ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

戦場のアリアに思う

2009年01月12日 17時46分32秒 | 音楽・アート
ずっと観たかった映画が
年末年始にBSで放映されていたので
録画したのをやっと観ました。
「戦場のアリア(Joyeux Noël)」

4年前の映画なので観た方も多いと思いますが
1914年第一次大戦下、英・仏の連合軍と独軍が
泥沼の戦争を繰り広げている北フランスで
凍えるクリスマスイブの夜に
互いの塹壕から聞こえてきたクリスマスの歌をきっかけに
兵士たちが各々の塹壕を出て
共にクリスマスを祝ったという実話。



「どうか憎むことの出来ない敵を
殺さないでいいように
早くこの世界がなりますように」
宮沢賢治が「烏の北斗七星」で書いたこの言葉は
どの国の兵士の胸にもあったのかもしれません。

この最前線での停戦が本部の知るところとなり
敵兵と親交を結ぶとは「国に対する反逆罪」として
仏軍の本部から更迭を言い渡しに来た少佐に
息子である中尉が言った言葉が印象的でした。

「ドイツ兵を殺せと命令するあなた方より
ドイツ兵の方が、はるかに人間的だった。」

民族や言葉の違いを超えて共に歌い、祈り、
お酒を酌み交わし、互いの家族の写真を見せあい、
互いの無事を祈り合う兵士たちを引き裂き、
「国に対する反逆罪」の烙印を押して殺戮に駆り立てる、
国の「大義」というものの愚かしさ、醜さ。

戦争が人間性の闇の部分だとしたら
この戦場の一夜限りの奇跡は、
人間性の最も美しい部分の表れであり、救い。
それを引き出した歌や音楽というものの
秘められた力の大きさを改めて思いつつ。

この映画は「Life is Beautiful」と並んで
わたしの心に残る映画の1つになりました。

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