東京都が築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区、東京ガス豊洲工場跡地)の土壌汚染問題で、小池百合子都知事は17日、築地市場を訪問し、都が豊洲市場開場の条件として約束した汚染土壌の「無害化」を達成できていないことについて、市場関係者に謝罪しました。
築地市場講堂に集まった約130人の業者らを前に、小池知事は「約束を守れていないことについて、改めて都知事としておわび申し上げたい」と謝罪。築地市場が仲卸業者の「目利き」の力で築かれた世界にまれなブランド力を持つことにふれ「その歴史をあっという間に消し去ることはできない。築地という東京の宝をどう継続させ、発展させるか、みなさんと知恵を出したい」と述べました。
仲卸業者などの市場関係者が、豊洲移転に賛成、反対を含むさまざまな立場から発言しました。
水産仲卸でつくる東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は、豊洲移転の可否について「時間をかけてしっかり検証、検討し、私たちにもちゃんと報告してほしい。私たちの考えも知事にお示ししたい」。水産仲卸「大政本店」の小槻義夫さんは「豊洲への移転は、安全・安心が確保できないので、築地で再整備してほしいというのが仲卸の大多数の意見だ。築地の地を離れると築地ブランドはなくなる」と語りました。
小池知事は「みなさんの声、思いをちゃんと生かす(判断をしたい)。築地は東京の、日本の食の中心であり続けることは変わらない。みなさんからも意見を聞き、基本的な方針を詰めていきたい」と述べました。
懇談に出席できなかった市場業者らは会場付近でインターネット中継を見守り、懇談を終えた小池知事が姿を見せると「築地で再整備をしてください」などと声をかけました。