昨日のブログで紹介した名古屋哺乳類研究会の閉会あいさつで、この会の会長の織田教授から信じられない情報がもたらされました。
「名古屋市守山区の志段味で、百数十年にわたり造られたてきた農地が、本人の承諾のないまま、土地区画整理事業の名のもと、突然十数台の重機によって踏みつぶされ壊されてしまった。名古屋市にも事前に知らされておらず、農場からの連絡を受けた市の職員が、工事の中止に入ったのだが…。」
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/081224_5.htm
土地区画整理事業というのは、宅地や商業地域として利用価値の高いと認められる農地などを区画としてまとめて開発すること。もちろん開発は地権者の承諾なくできるものではありません。開発予定の区画内に農業を続けたい農家がいる場合は、代替農地を提供し、平和的に移っていただかなければならないものです。
日本は私有財産が認められた法治国家です。
国や地方自治体が行う公共事業でさえ、勝手に他人の土地を利用することはできませんし、強制的に土地収用を行うこともありますが、その場合は複雑な法手続を経なければなりません。
今回の暴挙ともいえる行為は、いち土地区画整理組合が行ったもので、この団体が法的に認められる強制的な土地収用を行うことなどできません。他人の財産を侵害するというあきらかな違法行為です。
あとから聞いたところによると、なぜこんな無謀なことが行われたかといえば、この土地開発がされる場所には、地元大手スーパーの出店が予定されているそうで、早期に開発を行う必要があったとか…。
私たちが生きていくためには、多くに生命の犠牲によって成り立っています。そして、健全な食のためには健全な農業が必要です。
今回は破壊されてしまった畑は、長い年月をかけて多くの生きものとともに造られた場所であり、畑にいた多くの生きものたちは、表土とともに重機に踏みにじられてしまったのでしょう。
法律的には、損害賠償請求の対象になり、相当額の賠償が行われることになるでしょう。しかし、失われた畑を取り戻すのには、このあと何十年もの歳月が必要でしょうし、失われた生命はもう取り戻すことができません。
本当に信じられない話です。
P.S.破壊される前の野田農場のニュースはこちらです。
http://goodnews-japan.net/news/cop10/2008/10/05/485