
幼いとき、自分で料理をするってことは
夢のまた夢だった
「ほな、ラーメン作れよぉ!」
兄弟げんかをしたとき、約束を守れなかったとき、
その代償として行うのは、ラーメンを作ることだった
出汁をとって、麺を打って、ではもちろんない
勿論それは、インスタントラーメンだ
それすら作ることが出来なかったあの頃
初めて料理らしいモノを作ったのは、
卵焼きだった
弟と二人して悪戦苦闘し、
味付けとして、アジ塩をふりかけて味を整えていたとき
「もうちょっと」
「いや、もうちょっと」
「これ、味せえへんでぇ!」
少しずつ足していった塩化ナトリウム満載の卵焼きは
試食と題した実験台の親父が食ったのか、
それとも自分たちで食ったのかは定かではないが、
口の中がじゃりついていたのは
微かに覚えている
あれから三十数年
料理をするようになった
必要に迫られたからだが、
作ってみると、意外と自分は作るのが好きなんだと
思ってみる
作ると言ってもレパートリーは少ないし、
人様に食べてもられるようなモノではないと
自負するところ
ただ、一回目よりも二回目
二回目よりも三回目
前回はこの味付けだったから、今回はこっちで
作り方も、先にタマネギを炒めてから!とか
やり方の工夫は勿論だし、
食材にも、自分なりのアレンジを加えてみたりする
今回はカレー
これで何度目のカレーだろうか?
記憶が確かなら、まだ10回とも作ってはいないが、
5回以上だとは思っている
最初は作れたことが快挙だったが、
二回目からは、少し工夫をし、
時には茄子を入れた
“夏野菜カレー”
を作ったりもした
チキンカレーはもちろん作った
そして今夜のカレーは
“モツ煮込みカレー”
弟が帰郷した折、おでんにモツを入れてくれたのが、
今回のアイディアになった
ただ、僕の特許と言うことでもなく
“ホルモンカレー”は巷にあるらしい
次回は、いまだ作ったことのない
シーフードカレーを作りたいと思っている
夏のあいだに