米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる辺野古の新基地建設の是非を問う沖縄・名護市長選(19日投票)は、新基地ノーを貫く稲嶺ススム市長と、新基地推進の末松文信氏との大激戦・大接戦です。
論戦では、「辺野古の海にも陸にも基地をつくらせない」という公約を貫く稲嶺候補が圧倒。その反映として、14日付各紙の世論調査は共通して「稲嶺先行、末松追う」という結果になっています。
同時に、辺野古新基地問題が争点になった選挙で、事前の予想では新基地反対の候補が優勢とされながら敗北した例が少なくありません。最近でも、2012年2月の宜野湾市長選で、「圧勝」と言われた伊波洋一元市長が僅差で敗れています。
日本共産党沖縄県委員会と沖縄県統一連の決起集会(13日夜)で赤嶺政賢党県委員長・衆院議員は「沖縄の自民党は序盤戦、どんなに不利な情勢があっても絶対にひっくり返す自信を持っている」と述べ、並々ならぬ構えでのぞんでいることを指摘しました。
実際、末松陣営は企業や地縁・血縁に依拠した締め付けを積み重ねており、13日の期日前投票は前回同日比で約1・5倍に達しています。買収・接待も半ば公然化しています。
同時に、過去の選挙で新基地推進派は「条件付き」推進や普天間「県外移設」を打ち出したため、争点が明確になりませんでした。
今回、仲井真知事は「県外移設」の公約を裏切り、辺野古の埋め立てを承認。末松氏はそれを「ご英断」と天まで持ち上げています。
赤嶺氏は「ここで負けたら沖縄県民が初めて基地を受け入れたことになってしまう。絶対に負けられない」と訴えました。
稲嶺候補が掲げる政策は幅広い有権者の心をとらえていますが、組織戦では勝利を保障する到達になっていません。最終盤、全有権者を視野に入れた宣伝、支持拡大に全力を挙げています。
こんなに巨大 辺野古の新基地計画(赤旗日曜版1/19日号)
安倍政権が沖縄県民の「総意」に逆らい、名護市辺野古沿岸部への建設を狙う米軍新基地。19日投票の名護市長選では、その是非が大争点です。そもそも日米両政府は、どんな基地をつくろうとしているのでしょうか。防衛省が沖縄県に提出した「公有水面埋立承認願書」などに基づいて実像を描くと、とんでもない基地の姿が―。