おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

旅立ち

2009年12月04日 | 日記・エッセイ・コラム
「何故、トイレに“初恋”の歌詞が貼ってあるんですか?」
 
義妹の疑問である
ごもっともな疑問だ
今もトレイに入って、シミジミと読み返してみたが
なにゆえ、そこにあるのか?と
われながら考えてみた
 
我が家のトレイのドアには
一枚の貼紙が貼り付けてある
最初は親父が貼り付けた
 
“般若心経”
 
だった
毎日、般若心経を口ずさみながら用を足していると
門前の小坊主なんとか!じゃないが
それとなく覚えるものだ
 
その後、茨木のり子さんの
 
“自分の感受性ぐらい”
 
と言う詩を貼った
テレビで朗読されているのを聴いて
好きになった文章だ
それから、その貼紙は歌詞が書かれたものになり
それは
 
“3月9日”
 
になり、そして“初恋”になった
 
思い返してみれば、弟も自分の部屋の壁に
歌詞の書かれた紙を貼っていた時期があったが
そもそも、僕がそういう行為が好きになったのは
会社の寮に住んでいたときに
松山千春の歌詞を壁一面に
貼り付けていた先輩の影響があるのは否めない
 
確か、山口県出身だったと思う“カワカミ”さんは
何を言っても
 
「あっ!ホントにぃ!」
 
を繰り返す、なんとも素朴な人だった
当時“天然”なんて誉め言葉が無かったが
エピソードには事欠かない
噂話で腸ねん転になりそうなぐらい
笑わせてもらった人だった
 
その人の部屋に行ったとき、その歌詞カードを
目にした
それまで、千春松山の歌はあまり聞いたことが
なかったのだが、そのひとつひとつを
読んでいるうちに、その世界に惹きつけられたのを
思い出す
 
歌詞には不思議な力がある
 
メロディで隠れてしまった、なんとも言えない
雰囲気がある
少し前に“声に出して読みたい日本語”って本が
あったと思うが
メロディを付けずに、時には歌詞を朗読してみると
なんとも味わい深い世界を感じる事ができる
 
我が家のトイレ
そろそろ、次の歌詞なり詩に張り替えたいと思った
 
さて、次に響く歌詞はなんだろうか?
 
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする