minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

mina 第3章

2005年03月21日 | 官能小説「mina」
 結局、浩一郎は助からなかった。病院で浩一郎を診た主治医からそう告げられた時、わたしはへなへなと座り込んでしまった。とても立ち上がる気力はなかった。どうしてわたしがこんな目に遭わないといけないのだろう。
 簡単な説明の後、彼の両親への連絡を頼まれた。わたしは彼の婚約者・・・救急隊長が主治医にそう報告したらしい・・・であり、肉親ではないので、遺体を引き取ることが出来ない。それにしても、彼のご両親に、一体どう言えばよいのだろう。浩一郎さんは、わたしとラブホテルでセックスをしている最中に、急にお亡くなりになったなどと言える訳がない。この時になって、ようやくわたしは彼がいわゆる腹上死したのだということに実感が湧いてきた。主治医に促されて、わたしはのろのろと携帯電話を取り出した。時刻は既に、夜中の2時だった。電話には彼の母親が出た。

「森山さんのお宅ですか。・・・。はい、わたし、秋島 美奈と申します。・・・。夜分、遅くに申し訳ございません。実は、今まで、浩一郎さんとご一緒させていただいていたのですが・・・、彼が急に具合が悪くなり、お亡くなりに・・・。」

 電話の向こうでは、大変な騒ぎになっているみたいだった。無理もない。彼は、森山家の一人息子なのだ。わたしは、電話を替わった彼の父親に、病院の場所を伝えた。
わたしの両親にも電話した。わたしは、就職して2年目に銀行でローンを組み、マンションを購入して、勝手気ままな一人暮らしを満喫していたから、両親と電話することはたまにしかなかった。久しぶりの電話がこんな内容では最低だ。
彼の両親、わたしの両親ともに、電話をしてから1時間もしないうちに病院にとんで来た。
「お母さんっ。」
わたしは、母の姿を見るなり、取り縋って泣いた。
「美奈、一体、どうしたというの。でも、もう大丈夫。お父さんも由香も来てくれたわよ。」
 母はわたしの身体を抱きしめてくれた。由香はわたしの妹である。今年、大学2年生だ。
彼の両親は、主治医に呼ばれて、診察室に入って行った。彼の両親は、主治医から死因の詳細を知らされるだろう。気はすすまなかったが、わたしもわたしの両親に、自分の口からそれを話さなければならない。わたしたちはライトが落ちて薄暗くなった病院の待合室のソファーに並んで腰掛けて、彼が死んだ時の状況を話した。状況が明らかになってくると、母は両手で頬を押さえ、
「まぁ、なんてこと・・・。わたしはあなたをそんなふしだらな娘に育てた覚えはないわ。」
と叫んだ。父は下を向いて、黙り込んでいる。
「お姉さんだって、望んでこんな結果になった訳じゃないのだから・・・。」
由香がとりなしてくれるけれど、気まずい雰囲気は直らない。そのうちに、彼の両親が診察室から出てきた。どんな罵声を浴びせられるのか、恐怖で身がすくんだ。
 彼の母親がわたしをみつけ、走り寄って来た。引っ叩かれると思い、目をつぶった。
「あなたが、美奈さんね。」
 予想外の優しい声に、わたしは恐る恐る目を開けた。彼女は、わたしの手を握り締め、涙を流しながら言った。
「あなたのことは、息子からよく伺っていたわ。とても美人で気立ての優しい子だって。浩一郎の言っていたとおりの人ね。」
 怒鳴られると思っていたのに、なんだか妙な雰囲気だ。それを敏感に察知したのか、わたしの母親がわたしたちの間に割り込んできた。
「この度は、私の娘が大変なことをしでかしまして・・・。本当に申し訳ございません。」
 わたしは、母の言葉が気に入らなかった。だって、わたしと浩一郎は本気で愛し合っていたのだ。別に、悪いことをしていた訳じゃない。そりゃね、結婚もしていない男女がセックスをしたらいけないというのなら、そして、結婚するまで女は純潔を保っていなければいけないというのなら、わたしはいけない女なのかもしれない。でも、今時、そんなふうに純潔を守っている女なんていないはず。それに、わたしはどうしても、彼とセックスする必要があったの。
 浩一郎の母親は、落ち着いた表情でゆっくりと首を横に振った。
「とんでもない。こちらこそ、お詫びしなければ、と思っていたのです。実は、あの子は、不治の病にかかっていまして、あと4~5年の命と言われていたのです。もちろん、あの子には話していなかったから、知らなかったと思いますが・・・。」
 なんですって・・・。そんなふうには、わたし、訊いてなかったわよ。
「それが、少し早くなっただけと思えば・・・。」
 彼女は、言葉に詰まり、大粒の涙を溢れさせた。
 彼の父親が、その言葉を引き取って、話を続けた。
「美奈さんのことは、片思いなんだと息子は言っていました。私は、それを聞いて、息子が不憫だとは思いましたが、ほっとしました。もし、二人が愛し合っていて結婚まで話が進めば、病気のことに触れることになり、今よりもつらい選択をすることになったかもしれませんから。このような形で突然、息子の人生が終わることになったことは悲しいことですが、息子が最後に貴女への想いを遂げたのだから、親として感謝しています。」
 わたしの両親はそれを訊いて複雑な表情になった。
もちろん彼に責任はない。
結婚したいというのは本気だったから、彼が余命幾ばくもないと知ったところで、どうということはない。そんなことで、人を好きになったこの気持ちが変わるものでもないし・・・。
だから、多分、わたしは、すぐ未亡人になってしまったとしても、後悔はしなかっただろう。
「ねえ、美奈さん、息子の供養のために、息子の最愛の人として、できるだけ近くで、息子を最後まで見送っていただけませんか。」
「・・・ええ。」
 とても断れる雰囲気ではなかった。どうせ明朝には職場に彼の死亡報告がなされ、葬儀にはほとんどの同僚がお焼香にくるだろう。当事者として、いっそ彼の身内側にいた方が楽かもしれない。
 いったん着替えに自宅に帰り、その後で彼の家に行くと彼の両親に約束して、わたしたちは別れた。わたしは、全裸のうえにバスローブを羽織っただけの姿だったのだ。ソファーから立ち上がった時、太腿をつつーーっと浩一郎の放った精液が伝い落ちた。わたしは慌てて、バスローブで股間を押さえた。顔から火が出るほど、恥ずかしかった。みんなに気付かれただろうか。
 わたしは初七日まで、浩一郎に付き合った。その間は、ずっと彼の家に寝泊りした。彼の両親は、わたしのことを彼の妻の如く、そう言うのがまずければ、腫れ物を触るような感じで、扱ってくれた。そこまでいくと少し荷が重かったが、それでご両親が納得してくれるのなら、そのくらいのことは我慢しなければならない。本当にこれで彼の供養になるのなら、わたしとしても精一杯、その役を演じようと思った。
 初七日も済み、いよいよわたしが自宅に帰る頃になって、彼の両親がわたしに話があると言う。
「美奈さん、本当にいろいろとありがとうございました。息子もこれで思い残すことなく、天国に行けたと思う。」
「それでね、お話というには、美奈さんに確認しておきたいことがあって・・・。」
 母親が少し言い難そうに切り出した。
「実はね、もし、貴女があの子の子供を妊娠しているのなら、どうか下ろさずに産んでいただきたいの。わたしたちにとって、浩一郎は一人息子。森山家の血を伝えることができるのは、もう貴女のお腹の中の子供だけなのよ。」
 わたしは眩暈がした。どうして、わたしが妊娠しているなどと思うのだろう。たった一晩だけの契りで、そんなに都合よく妊娠するだろうか。こればかりは、期待されても困る。第一、わたしが未婚の母になってしまうではないか。子供だって不憫だ。最初から父親がいないのだから。でも、そう言えば、あの日は避妊しなかった。計算すると、安全日ではない。むしろ危険日に限りなく近い。ひょっとして、彼の子供を妊娠しているかも知れない。どうしよう。
 そんなことを考えていると、気分が悪くなってきた。思わず戻しそうになって、わたしは洗面所に走った。あれからずっと彼の家に寝泊りしていたから、気疲れしたんだわ。疲れも相当溜まっているみたい。口をゆすぎ、ふと鏡を見ると、後ろから彼の両親が心配そうに鏡に映ったわたしの顔を覗き込んでいる。
「違うんです。つわりなんかじゃありません。」
 わたしは叫んでいた。あの晩に妊娠していたとしても、1週間やそこらでつわりになるはずがない。
 でも、彼の両親は、わたしの言うことなんか耳を貸さない。勝手に二人の間で話を進めている。
「やはりそうだ。浩一郎の子供が、美奈さんのお腹の中にいる。美奈さんのご両親に事情を話して、どうしても承諾して貰わなければ・・・。」
 このままだと、この家から出られなくなる。わたしはぞっとして、しつこく引き止める二人を残して、逃げるように自宅に戻った。
 マンションに戻ると、妹の由香がいた。
「おかえりなさい。」
 由香はわたしに言った。どうやって部屋に入ったのだろう。由香に尋ねると、
「お母さんとわたしとで、管理人さんに事情を話して、鍵を開けて貰ったのよ。」
「事情って、どういうことよ? ここは、わたしの部屋なのに・・・。」
「うーん。困ったなあ。あのね、お父さんとお母さんが、姉さんを一人でおいておくと、また、同じようなことになったらいけないからって言っているの。だから、わたしが姉さんの監視役として一緒に住むことになったのよ。」
 わたしは返事をしないことで、怒っていることの意思表示をした。とんでもないわ。わたしに監視役ですって?
 まあ、いいわ。明日から職場復帰するのだし、由香を家政婦代わりにこき使ってやりましょう。

 翌日、わたしが出勤すると、同僚たちの反応がおかしかった。以前、仲の良かった同僚でさえもわたしを遠巻きにして、話し掛けてこない。わたしが会話の輪に入っていこうとすると、さっと散っていなくなってしまう。挨拶と仕事上の必要最小限の会話くらいはしてくれるが、それだけだ。仲間外れにされてしまった。村八分もよいところだ。一体、わたしが何をしたというのだろう。
 堪りかねて、昼休みに、以前最も仲の良かった預金係の沙耶香をつかまえて、問い質した。
「一体、どうしたというのよ。わたしが何かした?」
「ごめん。美奈は悪くないと思うわ。でも、変な噂がね・・・。」
 沙耶香は、申し訳なさそうに言った。
「森山君が死んだのは、ミナの超能力のせいだって・・・。」
「わたしの超能力?!」
「うん。この前、アーリーに飲みに行ったら、そこの店員さんが教えてくれたの。ミナには、セックスすると腹上死させる不思議な力があるんだって・・・。」
「なんですってっ。そんなことを言ったのは美幸ね。なんてことを・・・。」
 わたしは言葉が続かなかった。
「だから、みんな、気味悪がって、ミナには近づかないようにしようってことになったの。」
「それで、あなたはどうなのよ。」
「ごめん。ミナと話していると、わたしも仲間外れにされるから・・・。許して。」
 そう言って、沙耶香は走り去った。わたしは、ぽつんと一人取り残された。
 これでは、神経が持たない。わたしにはマンションのローンも残っているから、銀行を辞めるわけにはいかないのだ。最悪だ。もはや、転勤願いを出すしか方法がない。悪いことは重なるものだ。全てが悪い方へと傾き始めた。
 昼休みが終わって、自分の席に戻ると、支店長から支店長室にすぐ来るようにと、電話が入った。
 一体、何の用だろう。
 わたしは、首を傾げながら、支店長室に向かった。
「失礼しま・・・。」
 支店長室に入って、お辞儀をしながら挨拶をしようとしたが、その言葉が途中で凍り付いてしまった。悪夢だと思った。できることなら、踵を返し、そのまま部屋を出てしまいたかった。
 支店長と一緒に来客用の応接セットに座っていたのは、石本社長だったのだ。
「秋島君、こちらは石本カルチャースクールの石本社長様だ。存じ上げているね。」
「・・・。はい。」
 わたしは不承不承、頷いた。支店長には、わたしがどうしてそんなに不機嫌な顔をしているのかが理解できないらしく、戸惑いながら、わたしに石本氏の前に座るように言った。
「久しぶりですね、ミナさん。」
 石本氏は、わたしに馴れ馴れしく声を掛けてきた。支店長は、満面の笑みを浮かべ、わたしと石本氏の顔を見比べながら、話を切り出した。
「実は、石本カルチャースクールとお取引をいただけないかと、長い間、営業係を中心にアプローチを続けていたのだけれど、なかなか社長様のご承諾がいただけなくてね。ところが、急に、前向きに検討してくださると言う。お話を伺ってみると、どうやら、秋島君のおかげのようなんだよ。」
 石本氏は、支店長の言ったことを補うように続けた。
「当社は、今度、新しいメディアチャンネルを立ち上げることになって、人材を求めていたところなのです。前にもお願いしたとおり、貴女に当社に来ていただきたい。それが、東西銀行と取引を始める条件です。」
 何を調子のいいことを言っているのよっ。わたしにそんな新規プロジェクトを立ち上げる能力があろうはずがないじゃない。第一、そんなことを評価することができる出来事や時間が、わたしたちの間にあった? ないでしょう?! あったとすれば、ぽっくり教の教祖のほら話だけだわ。まさか、社長さん、あなたはあんなヨタ話を信じているンじゃないでしょうね。
「どうしてそれほどまでに石本社長様が秋島君を評価してくださっているのか、頑迷な私どもでは理解が及ばないところがあるのですが、理由をお聞かせいただけませんか。」
 わたしは支店長をキッと睨んだ。そんなこと聞かなくたって判ってるじゃない。このエロ親父は、わたしを慰み者にしたいのよ。支店長、あなたもわたしの上司なら、部下を守ってよ。これじゃあ、体の良い人身売買よ。支店長だって、わたしにそんな能力があるなんて思っていないでしょう? だから、どうしてわたしなんかを石本社長が欲しがるのか、理解できないのでしょう? 悔しいけれど、そのとおりなのだから、彼の会社にトレードなんかしないで。お願いだから。わたしは心の中で支店長に懇願した。石本氏は、そんなわたしの心境を知ってか知らずか、支店長に説明を始めた。
「支店長はご理解されていないようですね。彼女には人を惹きつける不思議な魅力があるのです。カリスマ性と言ってもよいかも知れない。今度のプロジェクトでは、多くの才能ある若者が参加します。彼らをひとつにまとめて、ぐいぐい引っ張っていくそんな人材が必要なのです。彼女ならそれができると私は確信しているのです。」
 石本さん、そんなこと、本気で言っているンじゃないでしょう? 本当に、わたしにそんなビックプロジェクトを任せるつもりなの? 本当にそうなら、わたしも覚悟を決めるけれど、・・・もちろんお引受けするのではなくて、逃げるのよっ、あなたから。だって、そんな能力、わたしにはないもン。判った! あなた、わたしにそんな仕事を任せて、潰れるのを待つつもりだったのね。そして、わたしがあなたに助けを求めざるを得ないように仕向けて、わたしをがんじがらめにして手篭めにするつもりだったのね。そうはいかないわ。
「石本社長っ、とてもありがたいお話だとは思いま・・・。」
 わたしは石本氏にはっきり断ろうとした。しかし、支店長がわたしの言葉を遮った。
「本当にありがとうございます。私どもの行員である秋島をそこまで評価してくださっているとは、支店長として感動すら覚えます。もちろん、私どもに異論のあるはずはありません。こんな秋島でよろしければ、どうか使ってやってください。」
「なっ、何?!!」
 わたしはあまりのことに言葉を失った。ひどい。何を勝手に承諾しているのよ。わたしは気を取り直して、石本氏に断ろうとした。しかし、支店長がわたしの足を思い切り踏みつけて、わたしに喋らせなかった。わたしは、痛みと悔しさで俯いてしまった。それを石本氏はわたしの承諾と理解したのか満足そうに頷き、支店長に向かって
「それでは、明日でも営業の人間を寄こしてくれたまえ。契約書に調印しよう。それから、ミナさんと今後のことで打ち合わせもしたいので、明後日、わたしのところに来て欲しいのだが・・・。」
「承知しました。当行の退社手続きが済みましたら、すぐにでも、御社に出社させます。秋島君、石本社長様の許で、存分にその力を発揮してくれ。わたしも期待しているよ。」
「・・・。」
 わたしは何も言う事が出来なかった。木偶の坊のように石本氏を見送るだけだった。
「秋島君っ。」
 石本氏を見送った支店長が戻ってきて、厳しい声でわたしを呼んだ。
「何なんだ、あの態度は。何の役にも立たない半人前の銀行員のくせにっ。そのお前がやっと銀行の役に立てる千載一遇のチャンスなんだよ。判っているのかっ。」
 わたしは支店長室に再び連れ込まれた。そこには、営業課長も融資課長もいた。さらには、本部の偉い人も来ていた。何なのよ。わたしをどうするつもりなのよ。
「今回の融資案件は、石本グループとしても相当大きなプロジェクトであり、資金調達については、ライバル行のレインボー銀行でほとんど決まっていた案件でした。しかし、石本社長からあの不思議な打診がありまして・・・。」
 営業課長が本部の偉い人に説明を始めた。
「うむ。彼女のことだろう?」
 本部の偉い人は、好奇に満ちた目でわたしのことを見た。
「とにかくだ、秋島君一人が犠牲になってくれれば、あの石本グループと取引が開始できる。もし、秋島君に石本社長の言っていたとおりの能力があるのなら、秋島君は石本グループで結構な地位につくことだって可能だ。そうなれば、よもや秋島君だって当行への恩義を仇では返すまいから、将来は、当行が石本グループの中枢に食い込むことができるというものだ。」
 何を勝手なことを言っているのよ。わたしを人身御供にして取引を取ったってことは、一生覚えておいてやるからね、もし、わたしが石本社長のところで実権を持つことができたら、あんたらなんか出入禁止にしてやるっ。覚えてらっしゃい。
「と言うことだ。秋島君、この書類にサインしてくれたまえ。」
 支店長は、わたしに1枚の紙とボールペンを渡した。それは、退職願いだった。
「その退職願は形だけのものだ。なにしろ当行のために辞めて貰うのだからね。退職条件としては、破格の待遇をするつもりだ。退職金は通常の5倍だそう。住宅ローンも行員制度融資の特別金利のままで引き続いて利用して貰って構わない。次のボーナスも含め、今後半年間の給料も全額支払うつもりだ。石本グループへ転職後、2年経って、もし、当行に戻ってきたいというのなら、無条件で職場復帰を認めよう。どうだね。」
 支店長がわたしを懐柔するように揉み手をしながら、
「こんな恵まれた条件はわたしも見たことがない。これは専務のご好意なのだよ。もっともこれを受けられないというのなら、秋島君、君の当行の中での居場所は、もはやどこにもないということもまた現実だ。判るね。」
 居合わせた者たちは、全員薄ら笑いを浮かべている。有無を言わせぬ雰囲気だった。こいつ、専務なのか。わたしは本部の偉い人の顔を見た。どおりでみんな、こいつにペコペコしていると思った。わたしに選択肢はないというわけか・・・。わたしは諦めて、書類にサインをした。
(続く)

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
縮小が (ラリホー桃咲)
2005-06-18 14:15:26
すっかりご無沙汰してます!



リニューアルされたんですね♪



BBSの入り方が分からなたっかので、コメントから参りました!

申し訳ありません ペコッ



ご要望がありましたので、バナーを何とか縮小しようとしているのですが、方法が分かりません。

もし、ご存知のよういでしたら、ご教示をお願いいたします!



お世話をおかけして申し訳ありません!

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分かりましたvv (ラリホー桃咲)
2005-06-18 14:35:32
度々で申し訳ありません!

縮小方法分かりました。

難しく考え過ぎていました☆

早速、変更しておきます^^



ジャニ
返信する
ハマっちゃいました (塩海苔)
2008-02-25 04:56:39
なんてすごい展開だ!
いやぁ、もう完全にハマってしまいました(笑)
秋島美奈はこれからどうなるかって知りたくてしょうがないです。
たとえもう官能と関係なくても最後まで読みたい気分です!

しかし、そんな破格の退職条件は見たことがありません!凄いです(笑)
普通に考えれば、どうしても嫌な場合は辞めてしまえば解決なんですが、ローンだって再就職すれば何とかなるものですし(貯金があればね)。でも…あんな条件出されたら、動揺したりするものですね(苦笑)
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