亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site
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膠を一晩ふやかす
日本画の、こうした準備が好き
すぐに描き始められない
頭の中が絵で一杯になる
私は電熱器は使わず湯煎で膠を溶く。
北側の画室でも、
暖房を入れたくないので
湯たんぽをお尻にしいて絵を描く。
そんなこともあって、
絵を描く前には、大量の湯を沸かす。
湯が沸くのをじっと待つ。
それも好き
期待をしながら
何かをじっと待つのが好きだ。
私が冬の虫のようにじっとしている間、
世界はおそろしいほどの勢いでかき混ざり
ある日突然、それまでにない風となって吹いてくる。
それでも毎日
朝から晩まで絵のことを考える。
未熟でも、自分の絵に出来うる限りの手を尽くす。
1ヶ月も経つと、画面は愛着で一杯
私の風も誰かに届く