最近の日課は朝起きて直ぐに寝床の中で、
全国版主要5紙のコラムと社説を読むこと。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20120206
今日(25日)の毎日新聞のコラム・余禄と、
一昨日(23日)の産経新聞のコラム・産経抄。
今夜は2件のコラムの共通点をテーマに話を進める。
今夜のテーマ。
それは、
“時代の変わり目”
コラムの内容を抜粋して転載をさせていただくと、
英語百科事典の代名詞のような『エンサイクロペディア・ブリタニカ』が印刷をやめることになったという。
2010年版の在庫4000セットを売り切った後は電子版だけになるそうだ。
いずれ図書館の標準装備品から百科事典が消える日がくるのだろうか?
(ブルタニカの歴史は古く244年前に刊行された権威ある出版物)
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(原因は)パソコンとインターネット技術の普及だ。
書籍版は全32巻が1400ドルだがインターネットで使う電子版は年間約70ドルの利用料ですむ。
価格だけではない。
★電子化された辞書は置き場所をとらない。
☆重い書籍を書棚から出し入れしたりページを繰る面倒がない。
★ジャンプ機能も便利だ。
☆関連する別の項目に次々に移動するうちに思いがけない知識を得ることがよくある。
★自分の枕元に単体の電子辞書を置くようにしてからまめに辞書を引くようになった。
☆寝転んでいても軽い電子辞書は片手を伸ばすだけでいい。
まさに手軽だ。
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それだからこそ、
ずっしり重たい百科事典はいつまでも図書館に並んでいてほしい。
<毎日新聞・余禄:2012年3月25日>
最初は社内でほとんどが反対の声だった。
子供は“ごっこ遊び”で知識を身につけてきた。
なにより親しみやすい言葉じゃないか。
理想科学工業の羽山昇社長が懸命に説得する。
こうして新製品の名前が『プリントゴッコ』に決まった。
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(羽山社長は)日大に通いながらガリ版刷りのアルバイトを始めた。
オフセット印刷やコピー機に圧倒され孔版印刷は時代遅れと見なされた時期もあった。
それでも羽山さんは孔版(ガリ版)の将来性を信じてひたすら技術革新に取り組んだ。
その結果生まれたのが自分で書いた絵や文字を簡単に多色刷りできる『プリントゴッコ』だ。
年賀状づくりにぴったりとあってたちまち評判を呼ぶ。
家庭に普及するようにと羽山さんの鶴の一声で決まった1万円以下という価格設定も当たった。
昭和52年の発売以来の累計の販売台数は約1050万台に達している。
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次第にパソコンとインクジェットプリンターに取って代わられ平成20年には遂に出荷を終了した。
(プリントゴッコの)インクなどの販売も今年いっぱいでなくなる。
自分が名付けたわが子のような製品の退場を見届けて羽山さんは2012年3月13日。
87年の生涯を終えた。
<産経抄:2012年3月23日>
2件のコラムと関連して、
2012年2月。
VHSビデオの生産終了が新聞紙上に掲載された。
ビクターによって開発されたVHS方式のビデオ・デッキは、
ベータ・ビデオ方式との戦争に勝利し栄華を極めものの、
21世紀に入りデジタル機器の急速な進化に押され、
35年の月日を経てパナソニックによって幕がおろされた。
*この件については別の機会に文字にしたい。
もう30年近くも前になろうか?
営業先の社長さんから頂戴した言葉。
「いつの世も自分が下駄屋なのか靴屋なのかを見極めねばならない」。
社長さんが語った経営原理(商売に鉄則)だ。
*ドラマ「カーネーション」でも似たシチュエーションが紹介された。
下駄と靴は、着物と洋服、革靴とスニーカー等に置き換えれば理解しやすい。
社長の意図を私の言葉で置き換えれば、
「下駄がなくなることはないが靴の便利さに衰退することは明らかだ。
それを知りながら下駄を追いかければその会社は必ずつぶれる。
時代の変わり目には絶えず転機が求められる。
そのことをしっかりと覚えておくように。」
以前にも文字にしたがそれは同時に、
石炭から石油への転機の時代の、
日本の決断にも通じる。
“転機の見極め!”
この国は平成に入り〝どれだけ〟変われたのだろうか?
既に転機すべき時期は疾うに過ぎているのに…。