全日本年金者組合は14日、東京都内で記者会見し、年金切り下げに抗議する行政不服審査請求の請求人が6万人を超えた、と発表しました。集めた請求書は、31日に全国約70カ所の年金事務所または地方厚生局に提出します。当日は集会やデモ行進も計画し、削減の不当性を広くアピールしたいとしています。
安倍政権は物価の下落を口実に、2015年までに年金を2・5%削減する計画の第1段階として、昨年10月分から1%削減しました。消費税が増税される4月にさらに1%、2015年4月に0・5%引き下げます。
年金者組合はこうした動きに抗議して、全国いっせいで10万人規模の不服審査請求をと幅広く呼びかけました。請求人は、14日正午時点で6万112人に達しています。
全日本年金者組合の冨田浩康委員長は会見で、「今回の不服審査請求運動を通じて、高齢者の生活実態を掌握しないまま、引き下げを上から押し付けることに対する怒りの強さを改めて感じた」と強調。「3000万人年金受給者を敵に回したら安倍政権の命はないと示すために、断固として10万人での請求をやり遂げたい」と決意を語りました。
森口藤子副委員長は、2000年以降、数回にわたって年金が引き下げられる一方で、国民健康保険料や介護保険料などが引き上げられ、年金の手取り額は減っていると指摘。「組合員は、大雪の中でも一人ひとりのもとに足を運んで請求書を集めている。高齢者の生存権を奪う削減は不服だと意思表示をしたい」と話しました。