維持活動)に参加する陸上自衛隊第11次派遣隊のうち、第1陣となる約130人が20日午前、青森空港(青森市)から出発しました。東京・羽田空港を経由して21日には同国の首都ジュバの宿営地に到着します。残る220人は12月14日までに出発する予定です。
![]() (写真)出発前に家族と握手を交わす隊員=20日、青森空港 |
政府は15日の閣議決定で、南スーダンPKOに関し戦争法=安保法制に基づく自衛隊初の新任務として、「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」を付与。任務遂行のための武器使用が可能となりました。加えて南スーダンの治安情勢が悪化していることで、出発する自衛隊員を見送る家族からは不安の声が相次ぎました。
6歳と7歳の娘とともに見送りに来た女性(31)は「夫からは南スーダンに行くことを夏に告げられました。どんな国なのかまったくわからず、調べてみると情勢が悪くて心配になってしまいました。政府はジュバは安全だというけど、何が起こるかわかりません」と言いました。
警備小隊に所属する息子が派遣されるという女性(64)は涙ながらに語りました。「『駆け付け警護』のことを聞いたとき、戦争の一環のような印象を受けました。武器をもって『駆け付け警護』をしてしまうと、(平和な)日本がその先に進んでしまいそうで怖い。息子の命の危険を感じて、本当に不安です」
青森空港前では、自衛隊の南スーダン派遣に抗議する日本平和大会青森県実行委員会による行動が行われました。
戦争法で初の派兵
青森駐屯地 壮行式開く
内戦状態の南スーダンに派兵されるPKO(国連平和維持活動)第11次派遣隊の壮行式が19日、青森駐屯地(青森市)で開かれ、陸上自衛隊第9師団を基幹とした隊員約350人と家族約300人が参加しました。
安保法制=戦争法に基づく新任務「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」が付与され、任務遂行のための武器使用が可能になります。戦争法に基づく初めての海外派兵です。先遣隊約130人が20日、青森空港を出発。主力部隊は12月中旬までに順次、派兵されます。
稲田朋美防衛相は訓示で、新任務付与について、「自衛隊の国際平和協力の歴史の中で、新たな一歩となる」と強調。第11次隊の田中仁朗隊長は記者会見で、「武器使用の細部について(の説明)は安全確保のため控える」とした上で、「武器を使わないといけない場面では、法の枠組みの中で武器が使えるように訓練してきた」と強調しました。
今回の部隊には、過去最高となる15人の女性隊員が含まれています。10代の隊員も数人いるといいます。家族席では乳幼児を抱えた女性の姿が目立ち、式典の最中も、子どもの声が響き渡りました。
同日、青森市内では20日に告示される青森市長選必勝に向けた青年リレートークが行われていました。同市在住の男性(37)は「震災のとき自衛隊は復興支援にすごく頑張ってくれて、今でも感謝する思いだ。稲田防衛相は、もしも南スーダンで隊員に何かあった場合は『私が責任をとる』と発言した。命がかかっているのに、責任とって済む問題ではないし、安易な考えで戦地に派遣されてしまうのだと思った。自衛隊員と私たち国民の命の重さは同じだ。無責任な安倍政権のもとで隊員を戦地に送らせたくない」と力強く訴えました。
コメント(自分たちは死なないもんね!! ?― 安倍自公政権)